価格に影響を与える条件
注文住宅はそれぞれの建て主のご希望次第で安くも高くもなりますが、そのベースとなる値段は土地や建物の形状、前面道路などの様々な条件に影響を受けます。
もっとも基本となるポイントは、建物はシンプルな形であるほど安く建てることができ、複雑な形になればなるほど割高になるということです。
複雑になることによって表面積や工事手間が増え、同じ床面積でも材料費や工賃が加算されていきます。
また、構造としては木造が最も安く建てることができます。
言い換えると、木造以外の構造が必要な部分が増えれば増えるほど、割高となります。
それらに影響を与える条件は以下の通りです。
土地形状
四角形で、正方形に近ければ近い土地ほど安く建てることができます。
後述するように、正方形の建物が最も安く建てることができますので、それに対して正方形の土地はムダが生じないからです。
例えば、三角形の土地に収まる四角い建物を建てようとすると、同じ床面積であれば四角い土地よりもより多くの土地面積を必要とし、土地代だけでなく外構費もかさみます。
また、四角い土地は前面道路にある程度の長さが接していますので、工事の効率も上がります。
その他、土地と前面道路に高低差がある場合、擁壁工事費や外構費が余計にかかる場合があります。
前面道路
前面道路が一定以上の幅があると安く建てることができます。
前面道路が狭いと道路斜線制限によって建物が削られ、形が複雑になります。
土地の大きさ
建物に対して狭すぎず、広すぎずが最も安く建てることができます。
土地が狭いと斜線制限によって建物が削られて複雑な形になり、一方広すぎると外構にお金がかかります。
建物の形状
四角形、それも正方形に近ければ近いほど安く建てることができます。
同じ外壁の量であれば、正方形が中の面積が最大となります。
つまり、同じ床面積であれば、正方形が最も外壁が少なくて済むわけです。
建物の大きさ
スケールメリットが働きますので、建物が大きければ大きいほど坪単価は安くなります。
ローコストな狭小住宅をご希望される方が少なくありませんが、この場合、総予算を抑えることができても、建物が狭い分、坪単価としては高くなります。
また、大きな建物を建てられる大きな土地は、その分建物周りに余裕があり、斜線制限がかかりにくくなります。
ただし、二世帯住宅や賃貸併用住宅のように、キッチン等の設備が複数セット必要になる場合はスケールメリットは働きにくくなります。
階数
2階建てが最も安く建ちます。
平屋は床面積に対して基礎(鉄筋コンクリート造)や屋根の面積が広いために割高になり、3階建て以上は準防火仕様のためのコストや杭工事、地盤改良などにコストがかかる可能性があります。
また、地下は作らない方が割安です。
地下は土を掘らなければならない上に、少なくとも地下部分は鉄筋コンクリート造で作らなくてはなりません。
結論
幅のある前面道路に接している高低差のない正方形の土地に、ある程度以上の大きさの正方形の木造2階建てを単世帯で建てるのが、床面積あたりの坪単価が最も安くなるということができます。
特に規格住宅であるハウスメーカーの場合、建物の形が複雑になった場合の価格の上昇幅が大きくなる傾向にあります。
ただし、安く建物が建つような好条件の土地はその分地価が高くなりますので、常に土地・建物を合わせた総額での比較を忘れないようにしてください。