遮熱と遮光

  • 2003-05-01
  • 名前:上田 勝

ただしさん、こんにちは。

南側の窓を大きくとるかどうかは施主の好みの問題ですから、設計がそれほどに拘る必要はないだろうと思うんですが、それはともかく。
もし私ならばやはり南側の窓は大きくします。こちらは青森ですから、夏の日差しより冬の日差しの方が大切だからです。夏の日射については既にご検討のように、外側にスクリーンをつけるとか、庇を出すなどが効果的で、窓面積の大小はそれほど気にしなくてもいいかと思いますね。
「エアコンいらず」が果たして大阪で実現可能かどうかわかりませんが、基本的には夏にしろ冬にしろ、いかに断熱性を高めて輻射熱を軽減するかにあります。断熱が薄いと壁面の温度が上がり(または下がり)、それが輻射熱として体に作用します。輻射熱が抑えられれば、室温が高めでも過ごしやすくなり、エアコンを使う必要があっても設定温度が低くできます。
もう一つは湿気です。湿度を抑えることで蒸し暑さが解消されますので、室内の内装を珪藻土や無垢材を使い、吸湿性を高めておく、同時に集中換気として過剰な湿気を排出するなど空気環境全体で考える必要がありますね。
おっしゃる通り、開口部の断熱にも配慮が必要ですが、樹脂ペアガラスのLow-Eガラスだとかなりお高くなるでしょうし、もし可能なら真空ガラス(スペーシア)を組みこむと更にガラス面の断熱性は向上します。
何よりじゃんさんご指摘のように、風の通り抜けを考えた間取りにすることは必要不可欠です。いくら断熱を高めても、やはり窓から指しこむ日射はかなりのエネルギーを持ちますから、断熱性が高ければそれだけ家の中に熱気がこもりがちになりますから、使用しないまでもエアコンを後からつけられるようにしておいた方が無難です。