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分離発注とは(2)

分離発注のメリット、デメリット
名前:経験者さん(2003/10/28)
こんにちは。
今年の2月にザ・ハウスさんに相談でお世話になりました者です。
その時はとても親切にいろいろと参考になるお話を聞かせていただきました。

今回はザ・ハウスさんとご縁がなくてとても残念でしたが、その後もザ・ハウスさんの登録建築家の方が建てられた建築や情報をみています。
ご縁がなくて本当に残念に思っております。

私達は『分離発注』という方法を選び、現在建築中です。
9月に無事上棟を終え現在は木工事ですが少々遅れ気味です。

分離発注に対するいろいろな考え方があるのだなあ、と思いましたが、ザ・ハウスさんのお考え通り、分離発注はいろんな意味合いで『一人歩き』しているように感じます。

とりあえず今のところまでの『分離発注』で私が体験した印象を聞いていただきたいなと思いメールしました。

ザ・ハウスさんに相談した後で、いくつかのハウスメーカーをあたり見積もりをしてもらったのですが、どれも予算オーバーだったり、予算内の見積もりだったにしてもちょっと不信な(追加工事が予想される)見積もりだったりしたので分離発注の建築事務所に見積もりをおねがしました。

当初ザ・ハウスさんにもご指摘いただいたのですが、大変リスクの大きい方法かもしれません。

自分たちで家を作っているという(買っているではなく)充実感に魅力を感じたのと、予算面がとてもわかりやすかったこと、諸費用や住める状態になるまでのモロモロ(照明器具、カーテン、新規購入の家電)もこちらの考えを理解したうえでの見積もりを建ててくれたところに「お願いしたい」という気持ちになったのですが・・・。

最初は保証問題など不安もたくさんでした。

建てはじめてからも不安なことはドンドン聞いて分かるまで説明してもらっていますが、それで徐々に信頼関係ができていているのでとてもよかったと思います。

計画と実行が前後したり、いただくはずの図面が後回しになったりといろいろ上げればきりがないくらい「不安」になるようなこともありましたが、その都度聞いてきました。

基礎工事のときも素人ながら「あれはしなくていいのか」「これでいいのか」などうるさいくらい聞きましたが、丁寧に教えていただくことができました。

細かい仕様だとか建材などもいちからメリット、デメリットを教えてもらって選び、一般的な耐用年数やメンテナンスの方法なども説明してくれるので日ごとに家に対する『愛着』がでてきます。

トラブルがあったときが不安なので(保証の問題もありますし)選ぶたびに『こんな場合はどこに話をもっていけばいいのか?』とか『もしものときはどうすればいいのか』とか素人が考え付く範囲ではありますが、一つ一つ聞いています。

分離発注=ローコストという言われ方をしていますが、どちらかというと『ローコストにする為の工夫をする』といういい方の方が正しいような・・・。

入れたい設備や建材があったとしても思い思いのものを好き勝手にいれてたらローコストにはなりませんし、ローコストばかりに気をとられていると理想とはかけ離れた家になりそうですし・・・。

ザ・ハウスさんがおっしゃっていた『ローコストにはローコストなりのワケがある』というお話を実感しました。

分離発注にさえすればローコストで、ステキなデザインの設備も好きなものをいれた理想の家ができあがる、という風に考えていると失敗すると思います。

それでも私自身は分離発注を選んでよかったと思っています。
ローコストの意味も充分わかりましたし、家に深く関わっている充実感と建築事務所の方、職人さんとの関係もとても近いので安心感があります。
最初不安に思っただけに反動で今はそう感じているのかもしれませんが、毎日現場へ行き、週に何度も打ち合わせをしたり、質問したりしていると家が建って家づくりで知り合った人たちに会えなくなるのが惜しくなってきています。

ただ時間はたくさんとられますし、またたくさん時間の取れる人でないと信頼関係もできないし、「ここがおかしい」とか「これがちがう」などといった不安や心配がそのままになりますので、『失敗した!』と感じると思います。

すべての建材、設備や仕様などの選択も「おまかせ」にするとトラブルの元ですから全部自分で調べてチェックしてさらにみて、聞いて・・・とできる人でないと分離発注は失敗したと感じるのではないかな?と今回は実感しました。

私達は小さな子供がいるので、そのヘンは困難を極めましたが(細かく動くことが)建築事務所の方をはじめ、建材屋さんまでが子供つきのショールーム見学や、打ち合わせにつきあってくれてクリアすることができました。
ベビーシッターのごとくお付き合いしてくれた建材屋さんのおかげで、納得のいく打ち合わせがたくさんできました。

分離発注で施主が発注する形をとり、中間マージンをカットするとはいいますが、モロモロの発注を代行してもらう、そのお金はかかります。
設計監理費を高いと見るか安いと見るか・・・。
中間マージンが『カット』されるという単純にそこだけを期待するよりは、納得のいくまで相談できて、自分が選択した建材がはいることとか、家づくりそのものに深く関わりたい人向けなのではないかと感じました。

今現在、予算内で建築は進んでいますが、ローコストなりの理由がたくさんあります。見えない部分はよその現場であまった材料を使うとか、自分でできる作業や掃除なんかは自分でやるとか・・・。
設備なんかもほしかったけど、削ったものとかもたくさんあります。

建築のプロの方から見たら私達のような住宅の作り方はかなり危なげに感じられるかとは思いますが、現段階でですが、私達はとても満足しています。

わざとではないのでしょうけどいくら言っても私達の名前を間違っていたり、希望の設備の色や型番が違っていたり、図面上の窓の形状や番号が違っていたり・・・というところなどは「本当に大丈夫???」と感じました。

それは打ち合わせで確認しつつ『これ違います』とか『この番号2つありますけどこれでいいんですか』とかいっていけばいいだけの話なんですけどこういうところは不安に感じました。

私達もできあがって住んでみないとわらないことがありますので自信を持ってお薦めです!とはいいきれませんが・・・。実際の不具合の時の対応なども含めてこれからですね。

予定では年内入居でしたがこれに関しても、ぎりぎりのスケジュールなのでお約束はできません、という説明をもらっているので工程が遅れていますが、それほど心配してもいません。
理由もその都度説明してもらっていますし、今となってはゆっくり丁寧にお願いしますという心境です。

最初に建築士さんから「時間のない人からの依頼は受けられません」といわれました。
充分な打ち合わせとそれをしていくうちでできる信頼関係が重要だとのことでした・・・。
そこを押し切って『絶対お願いしたいんです!!』と無理矢理契約した私達は今思えばかなり無謀だったと思います。
打ち合わせに充分な時間が必要だと言う事も今になって本当に実感しています。

長くなりましたが、分離発注に対してメリット、デメリット、また分離発注=ローコストという考え方からくる失敗も未然に防げるかと感じましたのでメールさせていただきました。

貴重なお話ありがとうございます
名前:ザ・ハウス(2003/10/28)
経験者さん、こんにちは。

私どもが経験者さんのご理解を深める上で一助できたことをうれしく思います。

経験者さんのように、当事者意識を100%持ち、かなりの時間と労力を費やされ、プロに負けないくらい勉強され、心配や不安と戦い、大小さまざまなリスクを覚悟され、さらに理解ある協力者に恵まれることが、分離発注の前提となります。

そしてその果実は「ローコスト」ではなく、経験者さんのおっしゃるとおり、「納得のいくまで相談できて、自分が選択した建材がはいることとか、家づくりそのものに深く関わりたい人向け」ということになります。

それを十分にご理解されていらっしゃる経験者さんにとっては、分離発注はベストなご選択だったと思います。

一方でメリット・デメリットの収支が自分にとってプラスであることを確信するに至らないまま分離発注に走ってしまうと、ほとんどの場合はあとあと後悔する結果になるかと考えます。

分離発注をご検討の方は、是非ともそこのところを熟慮いただくようお願いいたします。

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