断熱材

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断熱材は、快適に暮らすために、冬は屋内の暖かい熱を逃がさず、夏は外部の熱を入れないように熱の流れを遮る役目を担っています。

断熱材は、同じ材料であれば厚みが増すほど性能が良く、価格も高くなります。断熱性能が良ければ冷暖房などのランニングコストを抑えることが可能になりますので、初期の建築費のみならず、その後の生活も見据えて計画をしましょう。

なお、どんなに性能の良い断熱材を使っても、防湿、防水の仕方や施工が悪くては断熱材が持つ効果を十分に得ることはできません。ずれたり、隙間ができないように慎重な工事が求められます。

断熱材は「無機質繊維系」、「発砲プラスチック系」、「木質繊維系」の3種類に大きく分けることができます。

◆無機質繊維系断熱材

耐熱性、耐火性が高く、吸音性や防音性にも優れ、軽量で柔軟性があり、切断がたやすい施工性の高い材料です。空気や水を通し、水分を含みやすいため、断熱性能の低下の危険や断熱内結露の心配がありますので、防湿シートを張り合わせるなどの処理が必要になります。

【グラスウール】
ガラスの原料を溶かして細い繊維を綿状に加工した断熱材です。
ガラス繊維の間に含まれた空気によって断熱効果を得ることができますので、厚みが増すほど断熱性能が高くなります。
床、壁、天井と住宅のほとんどの部分で使うことができ、安価なため住宅に最も多く使われています。回収された空き瓶などを原料にしているリサイクル商品もあります。

【ロックウール】
けい酸分と酸化カルシウム分を主成分とする高炉スラグや、安山岩、玄武岩などの耐熱に優れた鉱物を高温で溶かし、遠心力、空気圧縮などを利用して作る人造鉱物繊維です。
アスベスト(石綿)とロックウール(岩綿)を同じものと誤解されることがありますが、アスベストは天然鉱物繊維で、工場で生産された人造鉱物繊維のロックウールとは別の物質です。
ロックウールはグラスウールに比べて繊維密度高いため、防音性や断熱性が高く、耐熱性、耐火性能にも優れていますが、若干価格が高い断熱材です。

◆発砲プラスチック系断熱材

スチロール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂などを原料にした石油製品に発泡剤を混ぜ合わせて板状にした断熱材です。

発砲させた細かい泡の中に空気などを閉じ込めることによって断熱効果を得ることができる材料です。一般的には繊維系断熱材よりも断熱性能が高いと言われています。

【ポリスチレンフォーム】
ポリスチレン樹脂を原料とするポリスチレンフォームはビーズ法と押出法の2種類があります。

・ビーズ法
一つ一つの粒の中に独立の空気の泡持った断熱材です。耐水性、断熱性に優れ、軽くてやわらかい性質のため、加工性、施工性に優れています。畳の床芯としても使われています。

・押出法
ビーズ法よりも断熱性、耐圧性、耐候性に優れています。水に強い性質があり、基礎や土台、土間の断熱材にも使われています。

【硬質ウレタンフォーム】
とても細かい独立した泡で形成されており、この一つ一つの泡の中に熱を伝えにくいガスが封じ込められている断熱材です。
板状に加工された製品や施工現場で直接吹き付ける現場発泡があります。現場発泡は、継ぎ目の無い施工が可能で、断熱効果を高めることも可能です。

【ポリエチレンフォーム】
ポリエチレン樹脂を原料とし細かな独立気泡で形成された断熱材です。
柔らかい素材のため様々な形状の断熱材があり、配管カバーなどにも使われていますが、耐圧性は低いと言われています。

◆木質系繊維断熱材 

自然素材を原料としているため環境に優れた断熱材です。

【セルロースファイバー】
天然パルプやリサイクルした古新聞を粉々にしてホウ酸を混ぜ合わせ、綿状に仕上げた断熱材です。
天然の木質繊維の持つ高い調湿効果があり、湿度が高くなれば水分を吸収し、低くなれば放出するため、内部結露を防ぐことができると言われています。綿状の素材を吹込み、吹付けで施工されるため、密度が高く防音効果や断熱性能が優れています。
また、ホウ酸が配合されてるため、白アリ、カビ、ダニなどの害虫を寄せ付けない効果や燃えにくい効果があります。
「ホウ酸」とはゴキブリ駆除(ゴキブリ用ホウ酸団子)やうがい薬、化粧水、消毒など幅広く使われている薬剤です。

【インシュレーションボード】
間伐材やリサイクルされた木材から取り出した繊維質をボード状に加工した軟質繊維板の断熱材です。
リサイクル材を利用しているのでエコマーク認定を受けています。
断熱下地や内装下地材として、他の断熱材と併用で用いられることが多く、畳床としても使われています。高い断熱性と調湿効果があるため、内部結露を防ぐことができます。

(八谷)
まじめな家づくりセミナー