ご参考までに

  • 2006-05-09
  • 名前:まさし

以前セメントの硬化反応の研究をしておりました。

どちらで建替えされるのか判りませんが、単純にいえばセメントが硬化するための水が凍らない気温であることが前提と言えます。
俗に”(初期)凍害”といわれるセメント硬化物(コンクリート)の硬化不良による強度不足を避けるためです。(詳細なメカニズムについてはご希望があれば書き込みます)
セメントの硬化度合(熟成度)を計算するのにしばしば用いられる数式として(Saulの式)、硬化度合(熟成度)=At×(t+10) (At=t℃の材齢)というのがあります。つまり温度が10℃以下では硬化が進まないということを意味しています。
本当に個人的な意見ですが、やはり最低気温が?10℃以下、最高気温が0℃以下になるような土地、あるいは時期にはあまりお勧めできません。もしどうしてもという場合には、凍害防止剤(防凍剤)のご使用をお勧めします。
一方、梅雨の時期については、コンクリートへの影響よりも断熱材が特に繊維系の場合、その施工・保管管理が重要だと思います。勿論梅雨の時期に限ったことではありません。
特にグラスウールの場合には、その繊維表面には、化粧品やハンドクリーム等でおなじみの”尿素”が多量に使用されているため、一旦吸水してしまうとその保水効果および硝子という素材自身の親水性により、常温では元の含水率に戻るのはほとんど不可能です。
そのため断熱性能が著しく低下し、場合によっては性能の指標である熱抵抗がカタログ値に比べ半減してしまう可能性もあります。更にひどい場合にはカビの要因にもなりかねません。
これも全く個人的な意見ですが、断熱材についてはこれまでコスト面のみを重視し、工務店やディベロッパーは当たり前のようにグラスウールを使用してきました。しかし断熱性能、防火性能、自然・居住環境への影響等総合的に考慮しても、知れば知るほどに居住者のメリットを探すのに苦労します。よくご検討されることをお勧めします。