住宅ローン控除とは
住宅ローンを利用してマイホームを建築・購入・リフォームした場合、一定の条件を満たすと、所得税や住民税が軽減されます。これは条件によっては数百万円単位の節税効果になることもある、家づくりにおいて重要な制度のひとつです。
一般的には「住宅ローン控除」「住宅ローン減税」と呼ばれています。
控除される金額
年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除されます。
ただし、控除される金額はその年に支払った所得税・住民税の合計が上限です。
年収や他の控除の状況によっては、控除枠を使い切れないケースもあります。
主な要件
・自ら居住するための住宅であること
・床面積が50㎡以上
※床面積40㎡以上50㎡未満の住宅も控除対象となりますが、合計所得金額が1,000万円を超える年は控除が適用されません。
・住宅ローンの返済期間が10年以上
・その年の合計所得金額が2,000万円以下(控除期間中に2,000万円を超えた年は、その年のみ控除が適用されません)
・店舗や賃貸などの併用住宅は、床面積の2分の1以上が居住用
・工事完了日、または引渡日から6か月以内に入居
また、この場合、子育て世帯・若者夫婦世帯への借入限度額の上乗せ措置も対象外となります。なお、住宅と合わせて取得する土地の購入資金のためのローンについても、対象に含まれます。
住宅の性能グレードによって借入限度額が変わる
住宅ローン控除の借入限度額は、住宅の省エネ性能によって異なります。
性能グレードが高いほど限度額が大きくなるため、控除される金額もグレードによって変わります。
2026年以降の新築住宅では、長期優良住宅・低炭素住宅が最大4,500万円、ZEH水準省エネ住宅が3,500万円、省エネ基準適合住宅が2,000万円となっています。
省エネ基準を満たさない新築住宅は控除の対象外です。
2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準適合が控除を受けるための前提条件となっています。さらに2028年以降はZEH水準を満たさない新築住宅は原則として対象外となる予定です。
これから建てる住宅は、どの性能グレードにするかが税制メリットに直結します。
なお、2023年末までに建築確認を受けた住宅、もしくは2024年6月30日以前に建築された住宅に2024年・2025年に入居する場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年間となります。
子育て世帯・若者夫婦世帯に対する控除の上乗せ
子育て世帯(19歳未満の子を有する世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)に該当する場合、住宅の性能グレードに応じた借入限度額がさらに引き上げられます。
年齢・子どもの有無はいずれも入居年の12月31日時点で判定されます。
この上乗せ措置は2026年から2030年末までの入居分に適用されます。

借入限度額が上がると、控除の計算ベースとなる金額が増えるため、同じ返済期間でも一般世帯より多くの税額が控除されます。ただし、実際に控除される金額は「支払っている所得税・住民税の範囲内」が上限です。借入限度額が大きくなっても、納税額が少なければ控除を使い切れないケースもあります。
出典:
・国土交通省「令和8年度住宅税制改正概要」
・宅建Takken 2026年4月号
災害レッドゾーンでの新築は対象外に
2028年(令和10年)1月1日以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンに該当するエリアでの新築住宅は、住宅ローン控除の対象外となります。
建替えや既存住宅の取得・リフォームは引き続き対象です。土地の購入を検討している場合は、事前に自治体のハザードマップ等で該当の有無を確認しておくことをおすすめします。
控除を受けるための手続き
住宅ローン控除を初めて受ける年は、必要書類を添付して確定申告を行う必要があります。
申告先は納税地(原則として住所地)の所轄税務署です。
主な提出書類は以下のとおりです。
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・金融機関から交付された借入金の年末残高等証明書
・家屋の登記事項証明書(床面積を確認するため)
・工事請負契約書または売買契約書の写し
・住宅の性能グレードに応じた証明書類(認定通知書・住宅省エネルギー性能証明書など)
・土地のローンについても控除を受ける場合は、土地の登記事項証明書・売買契約書の写し
給与所得者の場合、2年目以降は確定申告不要で、勤務先への「住宅借入金等特別控除証明書」と「年末残高等証明書」の提出により年末調整で対応できます。
なお、確定申告書はe-Taxでの作成・提出が可能です。マイナポータル連携を利用すると、年末残高等証明書の情報を自動取得して入力を省略できます。
※詳細は国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ」をご確認ください。


