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駅徒歩20分の賃貸マンションに暮らすS様ご一家。42歳のご夫婦と5歳・3歳のお子さんの4人家族です。
お子様が小学校に入るタイミングで「そろそろマイホームを建てるか!」と、一生暮らす「終の棲家」を見据え、土地から購入しての注文住宅を検討し始めました。
ですが、いろいろ見ていくと土地の価格、理想の建物の配分に迷い、何を優先して進めればいいか、どんどんわからなくなってしまいました。
土地と建物の予算配分で迷ったら?判断のポイント3つ
・土地と建物にかける「予算配分の目安」
・「どちらを優先すべきか」を考える視点
・S様の事例から学ぶ“妥協”と“納得”の選択
土地にお金をかけると、建物の夢が削れていく?
当初、S様は「条件のいい土地が見つかれば、そこに理想の家を建てよう」と漠然と考えていました。ところが、駅近・南向き・整形地などの希望条件を満たす土地はどれも4,000万円前後。総予算6,000万円のうち、土地で6割以上を使ってしまう計算に。
ご主人は広いLDKや在宅ワークの書斎を希望していましたが、「このままでは建物にかけられる予算が足りない」と現実にぶつかり、土地を優先すべきか、建物にこだわるべきか…迷うばかりで先に進めずにいました。
「何を削るか」より「何にこだわるか」
そこでS様には、「どちらかを諦める」のではなく、「何を優先し、何を許容するか」を明確にすることをご提案しました。
・建物:開放感・収納・断熱性能は外せない
・土地:駅から15分以内、日当たりは真南でなくても午前中の日当たりがよければ可
こうして夫婦で優先順位を紙に書き出すことで、本当に大事なことと、譲ってもいいことが整理できていきました。
「100点じゃないけど、わが家にちょうどいい選択」
最終的にS様が選んだのは、駅徒歩圏ではなく、バス2駅の南東向きの変形地。バス通勤は初めてで不安もありましたが、バス停まで徒歩2分、便数も多く、「これなら大丈夫」と判断しました。
外構はシンプルに抑えましたが、その分土地価格が抑えられ、建物には希望していたLDKの広さや収納、断熱性能などをしっかり反映できました。
設計士からも「この形状でも日当たりは工夫できる」「LDKも理想に近づける」と具体的な提案があり、不安よりも「この家でどう暮らそうか」という前向きな気持ちが強まったそうです。
マッチングコーディネータの視点!
「建てたい家が建てられない土地」では、せっかくの注文住宅が悩ましいものになってしまいます。
土地契約の前に、工務店や設計士と一緒に「この土地で理想のプランが実現可能か」を確認しましょう。
その上で、
・「建物でどうしても叶えたいこと(3つまで)」
・「土地条件で絶対に譲れない点(3つまで)」
この2つを家族で書き出しておくと、土地探しやプラン設計で迷いが減り、自分たちらしい選択がしやすくなります。



