ごめんなさい、もう少し...
- 2003-06-19
- 名前:じゃん
ザ・ハウス御中
私の不躾な意見に丁寧な回答いただきありがとうございます。
本当に御社はマジメな会社ですね。誠意を持ち前向きな企業姿勢、敬服いたします。
私のような素人が心配しても無意味なことかもしれませんが、今の建築業界はちょっと変な状態になっている気がするんです。どうみてもマスコミに作られたブームに踊らされていますよね。自分の家もいくつかの雑誌に紹介され、その片棒を担いでいるようなものなので強く言える立場ではないですが...
一時の料理人ブームのように、建築家が半ばタレントのようにTVや雑誌でもてはやされるようになるのが不安です。もう一部の高名な方がなりかけてるかも...
日本人は熱しやすく冷めやすい。マスコミがいいというと、自分で判断せずいいものだと思い込み、それを手にしてはじめてそうじゃないことに気付く。そして次に批判的な態度を示しはじめる。
そんな日本人の大部分の人には、メーカー住宅が適していると思います。人並みに設備がそろい、高断熱、バリアフリー、耐震構造。今をときめくあらゆるものに対応可能です。
それに比べ、建築家の家はどうか。大変な工夫をこらし、各人様々な特徴を持ち、写真映えもよく、お洒落なデザイン。ローコストの追求、今までにない生活の提案、トリッキーな構造、仕掛け。どれも魅力的です。彼らの提案に魅せられ、惚れ込こむ。そして少々の不具合は気にしない...今のクライアントはそんな人ばかりでしょうか。建築家は個人から多くても数人の設計集団です。いくら知恵を結集し設計しても、特別な検証手段や試験設備も持っているわけではない。所詮大手の開発環境のレベルには及ぶところではありません。
ですから、最大公約数的な家を望まず、建築家の提案する特徴をよく理解し賛同し、少々の不自由や不具合は逆に楽しむくらいの建て主じゃないと、後に残るのは不満ばかりになりかねません。そして訴訟が増え、変な規制が乱立し、個人レベルの建築家が存在できない世の中が来たりしないでしょうか?
これは偏見になるかもしれませんが、少し前までは妙に価格の高い専門誌でしか彼らの仕事を見ることはできませんでしたが、今ではコンビニにある雑誌にすら猫も杓子も状態で紹介される建築家。気軽なイメージになるのも仕方ないですね。そういう状況だから、皆押し寄せる一見さんの対応に追われるんでしょう。ある意味自業自得です。そういう状況下で今までの仕事のポリシーを失い、売り手市場に慢心し、ふと気が付くとブームは去り、客足は途絶え、過去の信用も失い...そんなことにはならないといえるでしょうか?
>例えば、第一線でご活躍の方で契約前にプランを書く方は少なくなっています。)
こんな状態、ある意味既に危機的状況かと思います。契約前にプランの提案もなく、軽く高級車の一台もかえるような契約をしなければならないなんて...
これは私の慢心でしょうか。建築家に家を建ててもらうって、ある程度敷居の高さが必要と思うんですよ。いくら導入の手ほどきを受け、思いのほか安易に始められたとしても、家が建つまでの苦労は計り知れません。だから、もしザ・ハウスさんが、「誰でもできる建築家との家づくり」を目指しているんだと、少々不安なものを感じるんです。実際不満を訴える書き込みもありましたよね。
むしろ、その企業力を使って今のマスコミによるブームを正しい方向に矯正できるような仕事の仕方をして欲しいです。
私の話は偏見に満ちていると思います。でも、20代半ばから15年ほどそれなりに建築の世界を外から眺めてきたものの、一意見として参考にしていただければ、と思います。