2015年の相続税改正に伴う住宅取得への影響

この記事は2014年11月現在の情報をもとにしています。

2015年1月1日以降、相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられ、最高税率が引き上げられます。これまで相続税は、一部の富裕層に限られた問題と捉えられていましたが、改正後は一般的な家庭にも影響が及ぶことが予測されます。

◆改正のポイント

今回の税制改正のポイントは2つです。

まず、相続税の基礎控除額が引下げられることで、課税対象者が大幅に増えることが予測されます。また、相続税の最高税率が引き上げられることで、税額も増えることが見込まれています。

<ポイント1>相続税の基礎控除額引き下げ
相続税の基礎控除が引き下げられることによって、課税対象者が増えることが予測されます。特に地価が高い都心部に戸建住宅を所有している方にとっては影響が大きいと考えられます。
今回の改正によって、基礎控除額が改正前の「5000万円+1000万円×法定相続人の数」から、改正後は「基礎控除額3000万円+600万円×法定相続人の数」となります。

<ポイント2>相続税の税率引き上げ
税率がアップします。ただし、税率が引き上げられるのは、2億円超の資産を相続する人が対象となるため、一般的な家庭では今回の税率の引き上げによる影響はほぼないものと考えられます。
なお、下表の2億円超部分が45%に、6億円超部分が55%になり、最高税率は従来の50%(資産3億円超)から55%(資産6億円超)に引き上げられます。

◆未成年者控除・障害者控除の拡大

<1>未成年者控除
 改正前:「20歳になるまでの1年につき6万円」
 改正後:「20歳になるまでの1年につき10万円」

<2>障害者控除
 改正前:「85歳になるまでの1年につき6万円
 改正後:「85歳になるまでの1年につき10万円
特別障害者(障害者1・2級)の場合は12万円(改正後は20万円)

◆相続税改正に伴う住宅取得への影響と対策

今回の相続税の改正では、一部の富裕層だけでなく、特に地価が高い都心部に戸建住宅を所有している方にも影響が及ぶと考えられています。そこで、できるだけ不動産の評価額を抑え、納税額を減らす対策として、二世帯住宅や賃貸併用住宅の建築にスポットがあたっています。

<1>「二世帯住宅」としての評価額減
土地の評価額は、被相続人と継続して同居していると8割減になります。二世帯住宅の場合、課税対象額が減る特例を適用しやすくなるため、相続税の対策になる可能性があります。
土地を相続するのが被相続人と同居していた親族の場合には、相続税の申告期限までに居住および土地の所有を継続していることを条件に適用されます。土地を相続するのが被相続人の配偶者である場合はこの限りではありません。
その他、「土地を相続するのが別居親族の場合」などの適用要件や特例が適用される上限面積があります。

詳しくは国税庁ウェブサイト:「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(平成27年1月1日施行)相続税関係」をご参照ください。

<2>「貸家建付地」としての評価額減
相続する土地のうち、賃貸として利用している部分に関しては、「貸家建付地」として、一般的に評価額の2割程度を減額することができます。

<3>「小規模宅地等の特例」の賃貸部分の評価額減
賃貸部分については、被相続人が宅地等を賃貸し、相続人が相続開始から申告期限までその宅地等を所有し、賃貸を続けた場合、「小規模宅地」として、200平米の面積を上限に評価額の50%を減額することができます。

上記の<2>と<3>は併用できる場合があり、その場合、一般的に6割程度の評価額を減額することができます。さらに、家屋の賃貸部分の評価額は、住居用家屋の評価額よりも一般的に3割程度の減額となります。

2014/11/01加筆修正

(矢野)
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