ご参考まで

  • 2008-09-10
  • 名前:ザ・ハウス

ミスミスさん、こんにちは。

> 1点確認ですが、構造に問題があった原因が、「設計」にあっても、建築家は責任をとらないのでしょうか?
説明が不足しておりました。「誰に対して」責任をとる・とらない、ということを整理した方が分かりやすいですね。
まず、行政に対して、法律的な責任はありません。建築家・工務店・ハウスメーカーなどの設計担当者は建築のプロではありますが、場合によっては間違えることもあります。それらをチェックするのが、行政あるいは民間の検査会社が行っている建築確認です。つまり、建築確認が下りているということは、構造には問題がない、ということです。また、建物に構造上の欠陥が生じた場合、設計に問題がないのであれば施工に問題がある、ということになります。先の回答で「施工した工務店が保証元」と回答しましたが、そのような考え方だと思います。もちろんのことですが、確認申請の書類に偽りを記入することは、設計責任の問題というよりも犯罪行為ですので罰せられます。
次に、建て主に対して、ですが、個別の設計監理契約の内容によって異なりますので、厳密に責任のある・なしを断言することはできません。あくまで個人的な意見ですが、構造に欠陥があった場合、設計者に責任はあると思います。設計者には最低限の安全を確保することが義務であり、また、社会的にも財産の保全に努める責任があると思います。しかしながら、上記のように原則として設計者の責任による構造の欠陥は生じにくいと思います。設計者の設計責任を問われるのは、ハードよりもソフトの方が多いのではないでしょうか。ソフトとは、間取りや壁の色のことで、建物が完成した後、建て主から「要望と実際の建物が違う」というクレームです。これらは、設計者が一方的に悪い(恣意的に作る・設計能力不足など)こともありますが、大半は建て主とのコミュニケーションが不十分なことが原因のようです。
話をまとめますと、構造の欠陥をもった建物は建築確認が下りないので、そもそも建たないため、設計者の責任を問うか・問わないかという考えそのものがないようです。改正建築基準法で強化された部分は、審査内容の厳密化と偽りの書類を提出するなど犯罪行為の罰則です。