前回のコラムでは、候補となる工務店のリストを見ながら、仲介役であるコーディネーターから各社の特徴を詳しく教えてもらい、面談に進む工務店を決めました。
コーディネーターという「第三者」だからこそ語れる情報があり、「一度話を聞いてみたい」と思える工務店と、思いのほか早い段階で出会うことができました。面談の日程調整も代行してもらえるため、こちらは希望を伝えるだけで済みます。細かなやり取りを一つひとつ自分で行わずに済むのは、想像以上に気持ちが楽なものでした。
また、今回の家づくりは建て替えであるため、初回の面談は予定地である実家に来ていただくことになりました。実際に現地を見ながら話ができたことは、やはり大きな安心につながります。
(※状況によっては、工務店の事務所や建物の見学会場、実物展示の場を訪問するケースもあります)
面談前にできていた「共通の前提」
工務店との初回面談では、自己紹介や家づくりに至る経緯の説明に、多くの時間を使うことが少なくありません。こちらとしても、「どこまで細かく話してよいのか」「まだ早い話なのではないか」と迷いながら、言葉を選ぶ場面が多くなりがちです。
しかし今回は、建て替えであること、敷地条件、家族構成、予算感、優先したい点などを事前に整理したうえで、工務店を紹介してもらっていました。そのため、面談が始まった時点で、すでに共通の前提ができている状態でした。
結果として、
・一から説明し直す必要がない
・要望の確認が短時間で済む
・工務店側も、こちらの意図を汲んだ準備をしてきている
という状況が、自然と整っていました。「何を話せばよいかわからない」という不安がなく、最初から具体的な話に入れたことは、施主側として精神的な負担がかなり少なかったと感じています。
A社との面談
1社目は、埼玉県の工務店A社です。A社は、見やすいA3サイズの資料を持参して訪問してくださいました。資料をもとに、建て替えにあたっての考え方や、今後の進め方について、要点を押さえた説明が続きます。
こちらの要望についても大枠は共有されているため、面談では細かな部分を補足する形で伝えることができました。A社の担当者は機敏で、全体に速度感があり、たいへん紳士的な印象です。話の展開が早く、こちらが想定していなかった視点や提案を示してくれる場面が多くありました。
「そういう考え方もあるのか」と、思わず息をつくような瞬間もあり、話を聞きながら少しずつ視野が広がっていく感覚がありました。全体を俯瞰しながら要点を押さえて進めていく手法で、2時間の面談は驚くほどあっという間に感じられました。資料を見ながら話が進むため、家族内での認識も揃えやすかったです。
B社との面談
2社目は、同じく埼玉県の工務店B社です。A社とは雰囲気が大きく異なり、落ち着いた空気をまとった工務店でした。
担当者と設計士の二人一組で対応してくださり、特に母が気にしていた「風水」や「鬼門」についても、設計士の方がその場で答えてくださったので、たいへん心強く感じました。
B社の説明の歩調は終始穏やかで、こちらが話し終わるのを待ちながら進めてくれます。そのため、最初は少し緊張していた家族も、次第に自分の考えを言葉にしていきました。高齢の両親にとっても安心して話ができる空気がありました。
全体として穏やかな時間が流れ、家族全員が自然に話に参加できる良い面談だったと思います。
想定外の要望と工務店の反応
A社、B社との面談中、いずれの場でも父から一つ要望が出ました。
「父の実家にあった古いシャンデリアとステンドグラスを、新しい家でも使えないか」というものです。
そのシャンデリアとステンドグラスは、かつて父方の祖父母の家にあったもので、どちらもかなり年数が経っています。シャンデリアは電気の線が切れ、ステンドグラスも劣化が進んでおり、現在は物置にしまったままの状態です。実用性だけを考えれば、扱いが難しい代物と言えます。それでも父にとっては、大切な思い出の品であり、「次の住まいにも持っていきたい」と思う存在でした。

正直なところ、私はこの要望に戸惑いを感じていました。家族内の打ち合わせでは「使ってもらえたらいいね」と話してはいたものの、このタイミングで口にすると、とんでもなくわがままな要望のように思えて、申し訳ない気持ちがあったからです。
ただ、その場でこうした要望を口にできたのは、面談前から工務店の特徴を知り、信頼感や期待感が少しずつ積み重なっていたからだと思います。「ここまで細かい話をしても大丈夫」と感じられる空気が、自然と生まれていました。
「今回の面談は、ここまで話してよい場だ」と思えたからこそ、言いにくい話題も違和感なく出てきたのだと思います。
そしてありがたいことに、こうした背景を踏まえた要望に対しても、A社、B社ともに、その場で即座に否定することはありませんでした。
もちろん、現物の状態確認や取り付け方法の検討が必要であることは大前提です。それでも「可能な範囲で考えたい」「方法は探せると思う」と返答をいただき、ひとまず安心しました。要望の内容そのものよりも、それに対してどう向き合ってくれるかを見る場面だったように思います。
突発的に見える話であっても、きちんと受け止めてもらえたことは、今後のやり取りを考えるうえで、静かに心に残る出来事でした。
次回のコラムは…
次回は、残り2社との面談についてお伝えします。
さらに、各社からプランの提示を受ける中で、家族がどのような反応を示したのか、そして4社との面談を経て「どこにお願いするか」という判断基準が、少しずつ形になっていく過程を書いていきます。
【1】実家の建替えを決めた日
【2】家族の本音と、現実との折り合い
【3】ザ・ハウスの工務店マッチングサービスに申し込んだ日
【4】工務店マッチングサービス、二回目の電話で見えてきたもの



