十分な説明がされていたかを再度確認しては。

  • 2023-09-10
  • 名前:ザ・ハウス

セノセさん、こんにちは。

設計事務所との家づくりで金額オーバーが発生し、現時点で工務店も見つかっていないご状況に大変お困りのことと存じます。

これまでの家づくりの経緯やご契約の内容など詳細な情報がわかりかねますので、一般的な設計監理業務の内容に基づく回答となりますことをご容赦ください。

設計監理業務を途中解約する場合、契約内容に基づき、これまでに行った業務の対価に対して精算するケースが一般的です。

価格の上振れが起きるケースの多くは、施主が高額な仕様、仕上げにこだわった場合、あるいは設計者自身がいい家にしたいために、自己のこだわりや施主の希望を盛り込みすぎた場合などです。

コロナ禍で価格高騰が起こり、未だ収まっていないのも事実です。コロナ禍以前の話で申し上げますと、1割~3割オーバーになるケースは多くありました。セノセさんの場合はご契約時はすでにコロナ禍であったこと、1年前との比較であっても倍になる価格というのは、設計事務所の価格設定が適正に行われていたのか、高騰し続けている中で、厳密な価格設定ができないまでも状況の説明はされていたのか疑問が残ります。

見積図面内容に沿って積算をするのは工務店ですが、工務店が倍の価格にしたというよりは、図面どうりに金額を算出し積み上げた結果ですので、「工務店の問題である」と工務店に責任転嫁している回答にも疑問が残ります。

希望や夢を詰め込むだけでなく、先を見据えて都度状況の説明や方向性を再考、提案し、納得形成をしていくのも設計監理業務の重要な役割ですので、その役割を果たした上でのVEで4000万円という金額であればセノセさんも納得できないまでも状況を解決するための話ができたのだと思います。

「妥当な設計をしている」という設計事務所の見解がございますが、「物価高騰のせいでその予算じゃ当初の設計は不可能」とも言っているので、では3000万円の家づくりに対しての妥当な設計とは?について、真摯に説明いただいても良いかと思います。

なお、過去、大幅に予算をオーバーした事案において、設計者は設計費を請求できないとした裁判例もあるようです。当事者間で納得できる解決が見いだせない場合、以下のような専門家に相談されてはいかがでしょうか。

※住宅リフォーム・紛争処理支援センター
https://www.chord.or.jp/

※法テラス
https://www.houterasu.or.jp/index.html

※民事調停
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_04_02_10/index.html