融通の利かない建築条件付

はめられているのでしょうか?
名前:かずタンさん(2002/9/13)
こんにちは。上田さんの鋭い語り口と的確なアドバイスに感動して投稿いたしました。
実は、6月に建築条件付きの土地を購入し、ある工務店と建築請負契約を結びました。
打ち合わせの回数も重ね、間取りも固まりつつある中で、「見積もりを出してほしい」と頼んだところ、換気システムや外断熱などの外注工事費は見積もりが出てきたものの、本体工事に関するものは「それはできません」と断られました。
また、売り図にも入っていた2カ所の吹き抜けを1カ所に変更してもらったところ、99万円の工事費もその見積もりに含まれており、驚いてしまいました。
どうも、売り建ての仮面をかぶった建て売りの契約のようなのです。
今までの仲介業者の説明や工務店との打ち合わせでは分からなかったことでした。吹き抜けの工事費の見積もりに(これは怪しい)と気配を察した妻が本で調べたところ、前述のようなことが分かってきた次第です。
同じような経験をされた方がいらっしゃいましたら、是非、お話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
総額で考えてみては
名前:上田 勝さん(2002/9/16)
かずタンさん、こんにちは。

>どうも、売り建ての仮面をかぶった建て売りの
>契約のようなのです。

売り建てと建て売りとは実質的には同じものです。建物の方を完全注文住宅であると表示していたりするなら問題ですけれどね。しかし既に請負契約も結んでいるということですから請負金額は確定しているはずですね。

おそらく最初から建物の構造はあらかた決定済みなんでしょう。ですから大きな変更部分には別途料金が発生するわけです。99万円という金額は例えば吹き抜け部分を3坪(6畳分)として、坪あたり10万の追加工事料、という単純な計算をしたのかもしれません。これ自体は不当というわけではないでしょう。吹き抜けを無くすということは床が増えるということですから。金額の多寡に関しては要相談というところですけれども。

本体工事価格を隠すのは通常の積算ではなくて総額で不動産業者と提携しているためかもしれません。その土地の売主が工務店なのか不動産業者なのかによりますが、もしかしたら不動産業者が売主となった土地に工務店の請負条件をつけ、それを購入されたということではないでしょうか。それだと大体の金額は不動産業者と工務店でほぼ決まっていて、施主の方には特に希望のある点について追加料金をもらうことになっているのではないかと。

もしくはもっと単純な理由で、どんぶり勘定のために詳細な見積もりが出せないのかもしれないですね。ちなみにうちもほぼどんぶり勘定です。通常の積算は設計価格で出しますがこれは実際の取引価格より高めになります。詳細に積算したら逆に高くなりすぎるんですよ(ウチの場合)。設備・建材単価というのは実際上あってなきがごとしです。ですからよほどぎりぎりの予算でやっているのかもしれません。しかしこれは同業者の贔屓目とお考えください。

確かにあまり誠実なやり方ではないですが、建築条件付きは法律上きちんと整備されている方式とは言いがたい面がありますし、個人的にはこのやり方はハウスメーカーに有利で消費者側に不利な方式だと常々思っているんですけどね。ですからよくよく話を聞かないと「こんなはずじゃなかった」というトラブルも発生します。

一つの考え方ですけれど、間取りや構造に納得され、土地代金も含めた総額で見て予算を超えないとかであれば、多少のことには目を瞑るという判断も可能です。建て売りと違うのは少なくとも建築中の施工状態がかずタンさんの目で常に確認できる点にメリットがあります。出来あがった家に満足できることが最終的な目標ですから、過程の部分で齟齬があっても、よく話し合ってお互い納得のいく方向に向かえばそれにこしたことはないですね。

あまり楽観的に構えるのも問題ですが、悲観的に考えすぎる必要もありません。はめられたと考えてしまうとどうしても詰問口調になってより悪い方向に行きがちですから、互いに腹を割って話し合う冷静さが必要です。

参考までに
名前:上田 勝さん(2002/9/16)
参考までに、建築条件付には一応の取引条件があります。以下に掲載しておきますが、この条件を満たさない方法も現実にはかなりあります。

1.土地売買契約後3カ月以内に建物の建築請負契約が成立することを停止条件とする。

2.請負人は、土地の売主またはその代理人に限られる。

3.建築条件が成立しなかったときは、預り金、申込証拠金その他名目の如何を問わず、受領した金銭はすべて速やかに返済されること。 
 
この3つの条件が明示された契約である必要がありますから、契約前にきちんと確認し、広告表示などにも注意しましょう。もし大手メーカーなんかがこれに反することをやっていたら、公正取引委員会に告発してやってください。

請負契約の金額について
名前:かずタンさん(2002/9/17)
上田様 ありがとうございました。ご丁寧なアドバイスをいただき、恐縮です。
 先日のメールでは触れていなかったのですが、確かに請負金額は確定しています。正直に申し上げて疑心暗鬼になりそうなのも否めないところです。
 現在、建具やトイレなどを省き、コストダウンを考えているところなのですが、このような努力を積み重ねた場合、請負金額から見積金額が下がっていくことなんてあるのでしょうか。
 言った言わないになってしまうのかも知れませんが、はじめの頃の仲介業者の説明では「建物の工事費は、増減もあり得ます」とのことでした。
 また、工務店との打ち合わせで「不要な部分はできるだけ削って、必要なところに費用をかけたい」というこちらの要望には「そうですね」と言う返事で、特別にこのことを否定する発言はありませんでした。
(このことは妻が日記に書いていました)
 もし、トイレなどを減らしても工事費が下がらず、逆にこちらの要望が「別途工事」となってしまうのだとしたら、通常、その点は契約時に説明があったり、契約書に明記してあったりするのでしょうか?
(契約書を読み返しても、その点は見あたりません)
それとも、「請負契約」とは、そういう契約だったのでしょうか。 契約したものの、後から不安になってきています。
 不勉強を省みずお恥ずかしい限りですが、アドバイスをいただきたく、お願い申し上げます。
コストタ゜ウン
名前:上田 勝さん(2002/9/19)
かずタンさん、こんにちは。

>現在、建具やトイレなどを省き、コストダウンを
>考えているところなのですが、このような努力を
>積み重ねた場合、請負金額から見積金額が下がって
>いくことなんてあるのでしょうか。

基本的には設備や建具を省いていけば下がります。しかし例えばお話のなかにあったような、吹き抜けを減らすということは逆にコストアップになりますよね。床材が増えますし床を支えるための工事が必要です。これを無料で行う場合、それは「サービス」ということでしょう。

基本的な構造部分をコストダウンすることはできませんから、コストダウンを考えるとすると、やはり間取りと設備面に限定されますね。一般的にはその工務店が提示する材料なり設備機器を使用するのが、その時点では最も安いものであるということになります。

それと同時に、例えば全ての工事を依頼するのではなく部屋の壁紙とかをDIYでやるということにすれば、その分外注工事費が浮くし、塗装工事を依頼しないなどの方法でもできます。少なくとも請負業者に負担になることをすれば当然増えるし、請負の工程の一部を減らせば手間が減りますからその分低くなる。常識的にはそうなります。通常は和室を無くすだけでも違いますよ。

補足
名前:上田 勝さん(2002/9/19)
ところで、もともとその請負金額がぎりぎりの予算で構成されておりますと、多少省いた程度では下がらない場合がありますので、念の為申し上げておきます。

ただ厳しい予算でも外注工事に関しては工務店の勝手で下げられませんから、一番下げやすいのは外注工事に関わる部分ですね。特に前述したように、内装、塗装などです。ですが省いたことによって生じた不具合については施主の責任ということになりますからご注意ください。

Re.コストダウン
名前:かずタンさん(2002/9/20)
上田様 貴重なご意見、ありがとうございます。
なけなしの資金をやりくりしている当方としては、「いかにコストを下げるか」という点は家造りに欠かせない要素です。「外注工事を減らす」という点は、とても参考になりました。
「和室をなくすだけでも違う」というお話ですが、トイレを減らし、和室をフローリングに変更し押入をなくした後の打ち合わせでも、金額は下がらないとのことでした。
もう交渉の余地はないのでしょうか。(T?T;)
ちなみに現在外断熱工法も含めた坪単価は約55万円と言う計算になっています。
Re.コストダウン
名前:上田 勝さん(2002/9/22)
かずタンさん、こんにちは。

>「外注工事を減らす」という点は、とても参考に
>なりました。

減らす、というより、かずタンさんがおやりになる、ということでもあるんですけどね^^;。子ども部屋とかトイレとか、普段他の人の目に触れないところをやる程度で。塗装などは部材の保護と見栄えの問題ですから、なければないで構わないと考えられる部分です。

ところで、トイレを減らすにしても床面積を減らすわけではないと思いますから、それほど大きくは変わらないかもしれないですが、給水個所が減るわけですから、水道工事料に影響しないはずはないんです。水道工事料はもちろん水道工事業者に支払いますから工務店の腹は痛まないはずですので、ご確認ください。たいした金額にはならないと思いますけど、言うだけ言ってみましょう。

しかし坪55万円というと、普通、ですよね。こちら青森では若干高いかな、という程度のものですが。それほど予算的にぎりぎりということもなさそうですが、床面積が30坪前後ですと、坪単価は高めになります。

ちなみに前回触れてませんでしたが、契約時のご計画で建築予算は決定しますので、その後の変更等による追加分は別途請求されます。もちろん減額分があれば請負契約の金額を訂正した上で中間金や最終金で調整するのが一般的です。ですから特約で決めるほどのことではないですね。

しかし総合的に考えると、請負契約を結ぶのはちょっと急ぎすぎたかもしれませんね。契約前でしたら、たぶんもう少し有利に話が進んだと思うんですが、これは言っても遅いですから、あとは話し合って調整していくしかないですね。いっそのこと坪単価をあと5万減らすとすればどういう方法があるかを逆に工務店に提案させてみたらどうでしょうか。かずタンさんだけ一生懸命考えるのも公平じゃありませんよね。

ありがとうございました
名前:かずタンさん(2002/9/23)
上田様  ありがとうございました。
確かにご指摘の通り、契約を結ぶのが早かったと反省しています(後の祭りですが)。
度重なる工務店との交渉や、資料集めなど、若干疲れ気味ですが、もう一頑張りしてみます。
でも、「請負契約を結ばないと、土地だけでは売れません」と仲介業者から説明を受けていたので、その時点ではその説明を鵜呑みにしていました。これはないですよね?

ところで、一般的に「見積書」って言うものを施主が請求した場合、どのような内容でどこまで細かく作るのでしょうか。「見積書は出せません」と言われたのを思い出してしまって。外断熱工法の依頼をしたら、見積額が160万円ほどプラスになりましたが、断熱材の必要量や工事費などが明らかではなく、困っています。

自動車の購入にはよくある手法ですが、「相見積もり」なんてこの業界では可能なのでしょうか。
雑誌などを読むと、建築家の方は工務店を決めるときに入札をするというのですが、どこかよその工務店で見積もりをしてもらうことも考えています。

今回の場合、なんだか後から「それは追加工事ですから」なんて、いろいろとおまけが付いてきそうで、心配になっています。ああどうしよう

停止条件付売買契約、です。
名前:上田 勝さん(2002/9/23)
かずタンさん、こんにちは。

>でも、「請負契約を結ばないと、土地だけでは
>売れません」と仲介業者から説明を受けていた
>ので、その時点ではその説明を鵜呑みにしてい
>ました。これはないですよね?

説明の仕方に問題がありそうですね。本来は売買契約を結んで3ヶ月以内に請負契約を結ぶ、という停止条件がついた売買契約ということです。つまり3ヶ月以内に請負契約が締結されないと、売買契約も無効になりますよ、という説明をしなければなりません。

請負契約を売買契約に先んじて結ぶ、というのはありえないですし、売買契約後にすぐ請負契約を結ばせようとするのは明らかに施主に不利な契約です。しかしこのタイプが結構多いのも事実です。

>ところで、一般的に「見積書」って言うものを施主が
>請求した場合、どのような内容でどこまで細かく作る
>のでしょうか。

詳細な見積もりというのは、通常はプランが確定し設計図書を作成しないと出ませんからね。ハウスメーカーの場合は内外部仕様がほぼ決まっていて詳細見積もりがデータベース化されていますからすぐに作成できますが、設計部門を持たない小さな工務店ではなかなかそこまでは難しいです。ですから工種別の見積もりがよく使われますが、これは基礎工事一式いくら、木工事一式いくらという簡略なものです。

相見積もりなどは施工会社が決まる前にするもので、施工会社が決まってからだとトラブルのモトです。数社に対してプランと概算見積もりをお願いして比較検討するということですが、この段階で詳細見積もりを出させる、というわけにはいきませんし、そこまでは無理でしょう。

ところで外断熱はオプションなんですよね。内断熱であれば当初の見積もりの範囲内で収まる、ということなんでしょうか。それとも本体価格から断熱工事自体が別途工事になっているということですか?それはありえないでしょう。ちなみにうちは内断熱一本です。外断熱を使用する場合というのは構造パネルで壁を覆うとか2×4工法や非木造に向く方法ですし、そう目立って違いがあるわけではありません。

本体の詳細見積もりが出せない、ということでも、工事種別ごとの一式見積もりであれば出せると思いますし、そもそも何が本体工事に含まれて何が含まれないのかという点も説明してもらっていないと、相談しようにもできませんよね。詳細見積もりに拘らずに話を進めてみたらどうでしょう。まず現段階で向こうが提案するプランの詳細を聞いた上で希望を述べるようにした方がいいということです。

私はあくまでも部外者ですから、価格が高い安いなどということは言える立場にありません。それは工務店と詰めていくしかないでしょうね。とにかく工務店を新たに選ぶことができませんので、その工務店と希望に近い家を建てられることを考えて交渉していくしかないでしょう。

Re,停止条件付き売買契約、です
名前:かずタンさん(2002/9/25)
上田様 いつもお世話になっております。お忙しいはずなのに、すぐお答えをいただけるのが、本当に嬉しくもありがたいことだと思っています。

土地と請負の契約がほぼ同時(もちろん時間は前後してますが)に結ばれたのはご指摘の通りです(なんだか見ていらっしゃったようで怖いです:笑)。ですから、施主にとって不利な条件で契約してしまったと言うことで、ここでも勉強不足が露呈してしまったことになりました。お恥ずかしい限りです。

早速工事種別ごとの見積もりを請求して、話を進めていくことにします。あんまり「安く、安く」というのも工務店にしたらいやな客なのかも知れませんが、そんなに潤沢な資金があるわけでもないので、どうしてもコストダウンを重視してしまうことになります。この辺は、どうなのでしょうか。

妻も買い物ついでに「無料」不動産相談のチラシを見ていました。やっぱり生涯、学習なのでしょうね。

工務店の気持ち
名前:上田 勝さん(2002/9/26)
かずタンさん、こんにちは。

>そんなに潤沢な資金があるわけでもないので、どう
>してもコストダウンを重視してしまうことになり
>ます。この辺は、どうなのでしょうか。

それは施主としては当然でしょう。むしろやりたいようにやってくれという施主の方が希少な存在ですし、コストダウンを求められるのは宿命と言ってもいいですから、工務店の側はそう気にはなりません。

削る相談ならなんとでもなりますが、どこも削らずにただ金額だけ下げてくれというお客さんや、やたらサービスを要求するお客さんはさすがに困りますけどね。

コストダウンと言っても、住宅の価値を下げずにどうコストを減らすか、ここが肝心なところです。無塗装のシナ合板を内装に使うなどの例もよくありますが、これは大工工事だけで済み、内装工事と塗装工事が省けるからコストダウンになるんですね。しかも工務店の利益は変わらないというメリットもあります。こういうものが賢いコストダウン法と言えるでしょう。

そしてもう一つは、最初から完成形を求めず例えば5年後にここを仕上げるなどのように、追加工事でできる部分をあえて後回しにするという手もあります。どうしても施主は最初から完璧な家を手に入れたいと思うもので、このために予算をオーバーしやすくなるんですね。まだ子どもが小さいのに立派な子ども部屋を用意しておくなどははっきり言って無駄です。

前回述べた外断熱にするか内断熱にするかもそうですが、オプションを選ぶ場合にそれを工務店がやるのか、それとも外注になるのかで大きく違ってきます。こうした部分をきっちり頭に入れて交渉していくことが大事ですね。あまり部分的なことに気を取られるより全体的に見てコストダウンを図って行く。ここに気をつければ工務店とうまく交渉できると思います。

ありがとうございました。
名前:かずタンさん(2002/9/26)
上田様 早速のアドバイス、ありがとうございました。確かに、コストダウンは値切りとは異なるものだと思います。「賢いコストダウン」「完成型を求めない」など、もっともなことだと思います。
 もう少し、よく考えて交渉してみます。

ありがとうございました。
だんだんやる気が出てきました。

つづく・・・
名前:かずタンさん(2002/10/4)
上田様 今までいろいろとアドバイスいただき、本当にありがとうございました。その後、いろいろな相談機関(もちろん無料)も活用してみました。
上田様からもどのように話を進めるか、ヒントをたくさんいただくことができてとてもありがたかったです。
家造りって大変ですね。実感しています。もう一頑張りしてみます。
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