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請負契約(民法)

請負契約とは、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」契約(民法第632条)のことをいいます。

注文住宅を建てる際は、工務店やハウスメーカーと工事請負契約を締結しますが、例えば、オーダーメイドの洋服を作る場合や、舞台や講演の出演も請負契約のひとつです。

◆請負契約の特徴

請負契約は、仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約ですので、仕事(労働力)の提供が目的ではなく、仕事の完成を目的とした契約です。

したがって、請負人は仕事を完成させ、これを注文者に引き渡す義務を負うことになります。

仕事を完成させる方法には、請負人が自分自身で行う他、下請負に出すことも可能ですが、建設業法では一括下請け(いわゆる丸投げ)は禁止されています。

◆報酬の支払いと目的物の引渡し

前述のように、請負契約は仕事の完成を目的にした契約で、注文者は仕事の完成に対して報酬を支払うことになります。

つまり、請負人は報酬を得る前に仕事を進め、仕事を完成しなければなりません。しかし、住宅建築の場合には、請負人が数千万円の費用を負担しなければならず、請負人に大きな負担が生じてしまいます。また、請負人にとっては、仮に仕事は完成させても注文者が契約通りに報酬を支払ってくれるかどうか分からないという不安も残ってしまいます。

そこで、民法633条では、「注文者は完成した目的物の引渡しを受けるのと同時に請負人に報酬を支払う」とし、請負人は報酬の支払いを受けるまでは目的物の引渡しを拒むことができると定めています。

なお、建築の工事請負契約の場合、請負人が建築費用の全てを用意して立て替えることは金銭的な負担が大きいため、工事代金を契約時、上棟時、引渡し時などに分割して支払う方法が一般的です。

◆建物が未完成の状態での請負契約の解除

工事の途中段階などで建物が未完成の場合、注文者からの解除は請負人が仕事を完成しない間はいつでも損害を賠償したうえで契約の解除をすることができるとされています(民法641条)。

しかし、目的物を完成させるために費やした材料費や人件費、請負人が得られたであろう利益などの損害を賠償したうえで契約の解除が可能になるため注意が必要です。