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無垢材に憧れるけれどリアルな不安も
東京都在住のS様ご夫妻(40代・お子さん2人)は、モデルハウスで体験した無垢の床の足触りに感動し、「いつかはこんな家で暮らしたい!」と思ったそうです。しかし、いざ家づくりが現実的になると、悩みが出てきました。
「無垢材はお手入れが大変って聞きます。子どもがジュースをこぼしたらシミになっちゃうのかな?」
「共働きだから、こまめに手入れする時間が取れないかも…」
SNSや口コミを見ると、“無垢材は後悔した”という声があります。
「せっかくの憧れの家で後悔したくない」という思いから、ますます慎重になっていました。
無垢材を上手に取り入れるための3つのポイント
・無垢材の家づくりで多くの人が感じるリアルな「不安」を知る
・手入れを負担にしないための現実的な選択肢
・“木と暮らす”を楽しむための考え方
迷いを解いたのは、「無垢材とのつきあい方」を知ること
「無垢材=手がかかる」と感じる方は少なくありません。
確かに、無垢材は湿度で伸縮したり、使い方次第でシミや傷がつくことがあります。
けれど、これは“欠点”ではなく“自然素材としての個性”ともいえます。
たとえば、
・小さなへこみは濡れタオルを当ててアイロンをかければ元に戻ることが多い
・オイル仕上げなら、気になる部分だけ自分で補修できる
・化学塗装の床よりも「直しながら付き合える」という柔らかさが、むしろ魅力
「思っていたより“自分でなんとかできる”素材なんですね」
S様もこの話を聞いて少し安心された様子でした。
S様が比較検討した3つの選択肢
・すべて無垢材にする
→ 憧れは強いが、掃除や水じまいの不安が残る。
・すべて複合フローリングにする
→ メンテナンスは楽だが、木の香りや質感が物足りない。
・空間によって使い分ける
→ 手入れがしやすい部分は機能性重視、家族が集まる場所だけ無垢材にする。
打ち合わせを重ねるうちに、S様は「リビングとダイニングだけは本物の木にしたい」と決断。
この“ちょうどいい折り合い”が、最終的な選択となりました。
S様が選んだ「オークの無垢床 × ウレタン仕上げ」
採用したのは、工務店から提案のあった堅くて丈夫なオーク材の無垢床。
さらに、表面をウレタン塗装仕上げにすることで、日々の拭き掃除だけで十分な仕様になることも知りました。「木の温かみは感じたいけど、掃除はラクにしたい」
その希望を叶えるために、見た目とメンテ性のバランスをとった選択でした。
住み始めて3年。
「最初は細かな傷が気になったけど、今は“これも思い出、我が家の歴史”と思えるようになりました。少しずつ色が深くなっていくのを見るのが、今では楽しみなんです。」と嬉しそうにおっしゃっていました。
マッチングコーディネータの視点!
無垢材の家で後悔する方の多くは、「すべて無垢にするか、諦めるか」という“二択”で考えてしまうケース。
けれど実際は、空間ごとに素材を使い分けることで、心地よさもメンテ性も両立できます。特にS様のように「家族が一番長く過ごす場所」だけ無垢にするのは、とても現実的で満足度の高い選択。素材の“性格”を理解して設計すれば、無垢材の家は決して「手がかかる家」ではなく、「愛着が育つ家」になります。
まずは、実際の施工例で経年変化した無垢材を見て、この味わいをだすにはどのくらいのメンテナンスが必要なのかなどを直接確認してみましょう。