家づくりの相談を受けていると、お客様は家を探しているようで、実は「住む街」を探しているのではないかと思うことがあります。
もちろん、子育て環境を重視すること自体は今に始まった話ではありません。保育園に入りやすいか。 近くに小児科はあるか。 学校の評判はどうか。子どもが生まれれば、誰もが気になることです。
ところが最近は、その重要度が少し変わってきたように感じます。
子育て情報メディアを運営するコズレが発表した「子育て世帯の住まい選びと自治体の子育て支援」調査によると、住宅購入や住み替えに関心を持つ子育て世帯は約45%にのぼり、そのきっかけで最も多かったのは「妊娠・第一子の出産」でした。
さらに、エリア選定において自治体の子育て支援策を意識すると答えた人は7~9割に達しています。

「子育て世帯の住まい選びと自治体の子育て支援 市場調査2026」
自治体支援が住宅の条件と並び始めた
私が興味深いと感じたのは、その先です。
調査では、「子育て支援が手厚いエリアであれば、予算や物件条件を多少妥協してもよい」と回答した人が、具体的な住宅検討層で76%、潜在的な検討層でも64%に達しました。これは興味深い数字です。
家づくりでは、
・土地の広さ
・駅からの距離
・建物の性能
・価格
が重視されると思われがちです。
ところが現実には、
・「子どもの医療費助成が充実している」
・「教育環境が良い」
・「子育て施設が整っている」
といった要素が、住宅そのものの条件と同じ土俵で比較されるようになっています。
家の価値を考えるとき、建物だけでなく自治体のサービスまで含めて評価する時代になりつつあるのです。
見えてきた自治体間競争
この背景には、自治体同士の競争があります。
少子化が進むなか、各自治体は子育て世帯に選ばれるため、さまざまな施策を打ち出しています。医療費助成、給食費支援、保育サービス、学童保育、住宅取得補助など、その内容は自治体によって少しずつ異なります。
以前から差はありましたが、最近は情報が見つけやすくなり、比較もしやすくなりました。
コズレの調査では、多くの人が物件探しより前の「エリア選び」の段階で、自治体の子育て支援策を調べ始めていることも分かっています。
つまり、「家を探す前に、自治体を比較している」、そんな流れが生まれているのです。実際、首都圏でも似たような話を耳にします。「子育て環境を考えると東京都で探したい」というご家族です。
もちろん、全員がそうではありません。
しかし、土地の広さや駅からの距離だけでなく、「どの自治体で子育てをするか」が家づくりの重要な判断基準になっていることは確かだと思います。
家づくりの前に始まる「街選び」
考えてみれば当然のことかもしれません。
・家はリフォームできます。
・設備も交換できます。
・建て替えることもできます。
しかし、住む街そのものは簡単には変えられません。
・子どもが小さいうちは医療や保育が大切です。
・成長すれば学校や教育環境が気になります。
家族の暮らしは、家の中だけで完結するものではありません。だからこそ、子育て世帯にとって自治体の魅力そのものが、住宅の価値の一部になり始めているように感じます。
子育て環境を重視することは、今に始まった話ではありません。ただ、その重みは確実に増しています。
・家を選ぶ。
・土地を選ぶ。
そう思っていても、実際には「どの自治体で子育てするか」を選んでいるのかもしれません。
「土地探しは、自治体選び」今回の調査は、そんな住まい選びの変化を映し出しているように感じました。
参考資料
コズレ子育てマーケティング研究所
「子育て世帯の住まい選びと自治体の子育て支援 市場調査2026」
家づくりには、土地選びや住宅会社選びなど、多くの判断があります。
迷ったときは、ザ・ハウスの無料相談をご利用ください。

