土地の取引形態

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土地の取得にあたっては、買主の置かれる立場が不利になりがちなケースもありますので、取引形態をよく理解しておくことが大切です。土地の取引形態には、主に以下の3つの形があります。

(1)売 主(不動産会社)― 買 主

不動産会社自らが売主となり、直接買主と取引きをするケースです。新聞チラシに「売主のため仲介手数料は不要です」とあるのはこのケースにあたります。

仲介手数料がかからず、物件の給排水設備や区画を整えてから販売することが多いため、費用的なメリットは少なくありませんが、不動産会社自らが売主の場合には、不動産のプロを相手に直接交渉を進めることになるため、買主はどうしても不利な状況に置かれてしまいがちです。

(2)売 主 ― 不動産会社 ― 買 主

売主から売却の依頼を受けた不動産会社自身が、自ら買主を探して取引が成立するケースです。この場合、不動産会社は売主、買主双方を代理する形になります。

日本では土地が慢性的に供給不足のため、売主側に優位な形で取引が行われがちです。そのため(2)の取引形態は双方を代理している形にはなりますが、不動産会社は売主の利益保護を第一に考えることになる反面、どうしても買主の利益は二の次になりがちです。

この場合、不動産会社は売主、買主の双方から3%+6万円(税別)の仲介手数料を得ることができるため、一度の取引で6%+12万円(税別)の報酬を得ることができ、不動産業界ではこれを「両手」と言っています。

(3)売 主 ― 不動産会社A ― 不動産会社B ― 買 主

売主から売却の依頼を受けた不動産会社Aが、自分自身で買主を探すことができず、他の不動産会社が買主を探して取引が成立するケースです。

売主側には不動産会社Aが、買主側には不動産会社Bがそれぞれ関り、売主側、買主側で利害が対立する関係になります。そのため、売主から売却の依頼を受けた不動産会社Aは売主の立場に立ち、買主から購入の依頼を受けた不動産会社Bは、買主の立場に立って条件に適う物件を探し、調査や交渉を行います。

この時、不動産会社Bは、買主から3%+6万円(税別)を報酬として得ることになります。

不動産会社Aは、売主からのみ3%+6万円(税別)の報酬を得ることができますが、(2)のケースの半分しか報酬を得ることができません。売主、買主双方から仲介手数料を得ることができる(2)のケースを「両手」と言うのに対して、これを「片手」と言います。

近年、不動産業界では(1)や(2)のケースで起こりがちなトラブルを抑制するため、新たな情報公開のルールが規定されたり、不動産会社の中には「エージェント制」を導入している会社も増えています。

土地の購入の際には、陽当りや環境、利便性などの外見上分かること以外にも、権利関係などの一見して分からないリスクが潜んでいることがありますので、買主に適切に情報を開示してくれる不動産会社を選ぶことが重要です。

(矢野)
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