補足させてください(1)

  • 2006-05-15
  • 名前:まさし

度々失礼いたします。

ザハウス様の仰ることに間違いはないと思います。しかし、お立場上どの断熱材がいいとは言いずらいかもしれません。
そこで私自身の経験から、グラスウール(GW)、ロックウール(RW)、セルロースファイバー、ウレタン、ヌレート、フェノール、ポルエチレン、ポリスチレン、それぞれについて、材料の性能と特性を書き込んだのですが、あまりに長文になりすぎ、UPした際、字数オーバーで消去されてしまいました
したがって、とりあえず簡単にGW(グラスウール)とRW(ロックウール)の比較をします。(残念ながら建築士の中でもこの両者の違いを詳細に判っている方は少ないように思います。)
私自身は両者はまったく別の製品だと考えています
1.溶融温度とそれによる防火性能 GWの融点は約500℃なのに対し、RWの融点は約700℃以上です。これは基本的に原料が違うためであり、この融点の差、ならびに前記700℃付近という温度は、建築基準法にも謳われる通常の火災を想定した火熱温度に近く、結果不燃性能を含む防火性能に対して両者には大きな差があると考えています。500℃で熔けるものが700℃の不燃試験になぜ合格しているのか、甚だ疑問です。私はこの内容について建基法に定められた試験により、その不燃性能について自身で検証し、メーカーや評価機関、国交省にも質問を投げかけておりますがいまだに「コメントできない」「当方には関係がない」等の回答ばかりです。いかにも建築業界らしいといえなくもありません。国土交通省ホットラインステーションとはなんのためのシステムでしょうか?
2.製品の密度 これも実は想像以上に大きな差です。GWは通常の住宅用では10k(kg/m3)?16kですが、RWは40k?60k程度です。これら無機繊維の断熱性能(熱伝導率)は80?100k程度にピークがあるため、その性能については一目瞭然です。また更に重要なことは、GWは間柱等に押し込む際、その低密度からかなりの割合でつぶれてしまうことです。何もないところでは適度の復元力がありますが、施工された後の復元はほとんど期待できません。したがって、つぶされ例えば密度が2倍になったとしても熱伝導率はさほど変わらず、厚みだけが半分になりますから、肝心の熱抵抗(最終的な断熱性能)は半減してしまいます。RWについても同様のことがいえなくもありませんがGWとの比較でいえばその差は歴然です。またこのことが理由か定かではありませんがGWの包材(特に住宅用)には密度や厚み表示がほとんどありません。こうしたことはやはり建築業界の”いいかげんさ”ととられても仕方がありません。
3.表面処理剤(バインダー) これは前にも書いたとおりですが、GWはフェノール/尿素/ホルマリン系ですが、私の分析した限りではRWはフェノール/ホルマリン系です。両者ともこの他に撥水剤等も添加はされていますが、やはりその量からいっても尿素の影響はかなり大きいと考えられます。吸水性については様々な見解があることは承知のうえですが、GWの吸水(吸湿)による断熱性の低下は長期にみればかなり深刻なものと考えます。
4.繊維の太さ GWは平均繊維系が約7?8μ程度に対しRWは約5μ程度です。(あくまでn=1000の平均であり製法上RWのほうが太細が混在しますし、ショットと呼ばれる玉状のものも含まれます)しかし繊維径が約2/3ということは同じ真比重、重量の場合、繊維の総長さは2倍以上ということになります。(ちなみに真比重はGW:約2.5、RW:約2.7前後)したがって繊維で構成される微細な空気の部屋は当然RWのほうが多いことになり、それだけ断熱性が安定して良いということになります。前述のとおりそのうえ製品密度が違うのですから断熱性能についてはいうまでもないと思います。またこの繊維の量が多いことは、製品密度と併せて前述の施工の際の”つぶれにくさ”にも影響してきます。