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自宅で“ととのう”環境をつくりたい
今回ご紹介するのは、「自宅で本格的なサウナと水風呂を楽しみたい」と考えていたK様(30代前半・神奈川県)の事例です。求めていたのは、
・しっかり発汗できる熱気
・湿気をコントロールできる空間
・安全に使える電源計画
・サウナ→水風呂→休憩のスムーズな動線
という、サウナ愛好家ならではの4つのテーマでした。
しかし、検討していた住まいは木造2階建てで、浴室の位置が北側に固定されており、さらに既存の電源容量が限られている状況でした。
「ただサウナユニットを置くだけでは、自宅サウナとして成立しない」という課題が見えてきました。
後悔しないために知っておきたい3つのこと
1.サ室の断熱・気密の考え方
2.床・壁の防水と湿気対策
3.200V電源やガスの安全な取り回し
熱気・湿気・電力が生むサウナ計画のジレンマ
K様は週3回のサウナ習慣があり、
・90℃前後のドライサウナ
・ロウリュ対応のストーブ
・屋外に水風呂タンクを設置したい
・家族も使える安全性を確保したい
という明確な要望をお持ちでした。
しかし、検討していた住まいは北側に浴室があり、
・北側は湿気がこもりやすく、カビリスクが高い
・既存の床防水がサウナの高湿環境に耐えにくい
・分電盤の容量が不足しており、200V電源の確保が課題
という条件がありました。
当初は「浴室とは別に、室内にサウナ専用室をつくる」案もありましたが、
・湿気が室内に広がりやすい
・水風呂までの動線が長く“ととのい”にくい
・電源を新たに引き込む必要がある
などの理由から、現実的ではありませんでした。
さらに、水風呂を屋外に置く場合、「どこにサウナ室を配置するか」で動線と防水計画が大きく変わるという問題もありました。
内装一体型か、離れサウナ小屋か、検討した選択肢は2つ
A:浴室と一体化した“内装サウナ”をつくる
メリット:
・水風呂までの動線が短い
・既存の防水を活かしやすい
・家族も使いやすい
デメリット:
・断熱・気密を追加する必要がある
・湿気管理が難しい
・ストーブの種類が限られる
B:庭に“離れサウナ小屋”をつくる
メリット:
・断熱・気密を自由に設計できる
・ロウリュ対応ストーブの選択肢が広い
・湿気が室内に広がらない
デメリット:
・建築コストが上がる
・水風呂までの動線を工夫する必要がある
・屋外配線・配管の計画が必要
K様は当初「離れサウナ小屋」に憧れがありましたが、「家族で使う頻度と動線の良さを考えると、浴室一体型が現実的」と判断されました。
マッチングコーディネータの視点!
これまでの相談で多いのは、「サウナ本体だけ考えて、断熱や防水、電源の計画を忘れていた」という後悔です。
自宅サウナは“熱と湿気を制御する”ことが最重要です。工務店へ要望を伝えるときは、次の3点を整理すると提案の精度が大きく上がります。
・サウナのスタイル(ドライ/ロウリュ/家族利用)を具体的に伝えること
→必要な断熱厚みやストーブの種類が変わります
・電源の優先順位を明確にすること
→200Vを使うのか、ガス式を希望するのか?
・水風呂・休憩までの動線を伝えること
→屋外か室内かで防水計画や床材の選定が大きく変わります
これらを整理して伝えることで、
「断熱・気密に強い工務店」
「浴室防水の施工が得意な工務店」
「電源工事に強い工務店」
など、テーマに合った工務店をマッチングしやすくなります。
K様が選んだのは「浴室一体型サウナ+屋外水風呂動線」
最終的にK様は、
・浴室の一角にサウナユニットを設置
・サ室の壁に断熱材と気密シートを追加
・分電盤から200Vを新設し、安全性を確保
・浴室から直接出られる位置に屋外水風呂を配置
という計画を選ばれました。
これにより、湿気と熱をコントロールしながら、家族全員が安心して使える“ととのう家”が実現しました。
“設備”だけでなく“サウナ動線”を描くことが大事
自宅サウナの計画は、単にストーブを置くだけでは不十分です。
「どんなサウナを、どんな頻度で、どんな動線で楽しみたいのか」
これを整理することで、住まいの構造や生活パターン、将来のメンテナンスまで含めた最適なサウナ環境が見えてきます。
自宅サウナは、暮らしの質を大きく左右する設備です。断熱・防水・電源の3つをバランスよく計画することで、毎日の“ととのい”がもっと快適になります。
