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Instagramライブ

建築家・都留さんの住まい

9月のインスタライブ

毎月開催しているインスタライブ、9月は建築家 都留 理子さんの自邸にお邪魔しました。

1Fは都留さんの設計事務所となっており、外観からスタイリッシュなご自邸です。

外壁は、人通りも多い通りのため、あまり家っぽくない建ち方にしたいということで、メンテナンスもしやすいガルバリウム鋼板になっています。

外観も室内も、とても築17年とは思えない、素敵なおうちです。

見晴らしのいい玄関

外の階段を少し上がり2Fにある玄関から中に入ると、全面ガラスの窓から、街の様子が一望できる玄関ホール。

少し高くなっている土地に建てられているため、とても見晴らしが良いです。

こちらの敷地は半年くらいかけて、探されたそうです(見に行かれた数は40件ほど)。19.8坪ほどだそうですが、こんな敷地に出会えることも「ご縁ですね」と都留さん。

都留さん「この景色を活かしたかったですし、玄関を区切ってしまうと玄関にしか使えません。限られた面積なので、玄関でもありながら時間も過ごせる気持ちのいいスペースにしました。」

床は23cmのパイン材にオスモの白を拭き取りながら塗ったそうで、とても良い色合いですね。

窓際は、結露受けの下に床材を潜り込ませることで、全面ガラスの窓がより額縁のようにきれいな景色を見せてくれています。

壁には艶のある塗料を使うことで、光が奥まで拡張し、天気が良い日は木の緑も映り込むそうです。

パブリックな空間からプライベートな空間へ

玄関ホールの壁には、寝室やトイレへの扉などもありますが、どれも扉っぽく見えないようにフラットに。

扉の高さを少し下げていることと、取手の部分がアクリル板になっていることで、中に電気がついているか=人がいるか・起きているか、などが外から分かるようにもなっています。

洗面所の小窓からは空や木が見え、鏡をそのまま取り付けずに、棚を開けた裏面に鏡を付けることで、よりスッキリと落ちついた空間に。

洗面所から浴室に繋がっていますが、途中に収納スペースの扉があり、それを開けることで空間が区切られ、脱衣室が!

扉が必要なときと必要でないときで使い分けられる、すごいアイデアですね。

それぞれの役割がある窓

階段で3階へ上がると、また街の様子が一望できるガラス窓のあるリビングスペース。

窓に沿ってベンチが作られています。

幅が広めに作られているので、お子様が遊んだり、大人も足を伸ばしたり、景色を見ながらとてもゆったり過ごすことができます。

ガラス窓は開けられないようになっているので、ベンチの下に通風用の網戸がついた通気口が作られています。

鉄骨造の構造部がそのまま活かされたトップライトも作られ、ふんわりとした明かりが。

光を入れる窓、景色を見せる窓、風を通す窓、と役割分担がなされています。

景色との関係を選べる家

見晴らしの良い景色ですが「見る対象でしかないのではなく、ベンチに座って感じたり、ソファーから眺めたり、関係を選べるようにしたかった」と都留さん。

ソファーに座ってみると、部屋の奥行きもあって、また違った眺め方になります。

また座ると目線がちょうど景色の水平線のあたりになり、ベンチの高さと街の建物の高さ、空の高さなどが半分くらいずつ、見る人に落ち着きを与えるよう計算されているとのこと。

窓の寸法を決めるときに「目線」を理由にされたそうですが、何年も暮らしてみないとわからなさそうな景色と生活スタイルとのバランス。

設計時からそういったところを考えられるのは建築家さんならではですね。

角を活かした設計

こちらの敷地は五角形(直角は1つ)になっているそうで、場所によって、鋭角をそのまま活かしたり、直線に切り取ったりと意向が凝らされています。

都留「長方形の方がダイレクトに広さは伝わりますが、角度が変形していると何畳といった基準が曖昧になります。広さの概念が曖昧になってくるんですよね。」

出窓と天井の角度が揃えられていたり、じっくり見てみないと気付かないところにも、視覚的・感覚的に楽しめる要素がたくさんあるんです。

居心地のいい階段

オープンなキッチンはリビングの奥、子供部屋へと続く階段のすぐそばに作られています。

都留さんがキッチンに立つと、お子様たちが降りてきて、階段に座ってお話をしたり、お茶を飲んだり、勉強をしたり。とても素敵な距離感ですね。

都留さん「家の中に、椅子じゃなくて座れる場所があちこちにあると、家との関係が身体的になり近くなると思います」

居心地の良い場所がたくさんおうち、いいですよね。

元々から立っていた樫の木も、防風林としての役割もそのままに、大きな窓を彩っています。

都留さん「ダイニングに座ると、木がすぐ近くに感じられます。」

凹凸も活かした本棚

階段を上がると、カーペットと同じ素材が貼られた上り口。ぐるりと囲むように、空間が広がっています。

17年前におうちを建てられた当時は、まだお子様がいらっしゃらず、子供部屋を想定して作られたそうです。

お子様が小学生くらいの頃に改装をして、天井にはカーテンレールを設置。

だんだんと寝る時間も変わってきたお二人のお子様たち(現在、中学生と小学生)の部屋を遮光性のあるカーテンで、それぞれ区切ることができるようになっています。

壁には、棚によって奥行きが異なる本棚も設置。

本棚の裏に入っている鉄骨のブレースを隠しながら、凹凸の空間もうまく利用されています。

奥行きのある棚は高さも広げ、パズルのようです。

屋上にも出られるようになっていて、多摩川の花火が見えるそうですよ。

目線が考えられた家

都留さんのご自邸におじゃまして、とにかく感じるのは居心地の良さ。

風が気持ち良く通っていることと、見晴らしの良さもありますが、目線のことがしっかり考えられていることがよくわかります。

まだご覧になっていない方は是非、InstagramのIGTVで、詳しくご覧ください。

ザ・ハウス Instagram →

今回でインスタライブ配信によるおうち訪問は、しばらくお休みとなります。今後はYoutubeにて、またいろいろな建築家さんのご自邸などを分かりやすくご紹介できたらと思っています。