建築家との契約を解除したい

建築家との契約を解除したい
名前:みけさん(2013年4月24日)
木造2階建ての設計を大手HM数社で検討していたのですが、物足りずコンペ形式で決定した建築家と家づくりをしてきました。

土地形状は南北に長い更地で、第一種低層住宅、建蔽率50%容積率100%、35坪です。建築家の提案はスキップフロアのある半地下3階建構造と今までに見たことのない設計で非常に魅力的だったため、お願いすることにいたしました。

予算はハウスメーカーの2700~2900万よりも低めの、設計管理料込の2600万で概算見積もりを頂きました。この予算で半地下まで出来るのかと感動したと共に、通常は半地下などを設計すると大幅に料金が高くなるのではと再三確認致しましたが問題ありませんとのことで、更には我々の要望以上の設備や仕様を追加でご提案頂いておりました。

ところが11月に入り工務店に見積もりをあげたところ何と一番安い工務店です本体価格坪100万。仕様変更などでは大幅な減額を図ることができず、提案された減額案は基礎をいじるものや断熱材を減らす内容も含まれていたため不採用。予算内で納める場合は構造を変更するしかないとの結論からHMで設計されたような何の特徴もない木造2階建てに変更することになりました。

ただ当初の予算より1000万近い乖離が果たして設計変更で本当に可能なのか疑わしかったため、建築家に再三質問したのですがとりあえず見積もりを挙げてみないと分からないとの回答。残念なことに2回目の見積もりも本体坪価格80万弱とHMと変わらない金額に。更に問題なのは仕様が最低限の窓、通常より安めの建具、アルミサッシを使用、最低限の外構と全てが最低限のレベル。2度に渡る予算オーバーについてもこの金額で無理であれば他の建築先にして下さいとの回答と全くの誠意がありません。

昨年7月に契約、本来であれば12月に見積もり調整、1月施工の6月完成の予定でした。この設計変更で6か月の遅滞。この場合すでに支払い済みの契約金の一部を返却してもらうことは可能なのでしょうか?

契約書には詳細は記載されておらず、解除条項についても双方で話し合うとしか記されていません。設計管理用として290万のうち140万をすでにお支払しています。この様な施主の予算を無視した設計に対価を払う必要があるか甚だ疑問です。

お話し合いによって解決可能です。
名前:ザ・ハウス(2013年4月25日)
みけさん、こんにちは。

ご期待を持って建築家にご依頼されたにも関わらず、大変お困りのご状況とお察しいたします。

すでに解約をお考えでいらっしゃる場合は、建築家に対してその意志をお伝えいただくと共に、設計監理料の返還をお申し出ください。

ただし、設計監理料のお支払いや返還が可能かどうかについては特に決まりがないため、ご当事者間のお話し合いによって解決する必要がございます。

すでにご存じのことと思いますが、「設計監理を建築家が行い、工務店が施工を行う」家づくりの場合、工務店から見積りをとって初めて正確な費用が判明するため、建築家に設計を依頼した段階の概算見積りは、あくまでも建築家自身の経験知から導かれた「予測」に過ぎません。

主に、当初の予測と後々の建築費との間に大きな乖離が生じてしまう原因として、

・建築家側の当初予算の見立てが甘かった。

・建て主側の要望がプラン提示時点から増えた。

といったことが考えられます。

とはいえ、個々のご事情や今現在に至るまでのプロセスは様々ですので、一概にどちらかに割り切れる場合ばかりではありません。

例えば、コンペ形式の場合、結果として当初の予算から建築費がアップすることが少なくありません。

コンペ形式では、まだ打合せが十分に重ねられていない段階のプランをもとに依頼先を決定するため、打合せを進めていくに従って、お互いが想定していたグレード感のギャップが明るみになることがあり、これらを見積りに盛り込んだ結果、当初の想定よりも費用がアップしてしまうことがあります。

このような場合、建て主にとっては、「建築家側の当初予算の予測が甘かった」という理解になり、建築家にとっては、「建て主側の要望がプラン提示時点から増えた」という理解になりがちですので、なかなかお話しの折り合いが付かないことがあります。

ただし、みけさんが書いてくださったご計画内容を拝見した限りでは、ある程度のご実績がある建築家であれば、一般的な仕様よりもグレード感を下げたり、コストを抑える工夫をしなければ実現が難しいということは十分に予測の付く範囲だったのではないかと思います。

「大変厳しい予算ではあるが、何とか実現できる」という前提でスタートしたご計画だったのか、それとも「全く心配ありません」という主旨のご説明だったのかによって、建築家の予測が甘かったのか、そうでなかったのかをある程度は推測することができるのではないかと思います。

難しい交渉かと思いますが、ご参考にしてお話し合いに臨んでみてください。

ありがとうございます
名前:みけさん(2013年4月26日)
早々にご回答いただきましてありがとうございます。当初よりHMでとった見積もりを元に当方の要望とグレードについてはある程度明確に提示して参りました。設備に関してはシステムキッチン、トイレ2つ、洗面2つ、床材は突板合板、クローゼットは一つのみ、リビングに床暖、および空調5台でした。ただし空調に関しては金額次第で減らす予定で、設備に関しては都度確認してどの程度のグレードが使用可能か確認して参りました。故にこのような結果になってしまい非常に残念です。先方の言い分といたしましては震災の影響でコストが大幅にアップしているとのことと、当方の要望が平均的に良いものを使用しているためとのことでした。取り急ぎ建築家の方には解約の意思表示をさせていただいた所、2度にわたるコストコントロールが出来ていなかった事についての謝罪の連絡をいただきました。返還される金額についてはこれから話し合う予定でいます。このような場合、なかなか相場という金額はないのでしょうが、全額返還は難しいとして基本設計のみお支払する場合本体価格の何%位が妥当なのでしょうか?ご教示いただければ幸いです。
契約書の支払い条件をご参考に
名前:ザ・ハウス(2013年4月26日)
みけさん、こんにちは。

ご要望とグレードについてはご確認をしてこられた上での現状なのですね。

建築家との家づくりの場合、表に現れる設備や仕様もさることながら、基本的な構造部分にコストの比重が掛かってしまうことがあります。

例えば、構造が同じ木造の住宅であっても、木造在来工法をベースとした建て方と、そうでない場合にはコストに大きな開きが生じがちです。

昔から多く手掛けられている木造在来工法で建てる住宅の場合、一般的に流通している汎用的な部材が使われます。

この範囲の中でプランが成立できればいいのですが、在来工法では実現できない複雑な間取りや空間を広く確保する場合には、同じ木造でも、構造設計に基づきその建物専用に考えられた部材を使って建てられます。

建築家の設計監理のもとで建てられる住宅の場合、後者の選択が採られる場合が多く、これによって木造在来工法では難しい自由度の高いプランを成立させることができる反面、プランを成立させるための構造部分に建築コストの比重が掛かってしまう場合が少なくありません。

設計監理料の件ですが、まずは契約を結ばれた際の支払い条件をご確認ください。

恐らく、契約書の中に設計契約時○%、基本設計終了時○%、実施設計終了時○%、工事着手時○%、建物上棟時○%、建物竣工時○%等の記載があるかと思います。

もし、基本設計相当分についてお支払いすることをお考えであれば、基本設計終了時までのパーセンテージを1つの目安としてお話しをされるとよろしいのではないかと思います。

それぞれの作業段階の振り分け方と比率についてはその建築家によってそれぞれ異なりますが、仮に設計監理を「設計」と「監理」の2つに分けて考えるならば、一般的には、実施設計や見積り調整を含めた「設計」の割合が60%~80%、「監理」の割合が40%~20%の範囲で設定されていることが多く、これはおおよそ建築家の作業の出来高と比例します。

建築家の方も謝罪をされていらっしゃるとのことですのでお話しが長引くことはないと思いますが、お話し合いが速やかに解決に向かいますことを影ながらお祈りしております。

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