火災保険とは、火事や台風、水漏れなどによる損害を保証する保険です。
もらい火(類焼)でも、自分の家は自分の保険で再建
日本は木造家屋が多いため、いざというときには火災の被害が大きく、失火者に全ての責任を負わせるのは難しいとの理由から、重大な過失がない限りは失火者に責任を問うことができないと「失火責任法」により定められています。つまり、もらい火(類焼)によって家が燃えてしまった場合でも、自分の家は自分の保険で再建しなくてはなりません。
かつての金融機関では、住宅が火災などによって滅失した場合でも住宅ローンの残金を回収できるように、火災保険の保険金請求権等に質権*を設定することが融資条件に加えられていました。
*質権とは、債権者が担保として債務者から預かり、返済のない場合には担保から優先して返済を受けられる担保物権。
しかし最近では、質権の設定が不要になり、火災保険の加入も任意となっているため、施主にとっては選択肢の自由度が高まった一方、施主自身でリスク管理をする必要性が高まりました。
火災保険料は、保険金額と保険料率、保険期間、地域によって算出されます。
火災保険の保険期間は最長5年
火災保険の保険期間は最長5年です。
近年多発している自然災害による保険金の支払いが急増したことを受け、以前は住宅ローンの借入期間と同期間での一括支払いも可能でしたが最長が10年に短縮され、さらに2022年10月より最長5年となりました。
火災保険は建物の評価額に対して保険金が支払われる
火災保険は建物の評価額に対して保険金が支払われるため、15年後、20年後に新築当時と同じ金額の保険金は支払われません。
火災保険の保険金だけでは、再建築の資金をまかなえないことがあるため、再建築の資金を基準として保証する「価格協定付き火災保険」を採用したり、火災保険に加えて「家財保険」を追加しておくことも考えられます。
見落とされがちな火災保険ですが、保険会社から提案された保険の内容をそのまま鵜呑みにするのではなく、今回の改定を機に内容をきちんと確認し、補償内容の見直しを行なったり、相見積もりを取ったりして、万が一に備えましょう。
地震による火災は火災保険では補償されない
地震、噴火、またはこれらによる津波を原因とする損害(火災・損壊・埋没・流失)は、火災保険では補償されないため、地震などによる損害に備えるには地震保険に加入する必要があります。
地震保険は単独では加入できないため、火災保険にセットして加入しなければなりません。なお、火災保険の契約期間の途中でも地震保険に加入することができます。