グラスウールは不燃か?

グラスウールが不燃ってウソ?
名前:まさしさん(2006/4/9)
質問はグラスウールの不燃性能及びその不燃材料認定についてです。

ご承知のとおり平成12年6月に改定建築基準法の施行がなされましたが、この際、不燃材料の技術的基準は大きく変わりました。

その内容は、
法第2条第9号の政令で定める性能およびその技術的基準は、建築材料に通常
の火災による火熱が加えられた場合に、過熱開始後20分間次の各号に掲げる要件を満たしていることとする。    (実際の試験および評価方法)
1.燃焼しないものであること。               (発熱速度、総発熱量等の測定)
2.防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を  生じないものであること。    (目視)
3.非難上有害な煙またはガスを発生しないもので  あること。(マウスによるガス有害性試験)
とあります。

この度の質問は、上記要件中の2にあたる防火上有害な変形、溶融という点をグラスウールが本当にクリアできますか?という点です。

ご周知のとおり、グラスウールは500℃前後で溶融し、密度により多少異なるものの特に10K、16Kといった一般戸建住宅に最も使用されている低密度品においては大きく収縮(変形)します。

一方、国が定める上記通常の火災を想定した燃焼性試験(基材試験やコーンカロリーメーターによる発熱性試験)においては材料表面温度が700℃以上となる試験であり、常識的にグラスウールが形状を保持できる温度ではありません。また実際の試験においてもその変形は確認しています。

にもかかわらず、
平成14年6月以降、以前の通則認定から国土交通省よりグラスウールの多くの製品(構成)について不燃材料としての個別認定番号(NM-8603?8610等)がおりているようです。

これらは単に以前不燃材料だったものが法改正によって不適合となってしまうと 色々な矛盾がおきてしまうということからなのでしょうか? それとも他に理由があるのでしょうか・・・?

耐震偽装ではありませんが、国交省およびその指定検査・認定機関が申請された材料に対して本当に厳正に審査されて認定をだしているのか甚だ疑問です。

グラスウールのユーザーの一人として、メーカーに対しても質問をしておりますが、是非ご意見を頂戴したくお願いいたします。

ご参考まで
名前:ザ・ハウス(2006/3/31)
まさしさん、こんにちは。

グラスウールの性能における矛盾に関しては、グラスウールに直接火をあてる試験なのか、または輻射熱をあてる試験なのか試験方法によって耐え得る温度に違いがでるようです。

メーカーに問い合わせたところ、グラスウールに直接火をあてるような試験では、400度を超える場合にその性能は維持できなくなりますが、建築基準法の不燃性能試験では、輻射熱をあてる発熱性試験によって評価されるため700度の基準がクリアできるようです。

これは、建築建材が通常の火災により加熱された場合を想定しているため、グラスウールであれば構造の中にあるのが一般的であるように、素材単体での性能を見ている訳ではないためのようです。

火災を想定した試験の方法は、各国でも違いがありISO、ASTMなど各国での火災の特徴にあわせた試験方法が採用されています。

なお余談になりますが、多くのグラスウールが不燃材料として認定を受けているなか、一般住宅用のグラスウールは不燃材料の認定を受けていない商品がほとんどのようです。

これは、住宅金融公庫の仕様基準などでは、断熱材は不燃材としての性能が求められていないため、メーカー側は高い費用を支払って不燃材料認定を取る必要がないという考えがあるからのようです。

発砲プラスチック系断熱材や木質系繊維断熱材の中には、不燃材にあてはまらない断熱材もありますので、その中にあっては、グラスウールやロックウールは断熱性と不燃性の両方を兼ね備えた素材といえるかと思います。

大変感謝致します。ただ恐縮ですが誤りがあります。
名前:まさしさん(2006/4/2)
この度は、メーカーにまで問い合わせて頂きご回答を頂戴し誠に有難うございます。
ただ、いくつか誤りと思われる内容が含まれておりますので大変恐縮ですが訂正させて頂きたく存知ます。

1.もともと2000年の法改正(施行)は規制緩和とも関連し、輸入建材などの国外評価と国内での性能評価とのギャップをなくすため、できるだけ国際基準に沿った内容とすべく、ISOに準じた試験方法と基準に変更されたものです。したがってむしろ各国での火災の特徴にあわせた(各国バラバラだった)試験方法を統一していこうという流れに沿った改正です。

2.不燃材料認定は耐火認定などの構造認定と違い、素材(構成)そのものの性能を認定するものであり、厚さや密度、材料構成などの変更がなければ、たとえ構造の中であろうと外であろうと、基本的にはどこにどのように使用されるかという問題ではありません。勿論建築基準法に基ずくものですから建築に関連する用途であることは間違いありません。

3.500℃前後で溶融し始めるというのは、輻射熱でのお話しです。もともとグラスウールを製造する際は、大きな割合で輻射熱を利用して溶融させます。また、法改正により導入されたコーンカロリーメーターも輻射熱による試験です。ここでは総発熱量と発熱速度を計測しますが、700℃の基準というより、実際にこうした試験をして試験体の表面温度を測定したところ700℃をこえており、不燃材料認定基準である20分を経過したときには、大きく収縮してしまっているというのが実状です。なおロックウールについてはグラスウールより約200℃程度溶融温度が違いますので、耐熱温度も高く、10Kや16Kなどの低密度商品もないためこの点では両者は大きく違うといえます。

4.新認定番号NM-8603などの製品は、旧不燃第1028号ポリエチレン封入グラスウール保温板からの移行認定であり、まさに一般住宅に使用されているものです。またこれらの移行認定の場合、新規に不燃認定をうけるよりもはるかに費用はかかりませんし、協会としてうけていれば各メーカーの負担は微々たるものです。

なお、メーカー様のお話で”不燃性能試験では、輻射熱をあてる発熱性試験によって評価されるため700度の基準がクリアできるようです”といいつつ”一般住宅用のグラスウールは不燃材料の認定を受けていない商品がほとんど”との見解は少し不自然な気がしますがthe houseさんはいかが思われますでしょうか?

折角のご回答に対し大変失礼ですが、火災現場においてもグラスウールが収縮し、虫食い状態となり不燃材料としての役割を果たしていないことを見るにつけ、人命にもかかわる大きな問題と考えますので敢えて追記させて頂きます。今後とも宜しくお願い致します。

ご返答
名前:ザ・ハウス(2006/4/1)
まさしさん、ご意見を頂きましてありがとうございます。

建築建材がお住まいになる皆さまにとって安全なものでなければならないということは、ザ・ハウスも共通の思いであり、大きな関心事です。
しかしながら、個々の建材に関しましては、今現在ご回答できるだけの根拠や見識が不足しているため、誠に恐縮ですがコメントは差し控えさせていただきます。

お礼
名前:まさしさん(2006/4/1)
長文にわたり、なおかつ迅速なご回答を頂き誠にありがとうございました。

最後にグラスウールのメーカー様におかれましては、金融公庫からの資金調達の問題と、不燃材料という人命にかかわる問題とは別の問題として是非とも考えて頂きたくお願い申し上げます。

追伸)
私は断熱材関連企業のものではありません。
グラスウールのいちユーザーです。

国土交通省に直接質問いたしました。
名前:まさしさん(2006/4/9)
本件につきましては、居住者の生命にも関わる問題とも考えられますので、国土交通省に直接問い合わせををさせていただきました。

ご回答がありましたら、また投稿させていただきます。

国土交通省からのご回答
名前:まさしさん(2006/9/2)
先日、本件について国土交通省からようやく連絡がありました。

私から改めて、
「一般に使用されている10Kや16Kのグラスウールは、現行建築基準法(平成12年6月施行)に定められる加熱試験において、著しく収縮・変形するものであり、法第2条第9号の政令で定める、不燃材料の技術的基準・防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生じないものであること。
(加熱後、試験体に裏面まで貫通する孔及びき裂が生じた場合及び変形によって裏面側の空間が見える場合には、所定の性能を有しないと判断する)
を全く満たしていません。

にもかかわらず、告示に「グラスウール板」が不燃材料として記載されたり、旧名称:ポリエチレン封入グラスウール保温板(一般住宅用グラスウール)がそのまま不燃材料として移行認定されていることは消費者の生命にも関わる大問題であり、それを放置すること自体国土交通省としても無責任ではないでしょうか?」
とお話ししました。

国土交通省としては、
「グラスウールの加熱時の収縮・変形については認識しているが、試験結果の詳細までは把握できておらず、早速各認定機関に詳細を確認する」
とのことでした。

ご連絡いただいた国交省の担当の方には、部署とお名前をお聞きし、今後も”あいまいなまま”にならないよう、再度ご回答いただくことをお願いしました。

国土交通省からのご回答2
名前:まさしさん(2006/12/16)
先月前記再質問に対し、国土交通省から以下のメールが届きました。
(勝手に転記するのもどうかとは思いますが、公的な機関からの公的な内容として敢えて書かせていただきます)

国土交通ホットラインステーションと申します。

回答が遅くなり申し訳ございません。
お問い合わせの件について担当者に確認をしたところ、先日の電話による説明で了解を得たとの認識のようでしたが認識に違いがあるように思えますので確認したい件について改めてご質問していただくようお願い致します。

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国土交通ホットラインステーション
東京都千代田区霞が関2-1-3
連絡担当 ○○
TEL 03-5253-8111(代表)
   **-****-****(直通)
FAX 03-5253-4192
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数ヶ月以上経ってこの内容には、少々驚きましたが三たび改めて質問をさせていただきました。
最初に質問をしたのが3月ですが、こんなに時間がかかるものとは思いませんでした。
引き続き今後も”あいまいなまま”にならないよう、回答を待ちたいと思います。

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