床材

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「日本の床は畳と縁甲板」といわれていた時代もありましたが、最近の住宅は洋風化が進み、フローリングやタイルなどの様々な床材が使われています。

床は常に直接足が触れますので、見た目のみならず素材の感触や汚れにくさ、掃除のしやすさを考え使う場所にあわせて選びましょう。

なお、床材のメンテナンスについては、「注文住宅のキホン/床のメンテナンス」のページをご覧ください。

◆畳

畳を構成する材料は「畳表」、「畳床」、「縁」の3つに分けることができます。また、何種類かのサイズがあります。

【畳表(たたみおもて)】
畳の表面を畳表といい、い草を麻糸や綿糸で織って作ります。
い草が長く、太さや色がそろっているものほど上級品となり日本農林規格(JAS)で規定されている等級も上になります。

【畳床(たたみどこ)】
畳の土台になる部分を畳床といいます。
この土台の全てを藁(わら)で作ったものを「藁床」といい、保湿性、調湿性に優れています。

最近では、藁と断熱材を組み合わせたサンドイッチタイプや藁を使わず建材ボードで加工された建材畳床などが多く使われています。これらは断熱性に優れ、重量も軽く、ダニが発生しにくいなどの優れた点があります。

【縁(へり)】
畳のふちを覆っている布のことを縁といいます。縁付き畳は畳表を畳のふちで切ってそこに縁を縫いこみます。絹や綿製品や化学繊維の材料で織られ、無地物、柄物、色なども豊富で、洋風の部屋にもピッタリの縁もあります。

縁をつけずに畳表を折り曲げた「縁なし畳(坊主畳)」が最近では人気があり、半畳の畳を市松模様に敷きこむのが一般的です。

縁なし畳のことを琉球畳と呼ぶことがありますが、本来の琉球畳は「七島表」と呼ばれる畳表を使った畳を指します。

【畳のサイズ】
畳は長方形の一畳タイプと縁なし畳に多く使われる正方形の半畳タイプの2種類があります。
畳は部屋の寸法に合わせて注文生産しますが、一畳タイプの一般的な規格は、江戸間、京間、中京間、団地間に分けられます。

・江戸間(田舎間)
北陸や関東地方以北の地域で多く見られますが、最近の住宅では一般的な規格として使われています。
京間より小さく、柱の中心から中心までを6尺(182cm)を1間とし、サイズは5尺8寸×2尺9寸(1,757×879mm)。
芯間、真間(しんけん)とも呼ばれています。

・京間(本間、関西間)
関西地方を中心に中国地方、九州の一部で使われてます。
サイズは6尺3寸×3尺1寸5分(1,909×954mm)。

・中京間(間の間)
名古屋を中心とした地方で使われています。京間と江戸間の間ということで、間の間とも呼ばれています。
サイズは6尺×3尺(1,820×910mm)。

・団地間(団地サイズ)
アパートやマンションに使われる畳のサイズのことをいい、主に5尺6寸×2尺8寸(1697×848mm)と5尺3寸×2尺6寸5分(1606×803mm)の2種類があります。

なお、メートル法の法律化により、尺(約30.30cm)、寸(約3.03cm)、分(約3mm)は公式の単位としては廃止されています。

◆フローリング

一般的には日本建築で見られる縁側や外廊下に使われる床材の縁甲板と区別し、洋室用の床材のことをフローリングと呼んでいます。

【単層フローリング】
無垢(ムク)の板材を使った床材です。硬くて重いという特性を持つ広葉樹のサクラ、ブナ、ナラ、チーク、バーチなどや南洋材のアピトン、針葉樹のマツ、スギ、ヒノキやその他、桐、竹など様々な製品が発売されています。

無垢材は自然素材の持つ優れた質感や保湿・調湿・吸音性があり、年月の経過とともに素材の味わいを楽しむこともできます。

その反面、反りや割れが発生したり、色や柄にバラツキがでる場合もあります。その他、温度や湿度により伸び縮みするため、冬の乾燥時には目地に隙間があき、湿度の高い梅雨の時期には膨張し元に戻るという性質がありますので、材質を十分に理解をして採用しましょう。

【複合フローリング】
合板や薄い板を積み重ねて造られた基本となる材料の表面に、天然木の薄板や木目を印刷した化粧シートを貼った床材です。

合板や集成材、積層材を基材としている複合フローリングは、温度・湿度の変化に強く、膨張や収縮、反りやねじれなどが少ないのが特徴です。また、耐水、防虫、遮音、傷が付きにくいなど用途に合わせて加工が施された製品も多数あります。

◆カーペット

羊毛や絹、木綿や化繊などの繊維を織って作られた敷物です。

足触りが良く、防音性や断熱(保温)性が高く、滑りにくいなどのメリットがありますが、ダニが付きやすいことが弱点です。

最近では、防ダニ加工が施されたカーペットもありますので、こまめに掃除をすればアレルギーもあまり気にせずに利用できます。

カーペットは手織り、機械織り、手刺し、機械編み、不織布など、さまざまな手法で作られます。住宅向けのカーペットは織り方から次の3種類に分けられます。

【ウィルトン・カーペット】
イギリスのウィルトン地方ではじまった機械織りの一種です。
パイル糸(立ち毛)を地経糸、覆経糸、緯糸で交差するように強く締め付けるため、抜けがなく耐久性に優れており、織り目が厚手で毛足が緻密な高級品です。

【タフデット・カーペット】
基布にミシン針でパイルを植え込んでいく刺繍カーペットの一種です。
パイル糸の抜けを防ぐため、基布の裏面をのり付けした化粧裏地と張り合わせて作られた値段の手ごろなカーペットです。また、裏地に塩化ビニールなどのパッキング材を使い、50cm角にカットしたカーペットタイルもあります。

【ニードルパンチ・カーペット】
圧縮カーペットの一種です。
パイル糸を使用せずに綿状の繊維を薄く重ね合わせ、多数の針(ニードル)を突き立ててフェルト状に圧縮して作ります。
カットしても端がほつれないため施工は簡単ですが、弾力性には欠ける安価な商品です。

◆コルクタイル

地中海沿岸地域に群生している、ワインの栓の原料でもある「コルク樫」という木の樹皮から作られています。コルクタイルは水を通さないため、特にキッチン、洗面所などの水まわりにお勧めです。他にも、断熱性、保湿性、吸音性、弾力性、防炎性などの天然機能があり、優れた機能を活かして、幼稚園や保育園などの教室の床材にも使われています。

ただし、天然素材のために色ムラがあること、畳と同様に紫外線に弱く日焼けしやすいこと、コルク特有のにおいがあります。

◆大理石

石灰岩が熱や圧力によって変質してできた結晶質岩石です。

日本名の「大理石」は中国雲南省の大理府の地名に由来し、英語ではMARBLE(マーブル)といいギリシャ語の「光のなかで輝く」に由来しています。現在では中国のみならず、イタリア、ギリシャ、イラン、アフリカなど世界各地から輸入され、様々な色や柄があります。

「なめいし」ともいわれる大理石は、上品で高級感があり、表面の美しさや手触りには大変人気がありますが、価格の高い材料です。また、大理石は天然石の中では柔らかいために傷つきやすく、屋外の環境変化や耐火性にも弱いため、外部での使用よりも内装材として使われています。

室内では玄関やリビング、洗面所の床や壁など、お好みに応じてどの部屋でも使うことができますが、浴室の床には滑りますのでお勧めできません。また、お掃除用の洗剤やブラシの選択には注意が必要です。酸、アルカリに弱いため、大理石専用の洗剤や中性洗剤を使い柔らかいブラシで磨きましょう。

◆テラコッタタイル

天然の土を素焼きした大型タイルのこと、土の温かみと素朴な質感が魅力です。

地中海沿岸の温暖な乾燥した地域でよく使われる床材で、南欧風(プロバンス)の住宅やインテリアをイメージさせる床材です。

ポーチやテラスだけではなく、リビングやキッチンなど様々な場所に使われていますが、吸水性が高いタイルなので、水廻りに使う場合は撥水処理を行いましょう。また、屋外の湿気の多い場所ではコケやカビが発生することもありますので、日当たりの良い場所に採用しましょう。

テラコッタタイルには2種類の焼き方があります。

【手焼き】
一枚ずつを天日に干した後に低温で焼き上げる方法。
手づくりのため、色やサイズ、輪郭などにバラツキがあります。

【機械焼き】
高温で一気に焼き上げた後に適当なサイズに切断する方法。
形や色が整っていますが、テラコッタ本来の魅力である土の自然な風合いや素朴な質感は味わうことはでません。

(八谷)
まじめな家づくりセミナー