境界線に土留め

境界線への土留めの設置
名前:mさん(2007/9/19)

隣地よりも1mほど高い土地にこれから新築予定です。

隣地にごあいさつに伺い、お隣の方とお話をした際に、
「雨水や土が流れてきて、このままだと家が痛むので土留めをして欲しい」と言われました。
以前にも会ったことがあって、その時には土留め工事をする予定はない旨を伝えてあったのですが、
今回改めてこのような話になりました。

その人は自分の敷地の裏側に家が建ったときには、
屋根の雪が敷地に入ると言って、塀を作らせたことも過去にあるとのことでした。

とりあえず予算の都合もあるので検討させてくださいとその場はしのいだのですが、
お隣になるのであまり面倒なことにはしたくありませんし、
かといって工事にはお金がかかるし…。

これはどうしてもやらないといけないのでしょうか?
もし必要な工事なのであれば、安く上げる方法はありませんか?
また、雨やそれに伴う土砂の流出で隣の家が痛むことってあるんでしょうか?
このままだと雪が降ったときにも何か言われそうです。(うちの屋根は無落雪の予定ですが)

サ・ハウスさん、またはこちらをご利用のみなさんのご意見をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

ご参考までに
名前:ザ・ハウス(2007/9/20)

mさん、こんにちは。
隣地との関係は非常に難しいことです。考え方として「どちらが正しいのか」ではなく「どのようにすれば円滑に進められるか」をポイントにするといいと思います。

> 雨やそれに伴う土砂の流出で隣の家が痛むことってあるんでしょうか?

雨水を多く含んだ土地は地盤が軟らかくなるため、不同沈下など地盤から建物の歪みにつながると言われています。どの程度の雨水を流すと地盤に影響を与えるのかは地質・地形などの地域差があるので、一般論として推し量るのは難しいところです。ですが、これらが不明であっても何らかの影響があるかもしれない、ということが、隣人の心理に悪い印象を与えたとしても仕方がないことです。
つまり、実害がどの程度あるのかは分かりませんが、隣人の心理的には害があると思われている、ということです。

> 以前にも会ったことがあって、その時には土留め工事をする予定はない旨を伝えてあったのですが、今回改めてこのような話になりました。

以前に説明したときには土留めなしを承諾していたが今になって意見を180度変更した、ということですが、隣人との関係ではよくある話です。
mさんとしては「以前は何も言わなかったじゃないですか」「土留めの件は承諾したでしょう?」ということだと思いますが、書類を交わしていなければ、言った・言わないの議論になってしまい、結局、関係を悪くするだけのように思います。

係争をした場合、明らかな実害を与えていなければmさんが全面的に負ける可能性は少ないと思いますが、そうかといって、争って勝ち得るものは、それ程多くないと思います。「土留め工事をする必要なし」という結論になったとしても、そこに至るまでに多くの時間と費用が必要となると思いますし、隣人との関係は回復し難いものになっていることと思います。

mさんの新築工事によって(実害は有無は分かりませんが)隣人が不快な想いをした(これからする)ことは確かなことのようです。これらの配慮も含めて「mさんの家づくり」と考えていただければ隣人とこれからも良い関係が築けるように思います。

実例ですが
名前:ぴーこさん(2007/9/20)

いつもザ・ハウスさんを参考にさせていただいている者です。
mさん、これからの新築工事、楽しみですね。

さて、隣地との境界の土留めに関してですが、私の実家で実際にあった被害をお話します。
私の実家も、隣家に対して1mほど下がった土地に建っています。
この隣家は長いこと空き地になっていて、ずっと草が生い茂った状態だったのですが、3年ほど前にその土地に家が建つことになりました。
空き地だった頃より、大雨の際には雨水が私の実家の庭に流れ込んでくることがあったため、その対策を建て主さんやハウスメーカーさんにお願いしたのですが、「いずれ境界にフェンスを回します。」というお返事しかいただけませんでした。

空き地の草が刈られ、重機が入って土が掘り起こされ、いよいよ建て方が始まろうかという時に、台風がきました。
その大雨の際に、建築現場より大量の泥水・土砂が私たちの家に流れ込んできて、庭の植木・玉砂利などが泥に埋まってしまいました。
さすがに即刻苦情を申し上げたところ、ハウスメーカーさんと現場監督さんが速攻でやってこられ、境界に土嚢を積み上げ、ゴムびきの防水シートで覆って応急の土留めを作ってくれました。
さらに我が家の庭に堆積した泥の撤去・玉砂利の入れ替え・植木の手入れ・・・と、かなり大掛かりな復旧作業となってしまいました。
その際の費用は、建て主さんが負担されたのか、ハウスメーカー・工務店さんが負担されたのかはわかりません。

土嚢で拵えた即席の土留めでしたが、その後の台風では同様の被害は出ませんでした。
もちろん、家が完成した後には境界上にコンクリート土台付きのフェンスを建てていただいたので、現在も問題ない状況です。
まぁ、フェンスなり塀なりというのは、防犯上の意味合いからもいずれ作るものだとは思いますが。

実家の建物そのものには被害はありませんでしたが、家というのは建物だけではなく、お庭を大事にしているお宅もありますよね。
雨水や土などは建物が建った後より工事中の方が問題になるのではないでしょうか。
建築中はただでさえ騒音・工事車両の出入りなどでご迷惑をかけるわけですので、やはり、なんらかの対策を講じた方が良いと思います。

mさんの隣家の状況はわかりませんが、やはり迷惑をかけてしまう可能性があるのでしたら、mさんの出来る範囲で誠意を示した方が、後々のご近所付き合いも快適になると思います。工事費用ですが、土嚢と防水シート程度のものでしたら、数万円程度で済むのではないでしょうか。というより、気の利いた工務店やハウスメーカーでしたら、これくらいの隣家対策は諸経費でやってくれそうですがね。
そして、家が完成したあとに、塀なりフェンスなりを回せば良いと思うのですが、いかがでしょうか。

ありがとうございます
名前:mさん(2007/9/23)

ザ・ハウスさん、ぴーこさん、
丁寧なご回答ありがとうございました。

その後なんですが、建築会社の設計、基礎工事担当、知り合いの建築士などに現場を見てもらった上で意見を聞いてみたのですが、特に土留めを設置する必要はないのでは、との見解でした。

お互いの家は境界からそれぞれ1mほどで、実際に降る雨の範囲は少ないこと、
高い費用をかけて塀を作っても有効活用できない(いわゆる死に土地になる)こと、
法面に芝をきっちり張る予定になっており、また敷地の水はけもいいので、
とんど雨水が流れ込むことはないと考えられること、
以上の理由だそうです。

お隣の人のお話だと、新築時に一緒にやらないとお金がかかるから最初にやったほうがいい、とのことだったのであせっていたのですが、もう基礎工事は始まってしまいましたし、完成後にやっても費用はそんなに変わらないこともわかりました。

ただ、以前にお話を聞いたときには、このあたりは敷地の高い方が塀の処理をする暗黙の了解になっている、みたいなことを言っていたので、実害の有無にかかわらずにやれ、という意味なのかもしれません。

実際にお隣は庭造りにかなり力を入れており、その幅1mもないうちとの境界部分にもいろんなものを植えていたので、それへの影響も心配したのかもしれません。

無駄な出費を覚悟でお隣の意見を優先するべきか、それとも専門家の意見どおり、現状のままで行くのか迷っています。

人間関係の修復は容易ではありません
名前:ザ・ハウス(2007/9/24)

mさん、こんにちは。

しっかりと説明をして隣人にご納得いただいて工事を行わない、または、実害の有無にかかわらず工事を行うのか、のどちらかになると思いますが、ぴーこさんのおっしゃるように後々のご近所付き合いを考えると工事をしておいた方が無難ではないでしょうか。

> 建築会社の設計、基礎工事担当、知り合いの建築士などに現場を見てもらった上で意見を聞いてみたのですが、特に土留めを設置する必要はないのでは、との見解でした。

私は現地を拝見していませんので正確ではありませんが、各専門家が意見を同じにしているのでおそらく設置は必要ないのでしょう。しかしながら、ぴーこさんの実例のような被害があるのではないか、或いは地域の暗黙の了解をなぜ守らないのか、といった不安や不満が隣人にはあるようです。

mさんからご説明をいただいてもよろしいかと思いますが、mさんは利害関係のある当事者ですので隣人は説明を鵜呑みにはできないと思います。
ご説明をする際は、各専門家からご説明をいただく、他のご近所さんから「これぐらいだったら工事はしなくてもいいよ」などのご推薦をいただき、専門的・客観的なお話をしていただくとよろしいのではないでしょうか。

一方、工事を行うについてですが、ぴーこさんのおっしゃるように後々のご近所付き合いを考えると、こちらの対応の方が無難のように思います。

一度、人間関係が悪くなったものを修復するのはかなり難しいことです。流れた土を元に戻すことは、費用と時間さえあればできることですが、人間関係は簡単ではありません。仮に人間関係の修復ができたとしても、それに必要な費用や時間は「やらなかった土留め工事」のそれと比べると数倍は必要と思われます。

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