工務店の立場から

  • 2002-09-19
  • 名前:上田 勝

hiroさん、こんにちは。

私はそもそも「建築家」の定義がよくわかりません。この場合建築士資格の有無は関係無いらしく、彼らは基本的にデザイナーであるというのが私の感じ方です。ですから彼らの中には住宅を「作品」と呼び著作権を主張する人もいるのでしょう。
さて、例えば建築士事務所に設計のみを依頼され、あとは気の知れたご友人と一緒に作っていく、ということはもちろんできます。建築家であれ二級建築士であれ工務店であれ、基本的には「よい出会い」がよい家を作る上での条件です。一番安くできるのはもちろん工務店に設計から全てお願いすることですけどね。
私どもの工務店では、これまで建築士事務所の設計監理を受けたことがなく、うちの棟梁は仕事に第三者が介入するのを嫌います。それでも施主の要望であれば絶対やらんということは言いませんが、おそらく仕上げや造作について指図されるのを好まないでしょう。その場合、いくら完備された設計図書があっても、施主の抱いているイメージを伝えるのはホントに一苦労です。
しかし気心のしれた建築士事務所と工務店とであれば、互いに意見を出し合いながら図面に近づく努力を厭わないでしょう。それは施主と工務店との出会いに似て重要な要素なんですね。ですからご友人の知っている建築士事務所や建築家がいらっしゃればそれが一番よい組み合わせです。
法律上、設計と監理とは一体のもので、本来分離を前提にしていません。現実には設計、というより確認申請のみ外注するというやり方は行われますが、hiroさんがご自宅にどんなイメージを持ち何を要求するのか、その水準によって一番良い方法をご友人とじっくり話し合うことが必要です。