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2026年1月にLIXILが発表した「洗面空間の収納・整理整頓に関する調査」では、洗面の収納に約7割のユーザーが不満を抱えていることが明らかになりました。満足と答えた人は1割にも満たず、洗面は“家の中で最も小さいのに、最も忙しい場所”であることを改めて感じさせる結果です。
調査で顕著だった不満の1位は「ドライヤーやヘアアイロンの置き場」。次いで「収納内のごちゃつき」「スペース不足」「洗面台上の散らかり」が続きます。また「本当は置きたいけれど諦めているもの」として、下着・パジャマ(37.7%)がストック品と並び1位に。これは入浴〜脱衣〜着替えの動線がいかに洗面に集中しているかを示す象徴的な数字です。
では、なぜ市販の収納用品を買い足しても満足度が上がらないのでしょうか。
原因は「モノの変化」と「空間の役割の変化」
昔の洗面空間は“身だしなみを整える場所”が中心でした。しかし今は違います。
・美容家電の増加
・ストック品の大型化
・洗濯動線との隣接
・入浴後の更衣スペース化
・来客の手洗い場所としての用途
小さな空間に求められる役割が増えた一方で、収納量や配置は昔のまま、というケースが多いのです。つまり問題の本質は、「今の暮らしに対して空間と収納が足りていない」という点にあります。
家づくりで後悔しないための“洗面5つの視点”
今回の調査結果は、これから家づくりを考える方にとって、非常にヒントが多いと言えます。
ザ・ハウスとして、特定の商品推奨ではなく暮らし方の視点から、家づくりで役立つポイントを整理しました。
1.ドライヤー・ヘアアイロンの「熱」と「コード」をどう扱うか
ドライヤーの悩みは、収納というより「熱い」「絡む」「頻度が高い」という特性の不一致が原因です。
・扉裏の縦収納
・配線を逃す通し穴
・耐熱ホルダー
・ミラー裏のコンセント追加
どれも家づくりの段階で検討できること。“使い終わってそのまま置ける”仕組みを作るだけで、散らかりやすさは大きく変わります。
2.高さバラバラの掃除用品・ストックをどうしまうか
調査でも収納に困るもの1位は掃除用品(50.9%)。ボトルや詰替え品はサイズが不揃いで、浅い棚では対応しきれません。
家づくりのヒントとしては、
・深めの引き出し
・奥まで見渡せるスライド収納
・高さ調整できる仕切り
といった、“立てたまま見渡せる”形にすることがポイントです。
3.下着・パジャマを「洗面に置きたい」という本音
実に4割が「下着・パジャマを洗面に置きたい」と回答。これは、暮らしの中で更衣スペースとしての洗面の役割が強まった証拠です。
これから家をつくる方は、
・洗面の近くに“肌着専用の浅い収納”をつくる
・脱衣所と洗面を緩やかに分ける脱衣所と洗面を緩やかに分ける
・乾いた洗濯物を戻す動線を短くする
など、動線を一筆書きでつなぐと後悔が減ります。
4.来客の“視線対策”も忘れずに
洗面は家族が使う空間であり、来客も使う空間。この“二重の役割”が難しさでもあります。
・上段は「見せる収納」
・下段は「生活感をまとめる収納」
と分けるだけで、すっきり感が大きく変わります。来客用のハンドタオルを別に確保しておくのもおすすめです。
5.収納は“足す”より“決める”
調査では、多くの人が市販の収納グッズを足しても満足していませんでした。理由は単純で、収納は量ではなく、「場所のルール」で決まるから。家づくりでは、「これはどこに置く?」という視点から入ることで、散らからない生活に近づきます。
洗面の悩みは“今の暮らし”を映し出す鏡
LIXILの調査は、洗面空間の不満が単に“収納不足”ではなく、暮らし方と空間の役割が合っていないことを示していました。家づくりでは、“洗面はただの水まわり”と考えるのではなく、家族の動線が集まるハブとして捉えることがポイントです。
