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【8】工務店を最終決定する

最終的に二つの選択肢で検討

4社の工務店から見積もりとプランがそろった後、私たちは苦渋の選択で2社まで対象を絞りました。
結果として残ったのは、タイプのまったく異なる二つの選択肢でした。

一つは、当初の希望予算を厳守し、現実的で堅実な暮らしを提案してくれた工務店。
もう一つは、予算を大幅に超えてしまうものの、母が憧れていた「ヨーロッパの邸宅風」のエッセンスを取り入れてくれた個性派の工務店でした。

どちらも魅力があり、どちらにも納得できる理由があります。だからこそ、簡単には決められません。「予算内に収まる安心感」を取るべきか。それとも、「毎日が楽しみになる住まい」を目指すべきか。家づくりを進める中で、多くの人が一度は向き合うことになる究極の選択でした。

机の上に並んだ二つの図面。それは単なる建物の形ではなく、これからの数十年をどう生きるかという「問い」そのものでした。

理想を現実に変えるために

最終的に私たちが選んだのは、後者の個性派工務店でした。
プランが理想的だったという勢いだけで決めたわけではなく、当初の予算との乖離をどう埋め、いかにして「持続可能な計画」にするために以下のことを行いました。

まず行ったのは、家族全員の資産とリスクの可視化です。資金の動きが大きくなる以上、感覚ではなく整理された数字で判断したいと考えました。両親は預金の確認をし、私自身は住宅ローン借入額を当初予定より増やす決断をして、金融機関に相談しました。現在の収入と数年分の源泉徴収票を提出し、借りられる額の確認をしたところ、もう少し上げられるとのことで、少しホッとしました。

さらに、ここで大きな変化が起きました。当初は資金面で一線を引いていた父が、工務店さんの明快な説明と、私たちのライフスタイルに寄り添った図面を見て、「自分もこのプランが気に入ったから解体費用は自分が出そう」と申し出てくれたのです。父の心を動かしたのは、プランが持つ「納得感」に他なりませんでした。

「本当に納得できる家にする」という優先順位が家族で共有されたとき、資金計画は「負担」から「家族の共通プロジェクト」へと変わりました。

今後は、建物についても、これから設備や仕様を一つずつ精査し、将来的に気に入っている家具をリペアして使い続けるなど、これまでの暮らしの延長線上に新しい住まいをつくっていく感覚を大切にしたいと考えています。

予算アップを「価値ある投資」として捉えた背景

今回の大幅な予算アップについては、「価値ある投資」として受け入れることにしました。その背景には、私自身の仕事を通じた切実な動機があります。
ザ・ハウスでは、賃貸専用の見守りサービス「ひとり暮らし安心プラス」を提供しており、サービスを通じて高齢者の孤立死や孤独死という社会課題に直結する情報に触れる機会が多くありました。
40代半ば、独身という自分自身の将来を投影したとき、家は単なる私有財産ではなく、将来的に同じような境遇の女性たちが支え合って暮らせる「セーフティネット」としての役割を持たせたいと考えたのです。

今回のプランには、足の悪い母が1階で完結して健やかに暮らせる「バリアフリー動線」だけでなく、私が相続した後に「女性向けシェアハウス」として運営できるような、空間の可変性が盛り込まれていました。母の何気ない雑談レベルの要望までが、プロの技術によって「将来の資産価値」へと昇華されていた、と言っても過言ではないでしょう。

後の相続をスムーズにするために、私もローンを組んで一部の資金を出す。高齢の両親のためだけではなく、私自身の未来と、社会への小さな貢献を形にするための「戦略的な投資」でもあります。この確信があったからこそ、私は迷いなく一歩を踏み出すことができました。

工務店マッチングがもたらした「判断の純度」

振り返ってみれば、私たちがこれほどまでに納得して一社に絞れたのは、工務店マッチングサービスの存在があったからです。
家づくりは想像以上に「決めること」が多く、膨大なエネルギーを消費します。もし最初から自力で探していたら、最適な工務店にたどり着く前に「探し疲れ」てしまい、予算や条件だけで妥協していたかもしれません。

また、意外な助けとなるのが、工務店マッチングサービスが提供してくれる「お断り」のサポートです。
今回、私たちは複数の工務店と真剣に向き合ってきましたが、最終的に一社を選ぶということは、他の会社にお断りを入れるという心苦しい作業を意味します。
私は施主ではなく、マッチングコーディネータの立場で、お世話になった工務店さんに自らお断りの連絡をしましたが、真剣に提案してくれた相手に対して、断りの連絡を入れるのは大変気を遣うものですし、驚くほどエネルギーを消耗します。

しかし、普段はこの部分をコーディネータが代行・サポートしてくれます。「断ること」への心理的障壁に縛られず、目の前のプランを比較し、判断することだけにエネルギーを100%注ぐことができます。ちょっとしたことですが、精神的なゆとりを生んでいたのは間違いありません。

「工務店を一から探すこと」に気力を使いすぎず「決断すること」に全力を注げる。その結果として、大幅な予算アップという高いハードルを、家族全員が納得感を持って飛び越えることができました。

次回、契約書にサインする日

数ヶ月にわたる検討を経て、ついに訪れた「契約」の日。
予算の壁を越え、未来への投資を決めた私たちを待っていたのは、安堵感だけではありませんでした。

「本当にこの道で合っているのか?」
そんな施主としての責任の重みを感じる中で、背中を押してくれたのは意外にも家族の晴れやかな言葉でした。

資金計画や相続といったデリケートな問題を乗り越え、母と父が口にした本音、工務店マッチングサービスを利用してどう思っているのかをインタビューします。

【1】実家の建替えを決めた日
【2】家族の本音と、現実との折り合い
【3】ザ・ハウスの工務店マッチングサービスに申し込んだ日
【4】工務店マッチングサービス、二回目の電話で見えてきたもの
【5】工務店との面談開始(前編)
【6】工務店との面談開始(後編)
【7】工務店の候補を検討する
【8】工務店を最終決定する


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