持ち家と賃貸、どっちがトクか

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よく持ち家と賃貸住宅の生涯支払う総費用を比較する記事を見かけます。
「持ち家の方がトクだけどそれほど変わらない」という結論が多いようですが、費用の比較はあまり意味がありません。

家賃には相場があり、地価や金利、貨幣価値、需給バランスなどによって家賃も変動しますが、持ち家は住宅ローンを組んだ時点でほぼ支払額が確定します。

つまり、現在15万円の家賃が将来は同じ条件で10万円になるかも知れず、一方で住宅ローンは15万円のままだということです。もちろん、逆のこともいえます。

数十年先の経済状況を予測することは不可能ですので「どっちがおトク」という計算はできませんし、「家賃を払うのはもったいない」というのは気持ちの問題に過ぎません。

ただし、間接的に家賃相場と収入は連動しますから、賃貸の場合は家賃が変動しても負担感としてはおおよそ一定でリスクが低く、一方持ち家は得をすることもあれば損をすることもある、と言うことはできます。

さて、費用面で比較ができないとなると、価値観やライフスタイルを中心に比較するのが妥当でしょう。

持ち家のメリットは、何と言っても自分自身が所有者であり、誰気がねなく住めるという安心感です。

賃貸の場合は壁に釘1本打つにも気を使いますし、事実上リフォームはできません。

持ち家=人生の目標という考え方はかなり薄れてきていますが、それでも家を持つことは親孝行であったり、配偶者に対する誠意であったりと、周りに対する思いやりの一つである場合も少なくないでしょう。

また、大黒柱に万一のことがあった場合でも、持ち家は団体信用生命保険によって残債が清算され、残された家族が負担なく住むことができますが、賃貸の場合は家賃を払い続けなければなりません。

さらに、同じ場所に住み続けることによってコミュニティの一員としての豊かさを満喫することも可能です。

一方、賃貸のメリットはライフステージにあわせて自由に住み替えができるということです。
割り切った賃貸派は、服を替えるように住み替えを楽しむということもできます。

それに比べて持ち家は身が重く、お隣とのがネコ屋敷だったり、お子さんが地元の学校になじめなかったりした場合は、せっかくの持ち家が重い足かせになってしまうこともあります。
もちろん持ち家でも住み替えは可能ですが、賃貸に比べてはるかに大ごとであり、売却後に残債が残ってしまうこともあります。

また、賃貸の場合は毎月の出費を平坦化することができるため、生活設計を立てやすいというメリットもあります。
エアコンや給湯器が壊れても修繕・交換費用は家主が負担しますが、持ち家の場合は自己負担のため、急な出費に備えなければなりません。

このように持ち家、賃貸にはそれぞれに安心感やリスクがあって優劣はなく、どちらがご自身の性格や考え方によりマッチするかを見極めることが大切です。

(関)
まじめな家づくりセミナー