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統計2025が示す!家づくりの「最初の落とし穴」

2025年9月、国土交通大臣指定の相談窓口による「住宅相談統計年報2025」が公表されました。これは「住まいるダイヤル」の電話相談を中心に、年間3万件を超える相談を集計・分析したものです。

その内容からは、“家づくりの失敗パターン”が驚くほど明確に浮かび上がります。しかもその多くは、これから家づくりを始める方が、ほんの少しの知識と準備で避けられたはずのものです。この記事では、最新データをもとに、家づくり初心者こそ知るべき“最初の落とし穴”と、その具体的な回避策をご案内します。

“住まいるダイヤル”とは何か

今回の統計データは、国土交通大臣が指定する住宅専門の相談窓口「住まいるダイヤル」に寄せられた相談に基づいています。

住まいるダイヤルは、公正・中立な立場で、年間3万件以上の電話相談を行っています。2000年の開設以来、累計相談件数は52万件を超えており(2025年3月末時点)、「住宅の世界で本当に起きている困りごと」を体系的にまとめた、極めて信頼性の高い記録です。

そのため、家づくりを始める方にとっては、「どこで人がつまずくのか」「何を知らないと危ないのか」を学べる、最も貴重な資料といえます。

相談の60%は「新築・リフォーム後の困りごと」

ここからは、初心者が陥りがちな「トラブルの現実」を、数字を基に分かりやすく解説していきます。

国土交通大臣指定の相談窓口には、「家づくりの一般的な質問」や「制度の問い合わせ」なども寄せられます。しかし、電話相談全体の約3万件のうち、実に60.0%が、既に発生した具体的な「住まいの困りごと」(トラブル)に関するものです。つまり、一般的な質問を除いても、半数以上が切実なトラブルで助けを求めています。

その困りごとは、大きく「契約の失敗」と「工事の欠陥」に分かれます。例えば、以下のような問題です。

 ・契約したのに、契約書と違う工事をされた。
 ・新築なのに「雨漏り」や「壁のひび割れ」が発生し、業者と揉めている。

トラブルは特別なことではありません。多くの人が、契約や欠陥といった具体的な問題で苦しんでいます。家づくりは「順調に進む前提」で考えると危険です。

新築相談で目立つ「不具合」の多さ


新築で建てた住宅に関する相談の多くは、「ひび割れ」「雨漏り」「建具の不具合」など、「新築なのに?」と感じる不具合ありきの相談です。統計年報が示すのは、新築であっても約4軒に3軒が何らかの不具合で相談に来ているという現実です。(※注:「住まいるダイヤル」相談内容の内訳に基づいた集計)新築=安心ではありません。 「施工品質」のばらつきが大きく、誰に依頼するかで結果が大きく変わります。

リフォーム相談は“契約”に関するトラブルが最多

リフォーム相談では、契約に関するトラブル(見積もり、費用、説明不足など)が、不具合の相談よりも多い傾向が毎年続いています。背景にあるのは、見積もり内容の曖昧さ、工事範囲や追加費用の説明不足、契約書の解釈違いなど、専門家ではない初心者が気づきにくいポイントです。

「とりあえず見積もり」の姿勢は危険です。 契約前に内容を具体的に確定させる知識やサポートが必要です。

訪問販売トラブルの97.5%が「契約後の相談」

訪問販売によるリフォーム相談では、97.5%というほぼすべての相談が「契約後」に寄せられています。これはつまり、多くの人が「契約してから後悔している」ということを示しています。

契約後では取り返しがつきません。 判断に迷っている心理につけ込まれるケースが多く、契約前の準備と冷静な判断が不可欠です。

構造的な落とし穴

なぜ、これほど多くのトラブルが発生するのか?数字の裏にある“構造的な原因”を見ていきます。

落とし穴①:家づくりの「正しい順番」を知らない

多くの家庭は、次の順序で家づくりを始めます。

展示場に行く→気に入った会社に相談→見積りを取る→「本当に必要な比較基準」を後から知る

この流れだと、最初から住宅会社・リフォーム会社のペースで進んでしまいがちです。その結果、「予算の優先順位が曖昧になる」「比較基準が作れない」「契約前に確認すべきことがわからない」という、トラブルを招きやすい状態に陥ります。

落とし穴②:依頼先の“品質の差”を見抜けない

統計でも、トラブルの相手は新築・リフォームともに「住宅会社・リフォーム会社」が最多です。

これはつまり、依頼先選びの段階で判断を誤っているということ。見た目や広告の印象だけでは、「実際の施工品質」「工事管理体制」「担当者の技術的な理解度」といった本質的な実力を判断できません。

落とし穴③:「契約前」が最重要であることを知らない

訪問販売トラブルの97.5%は、契約後の相談です。

家づくりは、契約前に「中立な第三者の目」を入れられるかどうかで、結果が大きく決まります。にもかかわらず、多くの人が契約前に相談しません。トラブルが起きてから相談しても、選択肢は限られてしまいます。

今日からできる“トラブル回避の行動”

数字と構造分析を踏まえて、家づくり初心者が今日からできる行動は次の3つです。

「正しい順番」で家づくりを始める

最初にやるべきは情報収集や展示場巡りではありません。 まず、あなた自身の「価値観」「予算」「優先順位」を整理することです。これを自分たち家族でできない場合は、早い段階で専門家と一緒に進める方が、時間も費用も効率的で安全です。

依頼先の“実力”を第三者の知見で確認する

見るべきは、「施工管理力」「担当者の技術理解」「見積りの透明性」です。これらは素人には判断が難しいため、第三者の専門家やコーディネーターの知見を使い、あなたの判断基準をサポートしてもらうことが合理的です。

契約前に中立な専門家に相談する

家づくりのトラブルは「契約後」では手遅れになるケースが多いです。判断に迷う段階、あるいは契約書にサインする前に、必ず中立の専門家に相談してください。迷ったら立ち止まり、相談する。それだけでトラブルの多くは避けられます。

家づくりは最初の一歩が重要

家づくりは、最初の一歩で大きく方向が決まります。住宅相談統計2025が示すように、多くのトラブルは「最初の判断軸」が曖昧だったことに起因しています。

ザ・ハウスは、家づくりの最初の一歩を「第三者の立場」でサポートするために生まれました。後悔しない家づくりのために、まずは正しい情報と信頼できる相談先を選ぶことが大切です。言いすぎかもしれません。でも、家づくりは本当に「最初の一歩」でほぼ決まるんです。だからこそ、ザ・ハウスはその一歩を一緒に考える存在でありたいと思っています。