建築家って何だろう

  • 2003-05-03
  • 名前:上田 勝

「建築家に依頼して家を建てたい」という方がこちらに多く集っているわけですけれども、そもそも「建築家」って何なのでしょう。建築に関わるプロフェッショナルなサービスを提供する職能の総称と考えれば、一人親方の棟梁だって「建築家」です。
例えばよりデザインに優れ、オリジナリティ溢れる家づくりができるからとか、依頼主一人ひとりでその定義やイメージが違うのでしょうけれども、デザインにしろオリジナリティにしろ、それは結局「予算」の問題だったりしますね。テレビの施工事例紹介を見るたび思うんですが、坪あたり70万80万も使えばそりゃ誰でもできますよ、という感覚も無いではありません。
建築家がどれほど優れたアイデアを持ち、意匠にどれほど拘りを持っていても、それは施工業者の技量に多くを依存します。手間を惜しまず丁寧に愛情を持って仕事をする工務店や大工あっての職業です。残念ながら、そうした技量の優れた大工は今どんどん減っています。あと10年、20年もすれば人材の枯渇は深刻な状況に至るでしょう。
よい仕事をする地場の工務店がいなくなったら、建築家はどうやって家を建てるんでしょうか。施主ももっと現場とのコミュニケーションを大切にすべきだと思います。そのコミュニケーションがあってこそ設計・監理も生きてくるのだと思いますから。