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ルーフバルコニーを“常用空間”として使いたい
今回ご紹介するのは、週末に外で過ごす時間を大切にしたいT様ご夫婦(30代・東京都)の事例です。
求めていたのは、
・雨でも安心できる“防水・排水計画”
・近隣に配慮した“視線遮蔽”
・夜も楽しめる“照明計画”
という、ルーフバルコニーならではの3つのテーマでした。
しかし、検討していた建物は三方を住宅に囲まれており、視線の抜けが少ないうえ、屋根断熱の仕様によっては室内の暑さにも影響する状況でした。
「ただ広いバルコニーをつくればいい」というレベルでは解決できない課題が見えてきました。
後悔しないために知っておきたい3つのこと
1.防水・排水の“常時使用レベル”を確保する
2.パーゴラや壁で“視線と日差し”をコントロールする
3.照明計画で“夜の居心地”をつくる
防水・排水・視線が生むルーフバルコニー計画のジレンマ
T様ご夫婦は、ルーフバルコニーを“空の庭”として日常的に使いたいと考えていました。
・朝はコーヒーを飲みたい
・休日はチェアを出して読書したい
・夜は照明をつけてゆっくり過ごしたい
という明確な要望がありました。
しかし、検討していた建物では、
・防水仕様が“最低限”で、常時使用には不安がある
・排水口が1か所のみで、豪雨時の滞留が心配
・周囲の住宅からの視線が入りやすい
・屋根断熱が弱く、夏場の室温上昇が懸念される
という問題がありました。
当初は「広さを優先して最低限の仕様でつくる」案もありましたが、
・防水のメンテ頻度が上がる
・視線が気になり、結局使わなくなる
・夏場に室内が暑くなる可能性がある
などの理由から、現実的ではありませんでした。
さらに、ルーフバルコニーを“常時使用”にするか、“最小限+屋内重視”にするかで、必要な設備やコストが大きく変わるという課題もありました。
常時使用設計 vs 最小限+屋内重視、検討した選択肢は2つ
A:常時使用できるルーフバルコニーにする
メリット:
・屋外リビングとして日常的に使える
・パーゴラや目隠しで視線を調整しやすい
・照明やコンセントを整えれば夜も快適
デメリット:
・防水・排水・断熱の仕様が上がりコスト増
・屋外家具の置き場やメンテが必要
・設計段階での検討項目が多い
B:最小限の仕様にして屋内を重視する
メリット:
・建築コストを抑えやすい
・メンテナンスの負担が少ない
・屋内の快適性を優先できる
デメリット:
・常時使用には向かず、使用頻度が下がる
・視線や日差しの調整が難しい
・夜の活用がしづらい
T様は当初「コストを抑えて最低限でいい」と考えていましたが、「せっかくなら毎週末使える空間にしたい」と考え直し、常時使用を前提とした計画を検討することになりました。
マッチングコーディネータの視点!
これまでの相談で多いのは、「広さだけを優先して、防水・排水・視線の計画を見落としていた」という後悔です。
ルーフバルコニーは“広いだけ”では成立しません。
工務店へ要望を伝えるときは、次の3点を整理すると提案の精度が大きく上がります。
・どの季節・どの時間帯に使いたいか
→屋根断熱や日除けの必要性が変わります
・どの程度の“常時使用”を想定しているか
→防水仕様や排水計画のレベルが明確になります
・近隣との距離感や視線の気になり方
→目隠しの高さやパーゴラの形状が変わります
これらを整理して伝えることで、
「防水・排水に強い工務店」
「屋外空間の造作が得意な工務店」
「視線配慮の提案が上手い工務店」
など、テーマに合った工務店をマッチングしやすくなります。
T様が選んだのは「常時使用できる屋外空間+視線配慮」
最終的にT様は、
・防水仕様を“常時使用レベル”に強化
・パーゴラと壁で視線を遮りつつ風を通す構成に
・夜の過ごし方を想定した照明計画を採用
という計画を選ばれました。
これにより、朝・昼・夜のどの時間帯でも快適に過ごせる“空の庭”が実現し、週末の楽しみが大きく広がったそうです。
“設備”だけでなく“過ごし方”を描くことが大事
ルーフバルコニーの計画は、防水や広さだけでは不十分です。
「どんな時間帯に、どんな目的で、どんな居心地を求めるのか」
これを整理することで、防水・排水・視線・照明まで含めた最適な屋外空間が見えてきます。
ルーフバルコニーは暮らしの質を大きく左右する空間です。
防水・視線・照明の3つをバランスよく計画することで、週末がもっと豊かになります。
