信頼すれども検証は怠るな

  • 2005-02-25
  • 名前:建築家コロンボ

少なくとも私どもの工事監理は、「施工者を信頼すれども検証は怠るな」の精神で行っています。
コンクリート施工の監理は各階毎、その都度、下記の行程を必ず行っています。
1.コンクリート配合計画書提出、確認・承認。型枠材の見本提出、確認・承認。型枠大工に、実作事例を見学してもらい、その程度を認識してもらう。「あなたは「仮枠」大工ではなく「型枠」大工であり、コンクリートを鋳込む彫刻家なのだ!。この建物は型枠が命だ!」とゲキを飛ばす。
2.外側の型枠立て込み、壁配筋時、内側の型枠をおこす前に、型枠検査、壁配筋検査。
3.スラブ型枠配筋時、構造事務所、役所立ち会いのもと、配筋検査、型枠検査。
4.コンクリート打設直前日、再度型枠検査(角締め、鉄筋かぶり、型枠下部のモルタル詰め、型枠内のゴミ・残材の有無、支柱の建て方、等のチェック)、コンクリート打設日の天候、打設人工、打設順序、打設道具、等の確認。この検査・確認に合格しないとコンクリート打設は延期。
5.コンクリート打設30分前の早朝、打設態勢の確認(打設人数、型枠大工、電気・給排水設備業者等の待機者、木槌、バイブレイター、レベル、下げ振り、ハイウオッシャー、コンクリートサンプリング道具、等)打設者達を集め朝礼、主任より「コウコクノコウハイこの一戦にあり!」とゲキを飛ばさせる。
6.コンクリート打設時、生コン車の出荷伝票照合、生コン150立米毎にサンプリング(午前中では生コン車3台くらいおきに3回くらい)。サンプルはスランプ値、空気量、塩分濃度、等の測定、サンプル詰め、に立ち会い。スランプ値が許容値範囲を超えた生コン車は退去させる。
7.コンクリート打設開始から終了まで、監理者(後半はスタッフのみの場合あり)は常時立ち会う。
これでコンクリートの勝負は決まり、後は脱型したものを眺めるのみ。
8.コンクリート打設後、脱型者、脱型方法の確認、支柱の存置期間の確認、コンクリートサンプル材料試験所の試験結果報告書の確認。
・・・とコンクリート打ちはコンクリート建築にはとても重要ですが、これは中盤戦、もっと大事なのは、前半戦の躯体施工図、Pコン・ベニヤ割付施工図、先行配線・配管の設備施工図、等による、定例打ち合わせ、コンクリ打ち作戦会議なのですが、これにふれるときりがないのでやめときます。
こんなやり方を私どもはしてますので、設計監理料はけっしてお安くはなりません。