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設計のみを建築家に頼めるか
- 2002-09-16
- 名前:hiro
はじめまして!
現在、来年中の着工を目処に建て替えを予定しておりますものです。そこで経験豊富な皆様方にお聞きしたいのですが、建築家に設計のみを依頼する事は可能なんでしょうか?また、ザ・ハウスとしてそのような形の紹介は可能でしょうか?と申しますのも施工については友人が経営する工務店があり、長年来の約束で家を建てる時は友人に建ててもらうのが夢であり約束なんです。もちろん設計・施工・監理という流れがあり、設計したものについて監理という問題があるのも承知しております。
不躾な質問で申し訳ありませんが皆様のご意見・体験お聞かせ願えたら幸いです。意見させていただきます
- 2002-09-16
- 名前:じゃん
hiroさん、はじめまして。
ちょっとわからないのですが、建築家に設計を依頼し、ご友人の工務店で工事を請負い施工をし、建築家が施工監理を行うという流れではダメ、ということでしょうか。察するに、施工監理までもご友人が行うのをお望みでしょうか。もし私が建築家なら、それは「ノー」と言うでしょうね。寿司屋に入って刺身だけをつまんで出てくるようなものです。などと冗談はさておき。万が一竣工した住宅に欠陥があった場合、設計ミスなのか施工ミスなのか問題になる可能性があり、どちらも責任が持ちきれないんじゃないでしょうから。それよりなにより、ご友人との長年の人間関係を大切にする上でも、施工管理は第三者が行うべきと思います。大きなお金とたくさんの人手が動く建築工事です。話や気持ちの行き違いで、どんな複雑な問題が発生するかわからないです。建築家は、そんなときの矛先を受け止めるバッファの役割も担うんじゃないかと私は思っています。実際私が依頼中の建築家は、それも仕事の内だとおっしゃっていました。
もっと言うと、私が受けた印象では、建築家の力だけですべての設計を完了するのではなく、工務店からも工事のプロの視点から様々なアイデアを出し、互いに相談しながらベストな設計を編み出していくようです。そんな素敵なパワーを最初から放棄するのは勿体無いと思いません?
さしでがましいようですが、ご参考までに...いいことではありません
- 2002-09-16
- 名前:ザ・ハウス
hiroさん、こんにちは。
いろいろ整理しながらお話しいたします。
設計を建築家に、施工および施工監理を工務店にということであれば、結論から申し上げますと、ザ・ハウスに登録している方々はお引き受けされません。
理由はじゃんさんにアドバイスいただいた内容に加え、もう一つの監理の意味として、図面に表せない細かい仕上げ方などは、現場で建築家が直接指示を出すことが必要だからです。つまり、細かい部分の設計は施工監理の中で行うことになります。これは、出来上がりのテイストや仕上げの美しさなどにかなりの影響を与えますので、監理を切り離してしまうと、場合によっては思っているものとかなり違う印象のものになる可能性があります。
また、建築家が設計及び施工監理を受け持つ前提であれば、ご指定の工務店に施工をお願いすることは可能ですが、その場合でもご注意いただくことがあります。
一つは工務店によっては建築家の施工ができない場合があります。これは主に技術力と建築家とのコミュニケーション能力の問題です。もう一つは、相見積もりして工務店を決める場合と比較して、十中八九工事費が高くなり(お友達の場合でも)、建築家がご予算内で予定していた仕様が実現できない可能性がかなり高くなります。
もし、お友達が建築家の監理を敬遠されているのであれば、設計もそちらの工務店さんにお願いする方がいいかと思いますし、建築家に設計を頼むのであれば監理も建築家に頼むことがよろしいかと存じます。ご意見有難う御座います。
- 2002-09-17
- 名前:hiro
>じゃんさん・ザハウスさん
ご意見どうも有難う御座いました。
そうですね、仰るとおり切り離せるものではないですね。
建築家が設計したものを管理無しに施工するような無謀という事がよく分かりました。下らない質問をしたみたいで、穴があったら入りたい位です(笑)
工務店の立場から
- 2002-09-19
- 名前:上田 勝
hiroさん、こんにちは。
私はそもそも「建築家」の定義がよくわかりません。この場合建築士資格の有無は関係無いらしく、彼らは基本的にデザイナーであるというのが私の感じ方です。ですから彼らの中には住宅を「作品」と呼び著作権を主張する人もいるのでしょう。
さて、例えば建築士事務所に設計のみを依頼され、あとは気の知れたご友人と一緒に作っていく、ということはもちろんできます。建築家であれ二級建築士であれ工務店であれ、基本的には「よい出会い」がよい家を作る上での条件です。一番安くできるのはもちろん工務店に設計から全てお願いすることですけどね。
私どもの工務店では、これまで建築士事務所の設計監理を受けたことがなく、うちの棟梁は仕事に第三者が介入するのを嫌います。それでも施主の要望であれば絶対やらんということは言いませんが、おそらく仕上げや造作について指図されるのを好まないでしょう。その場合、いくら完備された設計図書があっても、施主の抱いているイメージを伝えるのはホントに一苦労です。
しかし気心のしれた建築士事務所と工務店とであれば、互いに意見を出し合いながら図面に近づく努力を厭わないでしょう。それは施主と工務店との出会いに似て重要な要素なんですね。ですからご友人の知っている建築士事務所や建築家がいらっしゃればそれが一番よい組み合わせです。
法律上、設計と監理とは一体のもので、本来分離を前提にしていません。現実には設計、というより確認申請のみ外注するというやり方は行われますが、hiroさんがご自宅にどんなイメージを持ち何を要求するのか、その水準によって一番良い方法をご友人とじっくり話し合うことが必要です。無謀なことではないと思います。
- 2002-10-03
- 名前:ひろし
あえて今までの意見に反論させてください
設計と監理を分離するということは無謀なことではなく、時代の潮流だと思います。設計事務所でもたいていは設計担当者と監理担当者は違う人がやっていて、設計担当は若手のデザイナーっぽい人、監理担当はベテランの現場経験が豊富な人。という風に役割分担しています。
設計監理が一体が当たり前といっている人は、当初の設計に不備が多いため、監理段階で、そのミスをカバーしているという現状があるためと思います。それに10年保証が法的に義務づけになってきていますので、監理も建築課にお願いすると工務店によっては「保証ができない」といって断られるケースもあるようです。整理させてください
- 2002-10-03
- 名前:ザ・ハウス
ひろしさん、こんにちは。
少し整理させて下さい。
じゃんさんや弊社が申し上げたことは、施工と監理を同じ会社がやるべきではないということで、設計と監理を分離させるべきではないということとは話が少し違います。
確かに、設計と監理を分離させるか否かは賛否両論があり、建築物の規模などによってもいろいろな考え方が成り立ちます。
ひろしさんのおっしゃるように、設計と監理を分離する場合には、設計者・施工者・監理者の3者が参加すべきで、いずれにしても施工者が監理者を兼ねることは手抜き工事や欠陥住宅の温床になります。
ちなみに、設計と監理を分離させるか否かですが、住宅の場合は、弊社は設計者が監理をすべきと考えます。繰り返しになりますが、図面に表せない細かい仕上げなどは、建築家が監理時に現場で指示を出し、そのことが建物のテイストや雰囲気に大きな影響を与えるからです。
設計担当は若手のデザイナーっぽい人、監理担当はベテランの現場経験が豊富な人、というのは、建築家個人の実力で売っているアトリエ系建築家のスキームではなく、個人の名より組織力で売っている「設計事務所」のスキームです。いわゆる「建築家の家」というものとは、少し違う種類の依頼先です。
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