「ネットで見たあの土地、問い合わせたらもう売れていた……」 土地探しを経験した方の多くが直面するこの問題。先日、LIFULL HOME'Sが発表した調査では、中古住宅を探した方の約3人に1人が「おとり物件」に遭遇しているという結果が出ました。
実はこれ、土地探しでも全く同じことが起きています。なぜ「ない物件」が掲載され続けてしまうのか? その背景には、大きく分けて2つのパターンがあります。
「おとり」を生む2つの正体
一口に「おとり物件」と言っても、実はその中身は異なります。
【悪質型】集客のためにわざと残す
すでに売れてしまった条件の良い物件を、あえて「募集中」として掲載し続ける手法です。これはいわば「釣り」であり、問い合わせてきたお客様に別の物件を勧めることが目的です。明確なルール違反(誇大広告)です。
【遅延型】情報のタイムラグによる「結果的なおとり」
実は、土地探しの現場で圧倒的に多いのがこちらです。不動産情報は全国共通のシステム(レインズ)で共有されていますが、ある会社で成約してから、ネット上のすべての広告が削除されるまでには、どうしても数日の「時差」が生じます。
お客様からすれば、どちらも「無駄足」というストレスに変わりはありませんが、この「構造的なズレ」が日常的に起きているという前提を知っておくことが、土地探しでは非常に重要です。
土地情報の多くは「レインズ(不動産流通標準情報システム)」を通じて各社に共有されます。しかし、ある不動産会社で「買付証明書」が出されても、その情報がネット広告に反映されるまでには数日の時差が生じることが珍しくありません。
「ネットでは募集中だったのに、問い合わせたら数日前に売れていた」 これは、不動産業界のデジタル化がまだ発展途上であるゆえに起きる、構造的な問題なのです。
深刻なのは「業界不信」
今回の調査で注目すべきは、おとり物件に遭遇した人の約半数が「不動産会社や業界そのものへの不信感を強めた」と回答している点です。 「どうせ問い合わせても無駄ではないか」「正しい情報はどこにあるのか」という心理的疲弊は、家づくりという本来楽しいはずのプロセスを苦痛に変えてしまいます。
土地探しを「空振り」に終わらせない4つの防衛策
情報のズレをゼロにすることは難しくても、お客様自身が「無駄な動き」を減らすことは可能です。
① 「詳細住所」を真っ先に確認する
広告に「●●市●●区●●」とあっても、番地まで出ていることは稀です。まずは住所を特定しましょう。もし住所の開示を渋ったり、回答が滞るようなら、その不動産会社が情報の鮮度を管理できていないサイン。情報の透明性が低い物件は「空振り」のリスクが高いと判断し、深追いしないのが賢明です。
② ストリートビューで「一次判定」を行う
住所がわかれば、現地へ行く前にストリートビューで以下をチェックしてください。
・前面道路の幅員: 車の出し入れなどを想像できるか。
・高低差と擁壁: 建築費に跳ね返る大きな段差はないか。
・隣地の状況: 窓の位置やゴミ置き場の有無など。
これだけで「見に行く価値があるか」を8割方判断できます。
③ 土地の状況は「外観」で9割決まる
土地は一点ものです。ストリートビューで「アリ」だと思ったら、すぐに現地へ。 この際、不動産会社を伴う必要はありません。まずは自分の目で、近隣の雰囲気や陽当たりを確認しましょう。このフットワークの軽さが、スピード勝負の土地探しでは命運を分けます。
④ 建築のプロ(工務店・ハウスメーカー)を「土地探しの伴走者」にする
これが最も重要です。不動産会社は「売るプロ」ですが、工務店は「建てるプロ」です。 信頼できる建築会社を2〜3社に絞り、気になる土地が見つかったらすぐに相談できる体制を整えておきましょう。
「その価格で、希望の家が建つ地盤か?」「法規制(斜線制限など)で、3階建てが建てられないのではないか?」 こうしたプロの視点があれば、情報のズレに振り回されることなく、冷静に「買い」の判断が下せます。
「情報のズレはあるもの」と割り切り、「住所確認・自ら見学・プロに相談」というサイクルを早く回すこと。これこそが、ストレスなく理想の土地へ辿り着くための最短ルートです。



