内壁

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※内壁のメンテナンスについては、「注文住宅のキホン/内壁のメンテナンス」のページをご覧ください。

◆内壁の構造

木造建築の内壁構造には、真壁(しんかべ)と大壁(おおかべ)の2種類 があります。

真壁は施工に手間がかかり、大工の技量によって仕上げに差が出やすく、高度な施工レベルを求められることや、住宅の洋風化が進み和室の雰囲気の真壁は敬遠され、一般の住宅では和室のみを真壁とし、その他の部屋は大壁に仕上げることが多くなってきています。

【真壁(しんかべ)】

真壁とは柱と柱の間に壁をつくり、構造材の柱や梁が室内に見えている仕上げのことをいいます。壁の厚さが薄いため同じ広さの部屋であれば、大壁より広く感じられます。

柱を隠さないため、白蟻の被害などの異常があった場合でも発見がしやすいことや木が呼吸できるので調湿性能を充分に発揮し、乾燥しやすく腐りにくいことなどのメリットがあります。

しかし、壁の内部に筋かいを配置しにくいため、強い耐力壁をつくりづらいことや柱は構造材と化粧材を兼ねるため、仕上げがされている柱を使う必要があり、施工にも手間がかかるため、大壁よりも材料費、施工費ともに高くなります。

真壁(しんかべ)

【大壁(おおかべ)】

大壁とは柱を内壁材で覆ってしまい、柱が室内に見えない仕上げのことをいいます。

壁の内部に筋かいを配置したり、断熱材を入れることができるため耐震性に優れ、気密性がよく防火、保湿、防音上に有利といわれています。また、柱が壁の中に隠れて見えないため、仕上げの美しさより強度を考えて経済的な柱を選ぶことができます。

しかし、壁内の湿気が抜けにくいため、外壁側に通気層を設けたり通気性のある内装材を使うなど、柱の腐食に対する注意が必要です。

大壁(おおかべ)

◆内壁の仕上げ

内壁の仕上げは、クロス、木、塗り壁、ガラスなど種類や素材が豊富で価格にも幅があります。素材によって不燃性、遮音性、吸音性、耐水性、吸湿性、断熱性、耐久性などの機能が異なりますので、デザインのみならず、部屋の用途に合わせて機能も考慮に入れて、選ぶことが大切です。

【クロス】

下地の上に張るだけで表面を仕上げることができるので、施工がたやすい、工期が短い、コストも手ごろなため、一般の住宅では最もよく使われている内装材です。

最近では、汚れ防止、抗菌、消臭などの機能を備えたクロスや珪藻土や炭、コットンなどの原料を加えたクロスもあります。

素材によってビニールクロス、布クロス、紙クロスなどに大きく分かれます。

<ビニールクロス>
ポリ塩化ビニールを素材としてつくられたクロスです。
織物調や石目調、花柄やチェック柄など様々な色、柄に加工ができるので、商品の種類はたいへん豊富です。他の素材よりも施工性に優れ、安価な商品です。汚れを水拭きすることができるなど扱いやすいクロスですが、結露がしやすいというデメリットがあります。

<布クロス>
綿や麻などの天然繊維、レーヨンやポリエステルなどの合成繊維を使い壁紙用に織り上げた商品です。ホテルの内装に使われているように、織物ならではの柔らかい質感や高級感のある厚み、なめらかな輝き、趣きのある空間を演出できます。
吸音効果、調温性、通気性に優れた性質を持っていますが、ビニールクロスよりも継ぎ目が目立ちやすいなど施工が難しく、価格も高い商品です。

<紙クロス>
パルプ、再生紙、和紙などを原料としてつくられたクロスです。
洋紙は、パルプを原料とし、紙の表面に色や柄をプリント加工したり、強い圧力で浮き出し模様をつけるエンボス加工された商品があります。その他、ケナフなどの非木材パルプを用いたクロスもあります。

【塗り壁】

防火、防音、調湿性などの機能性に優れ、柔らかな質感により趣のある仕上がりが得られますが、施工費が高く、工期がかかる、職人の腕によっては仕上がりに差が出るといわれています。

<珪藻土>
植物性のプランクトン(藻)の遺骸が化石化して出来た土です。
昔から火に強い土として七輪などの材料に使用されてきました。この土には、肉眼では見ることの出来ない無数の孔質(空気層)があり、断熱性、保温性、脱臭性、防火性などにも優れています。
表面を鏝(こて)で撫でる、引きずる、叩く、磨くなどの左官時術によって、豊かな表情に仕上げることが可能です。

<漆喰>
石灰石からできた消石灰(水酸化カルシウム)に砂と糊、スサを練り合わせた伝統的な塗り壁の仕上げ材料です。
漆喰は、吸放湿性、防火性、防音性、調湿性などに優れたすぐれた材料ですが、高度な左官技術が必要であるため、施工できる職人が減少しているのが現状です。
基本色は白色ですが、顔料を混ぜて着色した「色漆喰」もあり色のバリエーションを楽しむこともできます。

<土壁(じゅらく壁、京壁など)>
土を用いた古くからの仕上げです。
壁の下地には竹を縄で編んで作った「小舞下地」を用い、その上に荒壁(下塗り)、中塗り、上塗りの3層に砂混じりの粘土を塗り重ねて作られます。最近では「小舞下地」に代わり、石膏ラスボードや金属メタルラスなども使われています。
土の産地によって特有の色があり、京壁、じゅらく壁、大津壁、根岸壁などがあります。

<繊維壁(綿壁)>
綿状の繊維材(パルプや紙の綿状繊維)や糸状の繊維材(木紛などの粒状物や化学繊維)と接着剤を混ぜ、水で練った材料を使います。
吸音性や断熱性に優れ、施工が容易く工期も短い利点がありますが、耐久性や耐摩擦性が乏しく、汚れや水に弱いのが難点です。

<砂壁>
色土の変わりに泥分の少ない川砂とツノマタ、フノリなどの糊を混ぜて仕上げます。簡単にボロボロと落ちることはありませんが、年数が経つと砂がはがれやすいのが難点です。

<プラスター>
漆喰のような純白で滑らかな仕上がりが得られ、漆喰より安価な壁材です。
石膏を主材料とした石膏プラスターや石灰を使った石灰性プラスターがあり、石膏や石灰に砂、すさなどを水練りした壁材です。
乾燥にともなう収縮が少ないため、強度、耐久性には優れていますが耐水性には劣ります。
その他、ドロマイト(苦灰石・白雲石)を使ったドロマイトプラスターがあります。適度なねばりけと保水性があるので糊を混入しなくてもよく、強度もある壁材ですが、収縮が大きいため、亀裂が入りやすいのが難点です。
すさとは、壁の補強、亀裂防止のために入れる繊維質の材料のことをいいます。藁(わら)すさ、糸すさ、麻すさなどがあります。

【板壁】

板張りの壁のことで、材料は「無垢材」や「合板」が使われます。

壁全体を板材で仕上げる場合もありますが、壁の下半分に板材を貼り、その上をクロスや塗壁で仕上げる方法もあります。腰の高さまで板材を張ることから腰壁といわれており、傷や汚れが付きやすい高さの壁を保護する役目とインテリアとして楽しむ目的があります。

<無垢材>
無垢(ムク)の板材を使った壁材です。
針葉樹のスギ、ヒノキが一般的ですが、桐、竹など様々な製品が販売されています。
無垢材は自然素材の持つ優れた質感や保湿・調湿・吸音性があり、年月の経過とともに素材の味わいを楽しむこともできます。
その反面、反りや割れが発生したり、色や柄にバラツキがでる場合もありますので、材質を十分に理解をして採用しましょう。

<合板>
木材を薄くむいた単板(ベニヤ)を木目が交差するように積み重ね接着剤で張り合わせて一枚の板にしたものです。
合板には接着剤は不可欠ですが、F☆☆☆☆に適合した低ホルムアルデヒド合板が販売されています。使われる主な樹種はシナ、カバ、ブナ、タモ、ナラ、スギなどかあります。
シナ合板は、表面にシナ材を使用しており、芯材にラワンを使っているものや芯材、面材ともにシナを使った合板があります。シナは木肌がきめの細かく、木肌が滑らかなため、ラワンなどに比べて塗料の吸い込みが少なく塗装を美しく仕上げることができます。家具や建具など広くいろいろなものに使われている材料です。
F☆☆☆☆とは、JAS、JISのホルムアルデヒド放散量の上位基準 に適合した建材であることを示す表示記号です。

【化粧石膏ボード】

石膏ボードの表面にあらかじめ化粧が施されており、仕上げが必要のない石膏ボードです。表面紙にプリントした普通品やプラッチックシートや化粧加工した紙を貼る特殊品があります。

石膏を主材料とした石膏ボード(プラスターポード)は、防火性、断熱性、遮音性に優れ、加工もしやすい材料ですが、衝撃に弱い難点があります。

【ガラスブロック】

ガラスブロックの目地が、ルーバー(よろい格子)と同じ働きをして光を拡散させるため、柔らかい、均一な光を取り入れることができます。

2個の箱状のガラスを高温で加熱接着して作られており、中が空洞で空洞部分の気圧が0.3気圧と真空状態に近いため、採光効果がありながら優れた遮音効果と断熱性能を持ち、結露が生じにくい材料です。

また、耐火・防火設備の認定を受けている材料でもあり、内壁のみならず外壁やトップライト(屋根に設けられた窓)としても使われます。

(八谷)
まじめな家づくりセミナー