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造作寸法の最適解|身長差に合わせる家

身長差があってもストレスなく暮らしたい

今回ご紹介するのは、身長差が20cm以上あるご夫婦で、日々の家事や身支度で「高さが合わないストレス」を感じていたA様ご夫婦(30代・愛知県)の事例です。

求めていたのは、

・キッチンや洗面の“ちょうどいい高さ”
・届かない/低すぎるを解消する収納計画
・身長差を前提にした造作寸法の最適化

という、生活動作に直結する3つのテーマでした。
しかし、検討していた間取りでは、

「キッチンは標準高さしか選べない」
「洗面台の高さを変えると鏡の位置が合わない」
「収納の上段が届かない」

という課題がありました。“身長差”という一見シンプルなテーマが、家全体の使い勝手に影響する大きな要素だったのです。

後悔しないために知っておきたい3つのこと

1.キッチン・洗面は“身長÷2+5cm”が基本の目安
2.届かない収納は“可動”か“引き下げ”で解決できる
3.ミラー・棚・スイッチは“使う人の動作”で決める

高さ寸法がつくる“使いにくさ”のジレンマ

A様ご夫婦は、
・夫:180cm
・妻:158cm

という身長差があり、

・キッチンは夫に合わせると妻が高く感じる
・洗面は妻に合わせると夫が前かがみになる
・吊り戸棚は妻が届かず、夫は高すぎて使いにくい

という“高さの不一致”が日常的なストレスになっていました。
そのため、家づくりでは次のような要望がありました。

・キッチンは2人とも使いやすい高さにしたい
・洗面は夫婦どちらも無理のない姿勢で使いたい
・収納は「届かない」をなくしたい

しかし、検討していた仕様では、

・キッチンは85cmか90cmの2択
・洗面台は高さ変更すると鏡の位置がズレる
・吊り戸棚は固定式で高さ調整ができない

という制約がありました。
さらに、

「高さを合わせるとどちらかが不便になる」
「可変機構はコストが上がる」

という“コストと使い勝手”のジレンマも存在していました。

共通高さ+踏み台運用か、可変機構導入か──検討した選択肢は2つ

A:共通の高さにして、踏み台や補助具で調整する
メリット:
・コストが抑えられる
・標準仕様で対応しやすい
・メンテナンスが簡単

デメリット:
・踏み台の出し入れが手間
・長時間の作業では疲れやすい
・収納の上段は結局使いにくい

B:可変機構(昇降棚・可変天板)を導入する
メリット:
・2人とも快適な高さで使える
・収納の“届かない”を解消できる
・将来の体型変化にも対応しやすい

デメリット:
・コストが上がる
・機構部分のメンテナンスが必要
・設置スペースの確保が必要

A様は当初「標準でいい」と考えていましたが、“毎日のストレスを減らす”という目的を考えると、可変機構の導入が現実的という結論に近づきました。

マッチングコーディネータの視点!

身長差に合わせた家づくりでは、「高さをどうするか」よりも「どんな動作を、どれくらいの頻度で行うか」が重要です。工務店に要望を伝える際は、次の3点を整理すると提案の精度が大きく上がります。

・キッチン・洗面での“具体的な動作”を伝える
 →料理の担当、洗濯の担当、立つ時間の長さなど

・収納の“届かない場所”を明確にする
 →吊り戸棚か、パントリーか、クローゼットか

・可変機構の優先順位を伝える
 →キッチンか、洗面か、収納かで得意な工務店が変わります

これらの要望を整理して工務店に伝えることで、間取りプランや設備の提案内容が“本当に自分たちに合っているか”を判断しやすくなります。

経験上、工務店が表面的に受け取ってしまうと、「高さに配慮しました」と言いながら、実際には“標準寸法のまま”という提案も少なくありません。具体的な生活動作や困っているポイントは、施主様が細かく伝えないと具体化されません。

むしろ、こうした要望に対して、

・可変天板の高さ案
・ミラー位置の調整案
・収納の昇降機構の採用可否

など、具体的な解決策を示してくれる工務店こそ、あなたの悩みを一緒に解決してくれる工務店です。

A様が選んだのは「可変天板+昇降棚+ミラー高さの最適化」

最終的にA様は、

・キッチンは可変天板を採用し、夫婦どちらも快適な高さに
・吊り戸棚は昇降式にし、妻でも無理なく使えるように
・洗面は高さを中間値にし、鏡は上下に調整できるタイプを採用
・スイッチ類は“妻の肩の高さ”を基準に統一

という計画を選ばれました。
これにより、「どちらかが我慢する」状態がなくなり、家事も身支度もスムーズにできる家が実現しました。

“高さ”は感覚ではなく“生活動作”から決めることが大事

身長差に配慮した家づくりは、単にキッチンや洗面の高さを変えるだけでは不十分です。

「どんな動作を、どれくらいの頻度で行うのか」
「どこが届かず、どこが低すぎるのか」
「どちらのストレスを優先して解消するのか」

これらを整理することで、“届く・合う”が当たり前の家が実現します。高さ寸法は、暮らしの快適さを大きく左右する重要なテーマです。