建築家との家づくりは、自由で素敵なデザインが多いけれど、一方でお金がかかりそう、スケジュールが長そう、理想を勝手に作られてしまいそう、など不安もありますよね。ここでは、他の注文住宅と比較しながら建築家のメリット・デメリットを説明します。
※参考→ハウスメーカーのメリット・デメリット
※参考→工務店のメリット・デメリット
建築家のメリット
「暮らし」をデザインする
建築家との家づくりの魅力は、施主一人ひとりの価値観に合わせた家を作れることです。見た目のデザインだけでなく、使い勝手や快適性にも影響を与える「暮らし」をデザインすることができます。法令や予算以外の制約がなく、完全な自由設計が可能です。どんな工法や仕様も選べるため、施主のライフスタイルや土地の環境にぴったり合った家をゼロから考えることができます。
施主の代わりに工事監理を行う
設計監理業務の重要な役割の一つに工事監理があります。建築家で家を建てる場合、建築家(設計事務所)と設計監理契約を結び、工務店とは別に工事請負契約を結びます。工事監理とは、設計図通りに工事が進んでいるかを確認する作業です。ハウスメーカーや工務店でも監理者が任命されますが、自社内で監理を行うため、客観的なチェックが働きにくいことがあります。一方、建築家の大きな役割として施主の利益を最優先し、施工の問題を未然に防ぐため、客観的なチェック機能が働きます。
予算の中でメリハリをつけられる
ハウスメーカーの規格住宅は決まった範囲内で作られますが、建築家とつくる場合は、予算の中で具体的な要望だけでなく、潜在的な要望にも対応します。無駄を省き、必要な要素だけを取り入れた家をデザインし、限られた予算の中で長期的に快適で機能的な住環境を提供します。また、ライフスタイルや将来の変化を見据え、家族の成長に合わせた柔軟な設計が可能です。
建築家のデメリット
計画初期のコストが不明確
建築家に依頼すると、初期段階では費用がどのくらいかかるのかがわかりません。ハウスメーカーの場合、規格内で選ぶため即時に金額がわかりますが、建築家と進める場合、打合せで決まった内容を基に工務店が積算するため、詳細な金額が出てくるのは設計開始から約半年後になります。そのため、予算に制約がある施主にとっては、大きな課題となることがあります。
スケジュールが長い
建築家とつくる場合、完成までのスケジュールが長くなります。プロジェクト開始から完成までの期間は、最短でも14ヶ月、平均で18ヶ月程度かかることが一般的です。施主の希望に合わせて最善の方法をじっくりと決めていくため、時間がかかることは避けられません。
建築家との「相性」の影響が大きい
建築家の選び方を間違えると、思い描いていた形とは異なる建物が完成することがあります。感性やスタイルが施主の希望と一致しない場合、完成した建物が期待と大きく異なる可能性があります。建築家選びは慎重に行い、十分なコミュニケーションを取ることが大切です。
まとめると、建築家とつくる住宅は、施主にとって唯一無二のフルオーダーメイドです。その分時間もかかりますし、コストも不明確ですが、長期的に見れば大きな満足感と価値を生み出します。建築家を選ぶ際には、相性や信頼関係が非常に重要です。慎重に選び、しっかりとコミュニケーションを取ることで、理想の住まいを実現させましょう。