設計契約書の取り決めについて

  • 2003-09-01
  • 名前:ザ・ハウス

Simonさん、こんにちは。

Simonさんが、「打ち合わせは抽象的なその方の家作りの考え等を聞くばかりで、今まで考えてきた私共の希望や夢はあまり聞いてもらえませんでした」というお気持ちが残っている中で、その建築家とお話しを進めていらっしゃるのが少し気にかかります。
建築家にも色々なタイプの方がいます。Simonさんが今お話しを進めているような建築家の方もいらっしゃれば、反対に、「建て主の要望を形にしていく」という考え方に立って、建て主の要望を詳しく聞き取ってからでないと提案はしないタイプの方もいます。Simonさんが、今ご相談されている建築家に対して、しっくりいかないところをお感じなのでしたら、ひょっとすると後者のタイプの建築家とお話しを進められた方が良いのかもしれません。建築家の作風は、建物が完成した時のイメージをうかがい知る上でとても重要な要素ではありますが、建物を作っていくまでの過程がどのように進められていくのかも、満足のいく家作りを進めて行く上ではとても重要な要素です。仕事の進め方、家づくりに対する考え方、Simonさんのお考えに合った建築家であるかどうかを今一度お考えになられる必要があるかもしれません。
契約書については、標準的なものとして社団法人日本建築士会連合会などで販売されている「建築設計・監理業務委託契約書」という書式がありますので、ご参考になさってみてください。
ただし、必ずしも一言一句が上記の書式と同じ内容でなければおかしいというものではありませんし、建築家それぞれによって独自の契約書式が使われていることがほとんどです。
「途中に中止になった時」や「予定額より大幅に上回った時」、「将来、設計に問題があった為に欠陥住宅になった時」などについては、建築家とご計画を進める中でのご相談によって、それぞれとられる対処方法が異なります。例えば「途中に中止になった時」というのも、建て主の事情で中止になるケース、建築家の対応に不備があり中止になるケースなど、様々な想定ができます。このようなこともあって、契約書には基本的な要件のみが記され、ケースによって対処方法が異なるところは、その都度双方が話し合いをもって解決にあたるというのが一般的のようです。ただしご不安を払拭する上では、契約を結ばれる前に、「こういう場合はどうなるのか」というご質問を具体的にお尋ねいただく必要があるかと思います。
ご不安に思われたことをその都度解決していくことが、後々のトラブルを防止することに繋がりますので、ぜひご納得のいくまで建築家にご説明をお求め頂くことをお薦めいたします。