天空率

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一般住宅においては、まだそれほど多く利用はされていませんが、建築計画での斜線制限の規制を緩和する制度のひとつに天空率があります。

北側斜線制限や道路斜線制限等の斜線制限は、新しく計画をする建物が周りの道路や隣地から通風や採光・日照などを奪わないように、建物の高さを規定の勾配で抑える規制です。

これらの斜線制限にかかる場合、建物の道路に面した部分を切り落としたような形状にしなければなりませんが、必ずしも住む側にとっての居住性やデザイン性には結びつかないものでした。
また、敷地内の空地条件を考慮していないため、実際には間口が広く低い建築物よりも、スリムで高い建築物のほうが周辺の開放感・日照・通風を確保できる場合もある等、制度上、不合理な点もありました。

この斜線制限を緩和する法改正のひとつが天空率制度で、平成15年1月1日より施行され改正建築基準法第56条にある高さ制限の第7項として新たに設けられました。

◆天空率とは

天空率とは、魚眼レンズで天空を同心円状に見上げた時に、建物を立体的に映した範囲を除いて、どれだけ空が見える割合が残るかを示したものです。

斜線制限をクリアした適合建築物と比較して、この天空率を用いた場合の方が通風や採光の確保ができるのであれば、斜線制限の緩和が受けることが可能となります。斜線制限による適合建築物と天空率を用いた計画建築物の比較については、天空率と天空図を使って判断されます。

なお、天空率については数値化して表すことができます。
天空率(%)=円の面積(As)-建物投影面積(Ab)/円の面積(As)

◆測定点

天空率の測定点は、道路斜線、隣地斜線、北側斜線の制限ごとに定められており、利用する斜線制限の全ての測定点ごとに天空率の計算を行います。
それぞれの測定点についての規定は以下の通りです。

<道路斜線の測定>

測定距離:
道路の反対側

測定点:
道路幅の1/2以下の等間隔

<北側斜線の測定>

測定距離:
第一種・第二種低層住居専用地域・・・4M
第一種・第二種中高層住居専用地域・・・8M

測定点:
第一種・第二種低層住居専用地域・・・均等間隔1M以内
第一種・第二種中高層住居専用地域・・・均等間隔2M以内

<隣地斜線の測定>

測定ライン:
斜線勾配2.5、高さ区域31M区域は12.4M
斜線勾配1.25、高さ区域31M区域は16M

測定間隔:
斜線勾配2.5、高さ区域31M区域は均等間隔6.2M以内
斜線勾配1.25、高さ区域31M区域は均等間隔8M以内

◆天空率を採用する際の注意点

一般住宅については、天空率を採用するケースはそれほど多くはありません。採用を検討する際には下記の点についても注意を払いましょう。

<行政によって取扱い方が異なる>
条文で明示されていないような敷地条件は、各々の行政単位で取扱い方が異なる場合があります。複雑な敷地条件の場合は事前の相談が必要です。

<近隣住民への配慮が必要>
敷地条件等によっては、天空率制度を利用することで周囲の建物とはまったく異なる高さや形態の建築が可能な場合もあります。合法な建物ではあっても、周囲からは違和感のある建物としてみられる可能性もありますので、近隣への配慮も必要です。

(佐々木)
まじめな家づくりセミナー