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管理負担と固定費を最小化したい
都市と地方を行き来する「二拠点居住」が広がる中、本宅のあり方を見直す方が増えています。
今回ご紹介するのは、都市に本宅を構えつつ、地方の拠点で週末を過ごすS様ご夫婦(名古屋市・50代・お子様は独立)の事例です。
「本宅は維持費を抑えたい」「留守が多いから管理負担を減らしたい」という思いから、コンパクトで手間のかからない家づくりが大きなテーマになりました。
後悔しないために知っておきたい3つのこと
1.可変間取りと生活スタイルの関係
2.耐久外装とメンテナンスコストのバランス
3.留守時の湿気・防犯対策の工夫
二拠点生活が生む本宅計画のジレンマ
S様ご夫婦は、平日は都市で仕事、週末は地方の拠点で過ごす生活を続けています。
本宅は「帰って寝るだけの日も多い」一方で、子どもたちが帰省する際にはある程度のスペースも必要。
さらに、留守にする日が多いため、湿気対策や防犯性も欠かせません。
検討していた土地は都市部の住宅街で、敷地はコンパクト。
広い家を建てれば快適ですが、固定資産税や光熱費、清掃の手間が増えます。
逆に小さくしすぎると、帰省時の家族利用や将来のライフスタイル変化に対応しづらくなります。
「広さを取るか、維持しやすさを取るか」
二拠点ならではの悩みが浮き彫りになりました。
最小限本宅+収納重視 vs 広め本宅+地方簡素化
A:最小限本宅+収納重視
メリット:固定費が抑えられる。掃除・管理がラク。
デメリット:来客時や家族の帰省時に手狭になる可能性。
B:広め本宅+地方簡素化
メリット:本宅での生活が快適。将来の同居や在宅ワークにも対応しやすい。
デメリット:都市部での建築・維持コストが高くなる。留守時の管理負担も増える。
S様は「都市の本宅はコンパクトでいい」という考えが強く、最小限本宅を軸に検討を進めることになりました。
マッチングコーディネータの視点!
これまでの相談で多いのは、
「二拠点生活を始めてから、本宅の維持費や管理の手間が想像以上だった」
という後悔です。
特に、
・留守中の湿気やカビ
・郵便物や宅配の管理
・外装の劣化によるメンテナンス費
など、実際に住む時間より“管理の時間”が多くなるケースもあります。
工務店へ要望を伝えるときは、次の3つを整理しておくと提案の精度が上がります。
・二拠点の滞在比率(都市:地方)と、家を空ける期間
・本宅に求める「最低限必要な広さ」と「可変性」
・管理負担を減らすために優先したい項目(外装耐久性・通風計画・防犯性など)
また、マッチングコーディネータとしては、「二拠点居住の相談経験がある工務店」を選ぶことを強くおすすめします。
単に“コンパクト住宅が得意”ではなく、留守管理や耐久性の考え方まで含めて提案できるかが重要です。
S様が選んだのは「コンパクト本宅+可変スペース」
最終的にS様は、
・普段は夫婦2人で使う最小限の生活空間
・帰省時だけ広げられる可変間取り
・外装はメンテナンス性の高い素材を採用
・留守時の湿気対策として通風経路と簡易換気を確保
という計画を選ばれました。
これにより、
・普段の維持費を最小限に抑えつつ
・必要なときだけ広く使える柔軟性
・留守が多くても安心できる管理性
が両立した“身軽な本宅”が実現しました。
“広さ”だけでなく“維持しやすさ”を描くことが大事
二拠点居住の本宅づくりでは、 「どれだけ使うか」よりも「どれだけ管理できるか」が重要です。固定費・管理負担・将来の変化まで含めて計画すれば、二拠点生活の快適さが大きく変わります。
