建築家で建てる場合は、設計監理契約を建築家(設計事務所)と結び、工事請負契約を工務店と結びます。
そのため、支払いについても、設計料は建築家(設計事務所)へ、工事費は工務店へとそれぞれ別々に支払うことになります。
◆建築家への支払い
建築家に対する設計料の支払いは、3~5回程度に分割して支払うのが一般的ですが、支払いの回数や割合はそれぞれの建築家によって異なります。
下記のケースはあくまでも一例です。
(1)設計契約時
設計料の20%程度を支払います。
(2)基本設計完了時
設計コンセプトや大まかな間取りが定まった時点が基本設計完了時です。設計料の20%程度を支払います。
(3)実施設計完了時
床、壁、建具などの細かな仕様、キッチン、洗面などの設備、その他全ての詳細項目が定まった時点が実施設計完了時です。設計料の30%程度を支払います。
(4)工事の中間時
木造住宅などでは棟が上がる上棟の頃、RC造住宅などでは屋根までコンクリート打ちが終わる頃が工事の中間時です。設計料の15%程度を支払います。
(5)引渡し時
建物が完成し、手直し工事も全て完了した時点が引渡しです。設計料の15%程度を支払います。
その他、それぞれの建築家の方針によって、
・設計契約時に1/3、工事契約時に1/3、引渡し時に1/3
・設計契約時に20%、基本設計完了時に30%、実施設計完了時に20%、引渡し時に30%
など、支払い条件は様々ですので、あらかじめ確認しておきましょう。
◆工務店への支払い
「工務店で建てる場合」と同じ支払い条件になりますので、詳細は「支払いのタイミング/工務店」の記事をご覧ください。
◆住宅ローンを利用する場合の注意点
住宅ローンは、原則として工事請負契約に含まれるものが対象となるため、建築家への設計料は、一部の金融機関を除き、住宅ローンの対象にならない場合があります。その場合は、自己資金で用意する必要があります。
また、「融資決定から引渡しまでの期間を1年以内」などとするスケジュールの制約があります。
建築家で建てる場合は、設計期間や工事期間が通常よりも長く掛かりますので、融資の申込みのタイミングについては十分な注意が必要です。