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地形の活用

高低差がある土地、狭小地、細長地、旗竿地・・・。

これらの土地は、工夫なく家を建ててしまうと居心地が悪くなってしまうか、費用がかさむ可能性が高く、一般的には敬遠されがちです。

しかし、素材を引き立たせて美味しい料理をつくるのが料理人の腕次第であるように、土地の特性を踏まえた設計をした結果、「土地が持つデメリットを感じさせない快適な家ができた」というケースは少なくありません。

また、何よりも魅力的なのは、一般的には人気がない土地のため、比較的安い価格で購入できる点です。

以下に代表的な例をあげて、それぞれの注意点と活用のヒントを考えてみます。

高低差がある土地

道路より土地が低い、または高い土地です。

土地と道路をつなぐ擁壁が、建物を計画する上で最大の「やっかい者」です。擁壁を壊す必要がある場合には、取り壊しの費用や造り直しにかかる費用を想定しておかなければなりません。

そのままの擁壁を利用する場合は、確かな構造かどうかを調べておく必要があります。いずれにしても、家づくりの依頼先と相談した上で土地の購入を進めることがポイントです。

<活用のヒント>

ご計画にガレージや地下室を想定している場合、高低差を利用してガレージや地下室を作ることができるため、平らな土地に造るのと比べて工事費を安く抑えられることがあります。

また、もともと地価が安いため、もともとガレージや地下室を作る想定があるのであれば、高低差を解消するための建築コストがかかってもトータルでは総予算に収めることができる場合があります。

狭小地

狭小地とは、10坪台またはそれよりも面積が小さい土地です。

小さい土地に計画をする場合、広い土地よりも当然制約は多くなってしまいます。しかし、プランニングの自由度が高い工法を採用することによって、その土地を最大限に活かすことができたり、設計の工夫次第では、数字上の面積以上に体感的な広がりを感じることもできます。

ただし、住宅ローンのご利用にあたっては、融資する土地の面積に下限を設けている銀行もありますので、事前にご相談が必要です。

<活用のヒント>

容積率が高ければ、土地が小さくても必要な建物面積を確保できる場合があります。また、容積率が低くても、地下室やロフトの緩和を受ければ、計画が成り立つかもしれません。

また、プランニングの自由度が高い工法を採用する、小さく部屋を仕切らずオープンな間取りにする、階段を壁で囲わない、スキップフロアにする、テラスなどの外部と室内をデザイン的に連続させるなど、設計の工夫によっては土地の狭さを緩和できることもあります。

細長地

間口と奥行きの比率が極端に異なる土地です。

土地の大部分が隣地と接するため、斜線制限や隣家の高さ、配置の影響を受けやすくプランニングに工夫が必要とされます。周囲の建物の影響をまともに受けやすいので、日当たりやプライバシーの確保が難しくなります。

<活用のヒント>

周辺環境や周りの建物の影響を受けにくい間取りを考えることが重要です。

例えば、周囲の視線をさえぎる塀を建ててその中に空地を取れば、プライバシーを確保しつつ建物内に光を取り入れることができます。横方向からの陽当りが期待できない場合は、中庭や吹き抜け、トップライトを造れば、上から光や風を取り入れることも可能です。

また、細長地であっても、道路や敷地の方角によっては斜線制限の制約を受けにくい場合がありますので、土地を有効に利用できる場合があります。

旗竿地

土地が旗竿のような形をした土地です。敷地延長、路地状敷地などとも言われます。

隣家に接する面が多くなるため、細長地の場合よりもさらに周辺の建物の影響を受けやすくなります。

路地状の部分は実質上建物を建てるのが難しいため、敷地面積を有効に利用できないというデメリットがあります。また、前面道路に2メートル以上接していない土地は、建物を建てることができないので注意が必要です。

<活用のヒント>

路地状の部分には建物を建てることができなくても、駐車スペースや駐輪スペースとして使ったり、植栽や照明を工夫して道路から玄関までのアプローチを演出すれば、敷地全体を有効に利用できるかもしれません。特に路地状の部分の空地は、建物内に光を取り入れたり、視線の抜けを確保するのに有効です。

細長地の場合と同様に周辺の建物の影響を受けにくい間取りを考えることが重要ですが、例えば、周囲の視線をさえぎる塀を建てたり、窓の配置を工夫すれば、プライバシーを確保することができます。横方向からの採光が期待できなくても、中庭や吹き抜け、トップライトを造れば、上方向から光や風を取り入れることも可能です。