何が「最適」ということかと思います

  • 2009-04-04
  • 名前:ザ・ハウス

ONEさん、こんにちは。
ご指摘の点ですが、建築家の家づくり一般に当てはめるのは無理があるかと感じます。
多く(おそらくほとんど)の建築家が建築家賠償保険に加入していますし、一昔前はともかく、現在は一級建築士免許のない建築家は実際に仕事を取れません。
また他スレでご説明の通り、デザイン図を書くことがまさに建築家の仕事(価値)であり、施工図を書くのは施工者の仕事です。
コスト感覚は確かにおよそ経験に比例して個人差がありますが、「コスト意識が欠落」とまで言える方は、設計技能者というより芸術家として高く評価されているようなタイプの中にしかおらず、ほとんど実績のない方を除けば日本に数人程度しかいません。そこまでの才能なくしてコスト意識が欠落した方は早晩淘汰されてしまいますので、実際は多くの建築家はコストをかなり気にかけながら仕事をしています。
また、ハウスメーカーや工務店の家づくりと比較して、初めに工事金額が確定しないことが建築家住宅のひとつの構造的な欠点であることは間違いありません。が、他スレでのやり取りをご覧になった建て主の方からいただいたメールの中に、「建築家が施工をするわけではないので、工務店の見積もりと当初予算がずれるのは当然のこと」というご指摘もあり、検討段階で建て主がその欠点を認識され、割り切れるかどうかということに尽きるのではないでしょうか。(ちなみに私はそれに不安を感じるタイプですので、ご不安もよく理解できます)
一方、ハウスメーカーや工務店の家づくりにも同様に問題点がありますので、問題点だけをフォーカスして一般化してしまいますと建売を買う以外なくなってしまいますが、建売は建売でまた問題点があります。
結局、問題点のない住宅取得方法が発明されていない以上、建て方による長所短所は「違い・個性」に過ぎず、お施主様それぞれにとって何が大切で何が大切でないか、そのためにはどのような建て方、どの業者に依頼するのが「最適」か、ということでしかありません。「床屋と美容院ではどちらが優れているか」という問いに一般解がないのと同じことです。
一方、住宅取得に付随する問題点がどうしても気になる方は、積極的な選択肢として賃貸住宅に住み続けるということもあります。
いずれにしても、住生活に多くの選択肢があることそのものが豊かさですので、それぞれがご自分に合う住生活を見つけられることが大切かと思います。