本当に今、家づくりが必要か

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家を建てようと思われたきっかけは、人それぞれだと思います。

家賃を払い続けるのはもったいない、社会的信用のために持ち家を持ちたい、親と同居するために一軒家が必要、今住んでいる家が手狭になった、または寿命が来た・・・など。

しかし、家づくりには大変な労力が必要となるばかりでなく、住宅ローンを通じて長期間にわたって将来が拘束されることになります。

すぐに建て替えないと家が倒壊するというような抜き差しならぬ状況は別にしても、今一度本当に家を建てるべきかを、よく再確認する必要があります。

◆資金

どのような建て方をするかによっても異なりますが、住宅にはおおよその最低価格があります(→工事費)。 資金に余裕がなく、最低価格ぎりぎりの予算しか組めない場合は、特に注意が必要です。

なぜなら、地盤改良や擁壁工事などに思わぬ出費を強いられた場合、建物の仕様に余裕があれば、設備をスペックダウンしたり、床面積を減らすことによって、理想通りとは行かないまでも辻褄を合わせることが可能ですが、元々これ以上コストダウンのしようがない建物を計画している場合は、予想外の出費が生じた時点で計画そのものを中止せざるを得なくなるばかりでなく、設計や工事のキャンセル料が発生し、借金だけが残るという可能性があるからです。

家づくりにおいては、はじめにいくら綿密な計画を立てても、予想外の出費を強いられることは決して稀なことではありません。

もし、最低価格ぎりぎりの予算しか組めない場合は、あと数年間貯金に励まれ、余裕のある資金で再度計画に臨まれることをお薦めいたします。

◆将来の見通し

一昔前と違って、将来の立場や収入を予想することが大変難しい世の中です。 かといって、将来の不透明さを嘆いていてばかりいても何も始まりませんが、例えばご主人が将来独立する夢をもっていらっしゃる場合などは、せめてその夢の動向を見極めるまでは家づくりを延期すべきでしょう。

逆に、独立の予定があるので、ローンを組みやすいサラリーマンである今のうちに家を建ててしまいたい、とお考えの方がいらっしゃいますが、よほど独立に不安がない場合を除いては、少なからずリスクが伴うものとご理解ください。

◆家族構成

家は一度建てれば数十年という時間において住み続けるわけですから、その間にお子様が生まれて独立していく、ご両親と同居を始めて天寿を迎えられる、などとまさに一時代分の家族構成の変化を経験することになります。

かといって、それぞれのご家族の未来を正確に予想することなどそもそも無理なことなのですが、それにしても家族構成は床面積や間取りという、家づくりには最も大きなインパクトを与える要素です。

例えば、あと数年待てばお子様の人数や性別が確定する、あるいはご両親と同居するかどうかがはっきりする、などという場合は、それまで待ってから計画を立てられたほうが、より後悔のない家づくりになるでしょう。

◆ライフスタイル

注文住宅の一番のメリットは、家に生活をあわせるのではなく、自分や家族のライフスタイルに合わせた家を持てることです。 しかし、人のライフスタイルは時と共に変化するものです。

ライフスタイルが変化する一番大きな要素は、子供が生まれたり、定年を迎えたりなどの予想できる節目ですが、その他にも趣味がどんどん変わったり、年を重ねて急に畳が恋しくなったりと、自分では予想できないライフスタイルの変化もあります。

特に好奇心の強い若い年代は、ライフスタイルが先鋭的で変化しやすく、年を重ねるごとにライフスタイルの振れ幅も少なくなっていくものと考えられます。

従って、若い方がその時のライフスタイルにあまりにもぴったり合わせた家をつくってしまうと、すぐに住みづらい家になってしまうばかりでなく、趣味性の強い家の場合は売ろうにも売れないということにもなりかねません。

ある程度、ライフスタイルが固まり、理想の家の形が確信をもって見えてくるまでは、賃貸住宅に住むか、建売住宅などの汎用性の高い住宅を取得したほうが、あとあと後悔しない場合があります。

(関)
まじめな家づくりセミナー