地鎮祭とは
地鎮祭は「じちんさい」と言ってますが、正しくは「とこしずめのまつり」と読みます。
土地の悪霊を祓い、土地の神を祝って敷地を清め、工事の安全と無事な完成をお祈りし、家が何事も無く、永くその場所に建ち続けることができることをお祈りするお祭りです。
いわば土地の神様へのご報告と許可を頂くという意味があり、一般には神式で神主さんが行う場合が多いですが、仏式・キリスト教式で行われることもあります。
神主さんを招いて行う地鎮祭の他に、神社にお参りして、ご祈祷をうけ、授かったお砂を建築予定地の四隅に撒いて清め、鎮物(しずめもの)を土地の中央に埋めるという簡易な方法もあります。
地鎮祭をやるかやらないかは、あくまでも施主の判断になります。地鎮祭を行う場合は、着工のスケジュールとの調整も必要になりますので、事前にハウスメーカーや工務店などの依頼先に相談しましょう。
地鎮祭で用意する物
神式では、建築予定地の神社に地鎮祭の司祭をお願いし、祭壇をご用意いただきます。
祭壇には「海のもの」、「野のもの」、「山のもの」、「お酒」、「お塩」、「お米」などをお供えします。通常、お供え物は施主が用意しますが、最近は神主さんが施主から費用を頂いて、お供え物も一式用意する場合が増えているようです。
【お供え物】
「海のもの」・・・お頭付きの魚と昆布、寒天、のり、ひじき、わかめなど5種類
「野のもの」・・・大根、にんじん、なす、きゅうり、ほうれん草など5種類~7種類
「山のもの」・・・りんご、みかん、ぶとう、なし、バナナなど5種類
【玉串料(タマグシリョウ)】
玉串料は、神主さんにお礼としてお渡します。初穂料とも言います。のし袋に入れ、表書きは「玉串料」、「初穂料」、「御祈祷料」等と記し、施主の名前も書きます。金額は地域・地方により異なりますが、「お供え物」の費用も含めて4~5万円前後が一般的です。
【その他】
祭場をつくるために斎竹(いみだけ)と注連縄(シメナワ)と砂を用意します。斎竹とは葉付きの青竹のことをいい、斎竹を四方に立て注連縄を張り巡らし、神聖な場所をつくります。その他、雨天の場合はテントを用意をします。
服装は?
特に決まっていません。普段着でも大丈夫ですが、記念の式で写真も取られると思いますので、ラフ過ぎない程度の服装がお勧めです。
式の順序
一般的な新築工事地鎮祭の式次第は次のとおりです。
一、開会の辞
一、修祓(参列者を祓い清めます)
一、降神(神様を神籬にお招きします)
一、献饌(神さまのお食事となる神饌(しんせん)をお供えします)
一、祝詞奏上(神主さんにより神様にお祈りの言葉を申し上げます)
一、四方祓(土地の神様にお供え物をします)
一、地鎮の儀(鍬入れの儀)
一、玉串奉奠
一、撤 饌(お食事をおさげします)
一、昇 神(お招きした神様をお送りします)
一、神職退下施主は次の二つの儀式を行います。
【地鎮の儀(鍬入れの儀)】
この儀式は、設計者及び施主と施工者が初めて土地に手をつけるという意味があります。
まずは、設計者がカマを入れる「苅初(かりぞめ)の儀」を行い、続いて施主がクワを入れ、工務店がスキを入れる「穿初(うがちぞめ)の儀」を行います。
施主は、盛り砂の砂にクワを入れるようなしぐさを行い、「えいっ、えいっ、えいっ」と3回力強く声を出します。
【玉串奉奠】
榊(さかき)の枝に紙垂を結んだもの「玉串」を工事の無事安全を祈って、神様(祭壇)にささげます。
これは、施主の家族と工事関係者、当日の列席者の全員が行います。
玉串を神主さんから受け取ったら、葉の先が左手、根元が右手に持ち、それを右手で葉の先を自分の方に向けて、根元を自分の方に右回りに回します。最後に根元を祭壇に向けてお供えします。
次に、二拝二拍手一拝を行います。
深いお辞儀を2回繰り返し、次に胸の高さで手を合わせて拍手を2回し、最後にもう一度深いお辞儀をします。
最後に御神酒をいただき、地鎮祭が終了します。