軒下が隣地に越境

軒下オーバーについて
名前:まじめなペンギンさん(2007/6/28)
ハウスさま

 たのしく拝見しております。1つ相談させてください。
埼玉で4月に引渡しをうけたものです。
6月になったところで、隣地に境界線より10mmほど軒下が、はみでていることがわかり、急遽、工事になりました。この件についてハウスメーカーに以下の質問をしたところ、やっていなかった旨報告がありました。
建設業界は実際どうなのでしょうか?

 1.HMの中間検査・竣工検査などでチェックしていなかったのか?

 2.役所の建築申請はみないのか?
  (測量士などが計測しないのか)

 以上、ご教授いただければ幸いです。

ご参考までに
名前:ザ・ハウス(2007/6/28)
まじめなペンギンさん、こんにちは。

一般的には隣地に建物が越境することはあり得ないことのように思われますが、建築・不動産の業界ではそれほど珍しいことではありません。単純に施工会社や役所の手抜きという場合もありますが、そうでない場合もあります。

テレビやパソコンといった工業製品の場合、1センチ或いは1ミリでもズレることは今日の技術を前提に考えるとほとんどあり得ません。これは工場の中で精密に加工された部品を使って、精巧な機械が組み立てるからです。反対に、建築の場合、工業製品のように完全に決められた寸法にできることはあり得ません(「完全に」という意味は図面と「寸分たがわぬ正確さ」という意味です)。これは工場のように整った環境、精密な部品、精密な組み立て機械(人間)がないからです。

もう少し詳しく説明します。
まず、建物を建てる場所についてですが、法務局にある登記簿や測量図の土地面積などと実際のそれはほとんどの場合、正確には少し異なります。測量技術が不足していた、虚偽の申請をしていたなど登記簿等に記録したときに誤りがあったものもあれば、隣人が境界線を勝手に移動したなど後発的な理由もあります。このようなことから、建物が図面どおりに作られたとしても建つべき敷地が不正確であると、方位や寸法がズレてしまうことがあります。
次に、建築の部品についてですが、すでに大部分が工場で生産されたものになってきましたが、一部の部材は現場でカットしています。そうすると精度が落ちることになりますが、敷地そのものの寸法が異なるなどに柔軟に対応するための調整ですので仕方がありません。
最後に、施工精度の問題ですが、人間が行う以上、どうしてもミスは起こってしまいます。精巧な機械のように毎回、どの機械(人)でも全く同じ結果にはなりません。もちろん手抜きや基本的な技術不足は論外です。

さて、今回のケースに話を戻しますが、上記のようなことから手抜きでなかったとしても上記のような理由から必ずズレは起こります。その前提に立つと、すべての部屋のすべての部品にメジャーをあてて、図面と全く同じであるか確認すると必ずズレが見つかりますが、それを図面と完全に同じになるまで補修をすることはコスト・時間の大きな損失で、現実的には実現不可能です。
よって、ハウスメーカーや役所はそこまでの精度で建物をチェックしていません。では、どのようになっているかと言うと、主な部分、問題となりそうな部分だけを抜き出してチェックすることになります。

まじめなペンギンさんのお住まいの地域が比較的土地が小さく、越境が起こりやすい(境界線ギリギリに建物を建てる)と予想されたならば、ハウスメーカーや役所は軒に測定器をあててチェックをしていたでしょう。今回の場合、そのような問題がおこらないだろうと予想したので、チェックの対象から外れたのでしょう。

しかしながら、建物が傾いているなどのように生活に大きな支障がないとはいえ、隣人の権利を脅かし、隣人トラブルとなる可能性のある大切な部分ですので、しっかりとチェックしていただきたいものです。

返答ありがとうございます
名前:まじめなペンギンさん(2007/6/28)
ハウス 様

 大変丁寧な返答ありがとうございました。
参考にさせていただきます

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