ご要望の整理が大切です

  • 2006-06-02
  • 名前:ザ・ハウス

ケビンさん、こんにちは。

おっしゃるとおり、住宅業界の場合、他分野を否定しあい、そして同分野の中では他社を批判する、というのはよくあることです。
そして、一つ一つの意見を聞いてみると確かにそれなりの説得力がありますので、聞けば聞くほどわからなくなるというのはよく理解できます。
住宅には、2つの本質的な大前提があります。
(1)いまだ、誰にとってもこれがベストだという住宅は発明されていない。
(2)すべての住宅にはメリットとデメリットがある。
ということです。
例えば、設計の自由度や個性と、コストや計画期間の長さはトレードオフの関係になりますので、そのメリット・デメリットがそのままハウスメーカーの家と建築家の家の正反対の特徴になって現れます。
つまり、どんな建て方や会社にもいい面・悪い面の両面があるのです。
しかし、それぞれの業者はついつい自分のメリットと他者のデメリットを強調してしまい、逆に自分のデメリットと他者のメリットを隠してしまうために、一つ一つは間違っていなくても、全体として何が優れているのか分からなくなってしまうということになります。
大切なことは、建て主とご家族がご自分達にとって何が大切かということを再確認し、その順番付けをしっかりと行うことです。
コストの安さなのか、デザインの良さなのか、計画期間の短さなのか、大きな吹き抜けなのか、長期の保証なのか、メンテナンスの簡単さなのか、などなど・・・
そして、いろいろな建て方や会社のメリット・デメリットを整理した上で、ご自分達にとっての大切なことを照らし合わせてみれば、何がご自分にとってのベストな建て方なのかが見えてきます。
例えば、整形地に家を建てようとする場合で、特に大きなご要望がなく、またハウスメーカーの家のデザインをお気に召した方が、建築家で家を建てることには、まったく意味がありません。ただただ、無駄に高いコストを払うだけになります。
家づくりに際して、最初から最後まで最も大切なことは、ご自身やご家族のご要望をきちんと整理できるか否かということです。ここが中途半端になってしまうと、依頼先選びだけではなく、そのあとの間取りや仕様を決める際にもなかなか決めきれず、帯に短し・・・の家になったり、予算や計画期間がオーバーしてしまったり、時にはそれ自体がトラブルの原因になることもあります。