日影規制

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日影規制とは、日影を一定の時間内に抑えるように建築物の形態を制限して周辺の居住環境を保護しようとする建築基準法上の規制です。

日本では1970年代に入りマンションなどの中高層建築が増えたことに伴い、日照権の訴訟が相次いだため、1976年建築基準法改正で第56条2項に制定されました。「日あたり」と言う資源を公平に分配するために日照基準のルールを設けたわけです。

日影規制の対象となる建築物は、用途地域毎に建物の高さや階数で決められており、対象建築物が一定時間以上続けて隣家に影を落とさないように計画することが義務付けられています。

日影規制の内容は以下の表の通りです。

以下の表は建築基準法第56条の2で定められており、(1)~(3)の「種別」に関しては、各地方公共団体がその地方の気候や風土、土地利用の状況等を考慮した上で、条例で指定します。(1)~(3)のうち、どれが該当するかはそれぞれの地方公共団体によって異なりますので、ご計画にあたっては各地方公共団体の都市計画課等でお調べになることをお勧めします。

◆規制を受ける地域

日影規制は、その目的から住居系の地域を中心に考えられており、都市計画で土地利用計画として定められている用途地域のうち以下の地域が対象となります。

・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・準工業地域
・用途地域の指定のない区域

※商業地域、工業地域、工業専用地域については、日影規制は適用されません。

◆規制を受ける建物

第一種・第二種低層住居専用地域と用途地域の指定のない地域
・・・「軒の高さ7Mを超える建物、または地階を除く階数が3階建ての建物」

その他の地域
・・・「軒の高さ10Mを超える建物」

◆測定の内容

<時間>
冬至日の太陽が真南に来た時を12時とし(これを真太陽時と言います)、午前8時から午後4時まで(北海道の区域内においては午前9時から午後3時まで)の間に建物が及ぼす日影の影響を検討します。

<測定面>
地面にできる日陰の影響ではなく、建物の中にいる人にとって光が入るかどうかを基準としているため、日影時間の測定は、隣の建物の1階の窓の高さや2階の窓の高さを想定した高さで検討します。

第一種・第二種低層住居専用地域
・・・平均地盤面より1.5M

その他の地域
・・・平均地盤面より4Mまたは、6.5M

用途地域の指定のない区域
・・・平均地盤面より1.5Mか 4Mのいずれかを地方公共団体が条例で定めます。

<範囲>
測定する範囲は2つあります。敷地境界から5Mの範囲で建築物が直接隣地に及ぼす影響、10Mの範囲ではさらに広がる日影や隣地の建築物への日影による影響を見ます。
そこで建築物がつくる日影を時間で表し、一定以上の日影を生じさせないように建築物の形態を制限し、規制範囲内に日影を抑える必要があります。

◆その他

・同じ敷地に2つ以上の建築物がある場合は、1つの建築物とみなして規制を適用する。

・建物が異なる規制区域に跨る場合、その区域に応じた建物の高さ、階数を検討して日影規制にかかるかどうかを検討し、いずれかに日影規制がかかる場合は建物全体に適用となる。

・建物の日影が制限の異なる区域にかかる場合、それぞれに属しているものとして、どちらの地域の規制もクリアしなければならない。

・対象外地域にある建物が対象区域内に影を落とす場合、影を落としている規制対象区域の制限をクリアしなければならない。

・敷地が道路、河川に面している場合や敷地が隣地より1M以上低い場合は緩和となる。

・特定行政庁が敷地の状況から周囲の環境の悪化の恐れがないと判断し、建築審査会の同意を得て許可した場合は緩和となる。

(佐々木)
まじめな家づくりセミナー