鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリート(セメント、砂、砂利、水)を組み合わせて構造体をつくります。
構造
鉄筋コンクリート造には大きく2つに分けられ、ラーメン構造と壁構造があります。
・ラーメン構造
接合部が固くつながった柱と梁で支えます。主に中高層マンションに用いられます。
・壁式構造
柱や梁は無く、壁で支える構造です。主に戸建て住宅や中低層マンション、中高層マンションに用いられます。
耐震性
耐震性に大変優れています。鉄筋の引張力に強い性質とコンクリートの圧縮力に強い性質を組み合わせて、お互いの特性を生かした構造となっています。
ラーメン構造は柱、梁などで力を伝達させ、壁式構造は壁全体で力を伝達させています。これら柱、梁、壁の中の鉄筋量が不足していたり、コンクリートとの付着が不十分であったりした場合、建物に加わる力に対抗できなくなり、やがて崩壊にいたります。
耐久性
耐久性、耐火性、耐熱性に優れ、一般的に他の工法より2倍以上の60年程度といわれています。
火や錆に弱い鉄筋をアルカリ性に強いコンクリートが保護しています。しかし、コンクリートが空気中の二酸化炭素によって中性に変えられると鉄筋が錆び、コンクリートはひび割れていきますので、鉄筋に対してコンクリートのかぶり厚さを適切にとる必要があります。
施工性
現場で鉄筋を組んで型枠を建て込み、コンクリートを打設します。従って大部分が現場施工となり、打設の仕方で品質に大きく差が出ます。施工の良否が強度に影響を与えるので、施工管理が重要です。
また、敷地条件が厳しいと、施工が難しくなります。
遮音性
隙間がなく気密性が高いので、内外からの音の透過が少なく振動を遮り、木造や鉄骨造と比べて遮音性が優れています。
自由度
ラーメン構造は、開口部を大きく空けることができ、自由に間仕切りできる一方で、柱型や梁型が室内にみえてくるというデメリットがあります。
壁式構造は、柱が無いためすっきりとした空間が取れる反面、空間構成の自由度は低く、大空間は難しくなります。
工期
約8ヶ月程度と工期が長く、さらに完成してからコンクリートが完全に乾くのには、数年かかるといわれています。
コスト
コストは、在来工法の約1.3倍程度、解体費用も約1.7倍程度必要となり、他の工法に比べて割高です。
さらに建物自体が重いためボーリング調査を行い、適切な地盤改良や基礎工事が必要となります。場合によってはそこに大きなお金が必要なるので、予算計画には留意する必要があります。
増改築のしやすさ
既存部と増改築部分の鉄筋を繋ぐためにコンクリートを削るハツリ工事や、増改築部のコンクリート打設工事など、大きな振動や騒音、粉塵や汚水などが発生するため、増改築しにくい工法です。